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磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。 -中嶋貴子さん【福島県|磐梯町】

移住者・地域の方々へのインタビュー
 令和5年度夏季に実施した「磐梯町地域おこしインターンシップ」にて、磐梯町の移住定住の促進、愛着人口を増やすために、すでに移住している方々や、長く磐梯町に住われている方々に、「磐梯町に惹かれた理由」「磐梯町の良さ」を聞き出すインタビューを6名の方に実施しました。

「磐梯町地域おこしインターンシップとは?」

 磐梯町では、「地域おこし協力隊インターン制度」を活用し、地域おこし協力隊を経験し、将来的に磐梯町に移住・定住や愛着人口につながる可能性のある若者を対象とした「磐梯町地域おこしインターンシップ」を実施しています。

 令和5年度は、累計9名の参加者と一緒に「磐梯町が現在抱える課題の把握とその課題をもとにしたプロジェクトの企画・設計」を目的に、夏と冬の2回開催。夏季開催は「移住定住・愛着人口の誘致」、冬季開催は「愛着人口を増やすには?」をそれぞれテーマに、地元住民や役場職員へのヒアリング・インタビューを行い、参加者が考えつ自分達なりの政策提言を実施しました。

以下インターンシップ参加者作成のインタビュー記事になります。

こんにちは。地域おこし協力隊インターンとして磐梯町に携わっている行です。

今回のインタビューでは、磐梯町の議員としてだけでなく3児の母としての顔も持ち合わせながら活躍されている中嶋貴子さんについて深掘りしていこうと思います。

中嶋貴子さん
1978年長崎県長崎市生まれ、3児の母。長崎での保育園づくりや、カナダへの留学を経て、2012年に磐梯町に移住。「ばんだいキッズスポーツサークル」の立ち上げや、ECCジュニア磐梯町教室を開校を行い、2023年に磐梯町会議員に初当選。

ーこれまでの経歴や今現在のお仕事を簡単に教えてください
中嶋さん:長崎県長崎市出身で、大学まで九州、カナダ留学を経て現在は磐梯に住んで12年ほどになります。子供は3人いまして磐梯っ子として育てております。(笑)

一大学卒業後の経緯を詳しく教えてください
中嶋さん:卒業後、新卒で英会話教室のマネージャーとして働いていました。その後、実家の小児科のビルのなかにあった託児所が撤退するという話がでてきました。同じ場所に小児科と託児所がある環境をなくすのはもったいないと家族で話した結果、保育士の資格も、子育て経験もないまま保育園をやろうとなりました。

ただ、当時まだ一時預かりがやりにくい時代でした。一時預かりをするにあたって、働かないといけない、冠婚葬祭といった理由が必要で、昼寝したい、美容室行きたい、パパとデートしたいという理由はもっての外でした。だからこそ、気軽に使える一時預かりをコンセプトにした保育所を目指しました。素人だからこそ出た発想だったかもしれませんね。

20年前にはなりますが、核家族が増えていて、おじいちゃんおばあちゃんがあたりまえにいる環境がなくなってきていました。限られたスペースの中で、小規模だけど大家族みたいなコンセプトで、「〜心ぐるみ〜保育園〜なかやまさんち」と名付けました。大家族をイメージして、当時珍しかった男性保育士やシルバー人材センターからおじいちゃん先生を呼んだり、お花の先生も呼んだりしていました。

ーその後留学に至るまでのきっかけは何ですか
中嶋さん:あるとき、田んぼで子供たちを遊ばせてたときに普段大人しい男の子がはじけるように遊んでいるところを見て、大自然で子供たちを遊ばせることの意義に気がつきました。認定こども園の上限の問題で、認可外でやることになったこともあり家族の負担も増えてきました。そこで保育所は学童として引き継ぎ、「大自然で遊ぶこと」と「語学勉強」を目標に一念発起してカナダへ留学しに行きました。

―磐梯に来て感じた自然の魅力はなんですか
中嶋さん:大きなスキー場があるという環境は都会の人からすると魅力ではないでしょうか。例えば、朝1時間だけスキーを滑りに行くみたいな過ごし方もできますよね。
不便ではあるけど、気楽にアウトドアをできるのは都会の人ではできないことではないでしょうか。あとは、蛇口をひねれば名水百選の水が出るというのは子育てをする世代からすると安心ですね。

