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磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。 -渡部正雄さん【福島県|磐梯町】

移住者・地域の方々へのインタビュー
 令和5年度夏季に実施した「磐梯町地域おこしインターンシップ」にて、磐梯町の移住定住の促進、愛着人口を増やすために、すでに移住している方々や、長く磐梯町に住われている方々に、「磐梯町に惹かれた理由」「磐梯町の良さ」を聞き出すインタビューを6名の方に実施しました。

「磐梯町地域おこしインターンシップとは?」

 磐梯町では、「地域おこし協力隊インターン制度」を活用し、地域おこし協力隊を経験し、将来的に磐梯町に移住・定住や愛着人口につながる可能性のある若者を対象とした「磐梯町地域おこしインターンシップ」を実施しています。

 令和5年度は、累計9名の参加者と一緒に「磐梯町が現在抱える課題の把握とその課題をもとにしたプロジェクトの企画・設計」を目的に、夏と冬の2回開催。夏季開催は「移住定住・愛着人口の誘致」、冬季開催は「愛着人口を増やすには?」をそれぞれテーマに、地元住民や役場職員へのヒアリング・インタビューを行い、参加者が考えつ自分達なりの政策提言を実施しました。

以下インターンシップ参加者作成のインタビュー記事になります。

はじめまして。地域おこし協力隊のインターン制度を使い、短期インターンをしている岩﨑です。

インタビュー記事第一弾となる今回は元磐梯町役場職員である渡部正雄さんを取材させていただきました。

渡部さんに磐梯町の「昔」「今」「未来」について詳しく尋ねてみようと思います。

渡部正雄さん
1952年生まれ、磐梯町在住。大学卒業後、磐梯町役場にて定年まで38年間勤務。農林課、総務課、建設課などの課長を務める。現在は民生委員や納税組合長を務めている。

ーはじめに、磐梯町の役場職員になったきっかけを教えてください。(稲葉)
渡部さん:私が長男坊であったので、磐梯町に残らないといけなくて。本当は教育委員会に入りたかったんですけど、募集がなくてね。それでたまたま役場が募集をかけていたので応募して、入りました。

ー仕事自体は忙しかったですか?(稲葉)
渡部さん:とても忙しかったですね。実際、飲みに行く暇がないし、病院に行く暇がないくらい忙しかったですからね。ただ、私の性格上「イヤ」と言えなくて仕事が増えていったってのもありますね(笑)。でも、とてもやりがいがあるなと感じていました。何せ、(窓口などで)町民の顔を見ながら仕事ができますからね。

ー磐梯町役場で一番印象に残っている仕事は何ですか。(稲葉)
渡部さん:総務課に配属されて、消防や選挙など、縁の下の力持ちみたいな仕事に就いたときが印象に残っていますね。特に防災関係の仕事が印象に残っています。火事とか地震とか起きると警報が出て総務課の職員と警察の一部の人に召集がかかったんですよね。後、平成12年(2000年)に磐梯山で有感地震が多発して、ハザードマップを作れと言われたんですよ。それでね、入山規制をかけたんですけど、役場職員で磐梯山に登って様子見て来いって言われて、何回か登ったんですよね。危ない中でしたけどね(笑)。でも、そういう部分では、最大の福祉ってのは、安心・安全で暮らせる町づくりだということは実感しましたね

ー今の言葉、とても素敵ですね。(羽賀)
渡部さん:福祉に関連してなんですけど、私自身、認知症の人を多く見ているんですよね。認知症の人で1人暮らしをしている人がいて、ゴミ出しの日とかわかってないんですよ。なんでシルバー側の人に頼んでゴミ出しを頼んだんですよ。そんな意味で細かいところまで目が届く行政をやらなくちゃいけないんですけど、どうしてもおろそかになっているような気がしますね。

ー還暦を迎えて、磐梯町役場を退職されてから民生委員や納税組合の組合長などをやろうと思ったんですか。(稲葉)
渡部さん:私ね、役場でいろんなことをお願いされちゃうんですよね。さっきも言ったんですが、頼まれたら断れない性格でね(笑)。それはあるかなって思います。

ー話は変わりますが、磐梯町の良さはなんですか。(羽賀)
渡部さん:下町なので、目が届くんですよね、意外と。おじいちゃんもおばあちゃんもどの部屋で寝ているのかわかるんですよ。プライバシーの問題とかありますけど(笑)。都会の人からしたら「お節介」っていわれますけど、行政的にも良いとこなのかなって思います。

ー逆に悪いところはなんですか。(羽賀)
渡部さん:最近の話なんだけど、若い人たちは山車の作成とか行政区の共同作業とかに出てこなくて、地域性が薄れているんじゃないかなって感じます。