一議員さん目線で子育てと自然をどう組み合わせていきたいですか
中嶋さん:自然がいっぱいといっても自然を生かしきれていないんですよね。田舎過ぎて何もないっていう状態で(笑)。冬はスキーができるんですけど、夏どう過ごしてるか他のお母さんに聞いても、車で会津若松とか猪苗代とかの公園に連れて行っているようです。
水で遊べる公園があれば夏に涼を求めて遊びに行くこともできるし水のPRにもなりますよね。坂が多いので子供たちが自転車等で安全に遊べるようなスケートパークがあってもおもしろいですね。町の資源を生かした観光客誘致ができると1年を通して滞在できる素敵な町になると思っています。

一教育面で地域とやっていきたいことはありますか
中嶋さん:せっかく町としての教育方針があってもこの辺は校長先生も2年で転勤されてしまう現状です。そこで最近では、地域の人と学校をつくる、コミュニティースクールというものが活発になってきています。
例えば、「夏休みの宿題はどうあるべきだ」といった内容でワークショップを開いて意見交換が行われています。ただ、もっと地域の人が入ってきて良いと思っています。議員になる前は教育委員だったので学校教育の現場を見る機会があったのですが、実際に意外と目が行っていないなという場面が多々ありました。
そうした部分を地域の人たちが客観的に見ることで学校にアイデアを示すことができると思ってます。隣の人の顔もわかるような磐梯町だからこそ、学校が学校で完結しようとせずに地域の人材に助けをもらってみんなで学校運営ができると良いのではないでしょうか。

―社会教育の場として「まなびときばんだい」に期待することは何でしょうか
中嶋さん:当時習い事に通うには会津若松に行くしかないような状況で、自分に何かできることはないかと思い、子供たちのサードプレイスとなるような場所の選択肢を1つでも多く提供するために英語教室を開きました。
ちょうどそのタイミングでまなびときばんだいもでき、その頃から子供たちの居場所が少しずつ増えてきたと思います。今までそういった施設がなかったので子供たちが使いやすい場となるように、学校とそれぞれが協力して連携し、浸透させていく必要があると思います。

一「大家族」文化を磐梯で感じる機会はありましたか
中嶋さん:もちろんありますね。こっちに来る前はカナダに行って、そのあと東京に行ってたのでマンションの隣に誰が住んでいるかもわからないような状況でした。磐梯では近所の方々が我が孫のように可愛がってくださるんですよ。ある日、うちの息子がいないと思ったら近所のおじいちゃん、おばあちゃんの家でひっくり返って寝てたんですよ(笑)
地域の子供たちのために虫取り網買ってくれたり、ちょっと買い物行くときに子供を見てくれたり、運動会にまで来てくれたり。実際にはー緒に住んでいないけれど、本当の孫のように時には叱ってくれるなど都会にはない子育てができているなと感じています。
上辺だけでなく本当に気を遣わなくていいんだと言ってくれてると分かってからは、地域の方々の厚意に甘えさせてもらっています(笑)私が教えられないことを教えてくださるのはこういうところならではだと思ってます。

一誰でも先生になれる、という環境があるんですね
中嶋さん:本当にそうなんです。実は現在子供の体操教室やスイミングスクールを行うキッズサークルをやっています。ただ町に立派なプールがあるのに、もともと町直営の施設で営利目的の利用ができず、有効活用できていなかったという経緯がありました。そこで、非営利の子供の場づくりとして、自分たちでやろうという話になり立ち上げました。偶然にも体操のインストラクターとスイミングのインストラクターをやれる人が見つかったんです、3000人規模の町でも隠れた人材がいるなと気付いてからは、そうした人たちを発掘したいなと思っています。きっかけがないだけで、そういう場があれば本当は活躍できるって人はたくさんいると思うんです。自分のスキルアップにもつながるし、人生を変えるきっかけになるかもしれないんです。そこの後押しをしていこうと思っています。

一今後の地域の親たちの社会参画についてご意見をお聞かせください
中嶋さん:磐梯町の規模だと一人ひとりの役割が出やすいんですよね。東京都民の一人では感じられにくい自分の立ち位置がわかりやすく、町に貢献できることがわかっていれば子供が巣立った後でも磐梯に住む意味や生きがいが見えてくると思います。
些細なことでも磐梯町でできることをどんどん発見してもらいたいです。チャレンジできる町として人ひとりの自信につながればいいなと思っています

―今後議員として、母親としてそれぞれがやりたいことは何ですか
中嶋さん:磐梯町はDXを積極的に推し進めているけれど蓋を開けてみると、まだ議会中継をしていないといった意外と広がっていない面もあります。私の中で「次につながる」ことがテーマなので、磐梯町と議会の動きを伝えることが役割だと思っています。
実際に誰よりもインスタグラム等のSNSを利用して発信しています。そして、まちづくりに興味を持ってもらったり、議員になりたいという人を増やしていったりできればなと思っています。
あくまで私は町民に近い目線でみんなでー緒に頭を使って考えられる場をつくり、それを町に伝えていこうと思っています。ただ情報をあげるのではなくそれを見える形にしていきたいんです。とくにホームページに関しても今までは町内向けの情報公開となっていましたが、ふるさと納税にしても、移住にしても他の自治体と比較されるものなので、マーケティングツールとしてウェブサイトの存在を考えていかなければならないですよね。そういった町の根本的な意識を変えていきたいと思っています。
親として与えられるのは知識と経験だと思っています。子供たちが将来やりたいことを考えたときに、例えばネイリストという選択肢があるということを教えてあげなければ、ネイリストになりたいと思うこともなくなりますよね。知識や経験を与えてあげることが選択肢の幅を広げることにもっながるんです。あとは、子供たちがやりたいと思ったことをサポートしてあげる姿勢を持つことが子育てとしてやっていきたいことかなと考えています。

ーインタビュアーからの感想
岩崎:今回のインタビューを通じて、最終プレゼンに向けて、かなりいい収穫になった。インタビュー開始前は「ばんだいコイン」に関する提言をしようかなと考えていたが、最優先でやるべきは未来を作る子供たちが育ちやすい環境を作ることなんじゃないかなと感じ、その子供たちのために公園がないと仰っていたので、子供たちが気軽に公園について残り少ない時間でしっかり考えてみようと思った。また、町議会議員の方と話すこと自体初めてだったが、面白い話を沢山聞けたので、機会があれば、もう一度時間を取って様々なジャンルで話を聞いてみたいなと思った。

羽賀:子育て世代への施策や過去の経験から、磐梯町でどの様な子どもの未来を描いて移住してきたのかなどお聞きいたしました。子どもたちの「遊び場、体験の場、学びの場」を地域の繋がりを持っていろんな強みを活かし合い場を作っている姿はすごく素敵でした。インタビューありがとうございました!

インタビュアー紹介
羽賀優太(ハガ・ユウタ)
2000年生まれ、千葉県木更津市出身。國學院大學経済学部経営学科4年。2022年8月から地域活動を始めた。「新時代の地域社会インフラを創出する」を理念に憧れから繋がる地域チャレンジ循環の生態系づくりをしている。多世代の活躍・居場所づくりを作り続けている「多世代ごちゃまぜコーディネーター」だ。

岩崎七海(イワサキ・ナナミ)
新潟県佐渡市出身長野大学環境ーリズム学部1年 佐渡を日本アットホームな島にすることを目標に活動。過去には佐渡で「自然メヨガ」のイベント企画の運営に参加。直近は諏訪市でのまち歩きイベントに参加したり、大学がある上田市近辺の地域のボランティアに参加したりなど、佐渡以外の地域の魅力に触れる回数を増やしている。

「磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。」全5回
 Vol. 1:渡辺正雄さん
 Vol. 2:戸田かなえさん
 Vol. 3:鈴木勇一さん、鈴木悟司さん
 Vol. 4:中嶋貴子さん
 Vol. 5:大田清和さん
                ※随時更新予定


【磐梯町の移住・定住についてのお問い合わせ】
磐梯町役場HP
磐梯町役場 行政経営課 行政経営係
 bandai-gyouseikeiei@town.bandai.fukushima.jp

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【 磐梯町移住・定住ガイド 】
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