ーそれこそ、災害時に重要になる「自助・公助・共助」の共助の部分が欠けているといえますね。(羽賀)
渡部さん:そうだね。災害時には、今言ったように自助・公助・共助じゃないとまずいと思って、私ね、地域自主防災組織を作ったんですよ。行政区の災害時の避難計画を作って、寝たきりの方とか認知症の方とか逃げ遅れにならないように、最低限2人の補助者を付けるようにしたんですよ。

ー少し話が変わりますが、今後磐梯町が大事にすべき所ってなんだと思いますか。(羽賀)
渡部さん:一つは予算の使い道だね。昔に建てた建物によって、土地代といった固定経費が決まっていますけど、残っている予算をどこに使うかで町が変わってくると思うんでね。後は、福祉関連で、見守りとか声がけとかそういうのが大事なのかなって思いますね。それに関連してだけど、月に一回弁当配りをしたり、映画鑑賞会をしたりしています。

ー高齢の方々とお子さんと多世代が集まるイベントや場所はあるんですか。(稲葉)
渡部さん:昔は小学校に行ってビー玉遊びやけん玉遊び、あやとりを教えに行ってたんだけど、最近お声がかからなくて、やめちゃったんかなって思ってて。昔は毎年1回学校に行っていたんだけどね。後は山車作りも今年なくなっちゃって。そう思うと、多世代の交流ができなくなっていますね。

ーそれこそ、公民館が地域の拠り所にならないのかなって思ったんですけど...。(羽賀)
渡部さん:そうならなきゃいけないよね。だんだん、人との繋がりがなくなってきているので、世代間の交流の場が欲しいなって思います。

ー最後になりますが、これからの人生の目標など、未来の目標を教えてください。(稲葉)
渡部さん:自分の未来しか考えていないね。お釈迦様が80歳で亡くなっていて、うちのお袋も親父も80代で亡くなっているから、後10年くらいしか生きられないから、悔いのないように死にたいなって思ってます。そう考えたときに、子どもたちに心配をかけたくないんですよね。なので、「終活」じゃないけど、エンディングノートを書き始めたりしています。後はね、もう一回本を出したいなって思ってます。「お釈迦様の悟り」というタイトルで、お釈迦様の悟りとは何なのかを知りたいなって思っています。

ーインタビュアーらの感想ー
羽賀:今回のインタビューは過去の政策や今やっている地域の活動について深堀りさせていただきました。特にセクターが違っても地域でできることをやられている姿は本当にかっこよかったです。私自身もセクター間での活動をしているので、特に磐梯町の現場の声を聞くことが出来て今後の活動につながっていきそうです。ありがとうございました。

稲葉:インタビューを通じ、町に恩返しをしたいといった渡部さんの磐梯町への愛着や、町民の安心安全な暮らしを守るために活動をするチャレンジ精神を感じました。渡部さんは人と人との繋がりを大事にしており、町民宅への弁当配りや集まりの参加で日々生きがいを感じているそうです。私は地域コミュニティの活性化に関心があり、町のコミュニティの状況についても質問させていただきました。子ども会や婦人会の解散、新型コロナウイルス後のイベントの中止、集まりの減少といった側面がある一方、老人会は盛んに活動しているとのこと。またコロナ禍以前のように子どもから高齢者の方々までの多世代が集まることが出来る未来になってほしいと思います。

インタビュアー紹介
稲葉未有(イナバ・ミユウ)
神奈川県横浜市出身 青山学院大学法学部4年 大学では関係人口ゼミナールに所属し、昨年度はふるさと納税について研究。大学外ではNPOで若者の活動促進する横浜アクションアワードの開催、八丈島と三宅島の島おこしに参加。地域のつなぎ役になることが目標で、来年は公務員になる予定。

羽賀優太(ハガ・ユウタ)
2000年生まれ、千葉県木更津市出身。國學院大學経済学部経営学科4年。2022年8月から地域活動を始めた。「新時代の地域社会インフラを創出する」を理念に憧れから繋がる地域チャレンジ循環の生態系づくりをしている。多世代の活躍・居場所づくりを作り続けている「多世代ごちゃまぜコーディネーター」だ。

「磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。」全5回
 Vol. 1:渡辺正雄さん
 Vol. 2:戸田かなえさん       
 Vol. 3:鈴木勇一さん、鈴木悟司さん
 Vol. 4:中嶋貴子さん        ※6月28日公開
 Vol. 5:大田喜代和さん       ※7月1日公開


【磐梯町の移住・定住についてのお問い合わせ】
磐梯町役場HP
磐梯町役場 行政経営課 行政経営係
 bandai-gyouseikeiei@town.bandai.fukushima.jp

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【 磐梯町移住・定住ガイド 】
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