磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。 -大田喜代和さん【福島県|磐梯町】
移住者・地域の方々へのインタビュー
令和5年度夏季に実施した「磐梯町地域おこしインターンシップ」にて、磐梯町の移住定住の促進、愛着人口を増やすために、すでに移住している方々や、長く磐梯町に住われている方々に、「磐梯町に惹かれた理由」「磐梯町の良さ」を聞き出すインタビューを6名の方に実施しました。
はじめまして。地域おこし協力隊のインターン制度を使い、短期インターンをしている下條です。
インタビュー記事第五弾は、おおた食堂の店主を務める大田喜代和さんのもとへ取材に伺いました。2週間の滞在期間中、おおた食堂さんには何度か伺い、ラーメンとチャーハンがセットの半チャンラーメンや煮込みカツ丼をいただきました。
今回は、おおた食堂が長年に渡り地域の方から愛されている理由や、磐梯町への想いについてお聞きしました。
ーはじめに、おおた食堂を開いたときのことをお聞かせください。
大田さん:昭和57年にこの店を始めました。最初は私と弟とおふくろ、弟の友達4人くらいで営業していました。給料が払える状況ではなかったけど、なんとか続けることができたんです。開店から3年で弟は他に勤め先を見つけて婿に行きました。私は借金もあったし、そのままずっとここをやっています。
ーおおた食堂を開いたきっかけは何ですか。
大田さん:稼ぎたいと思ったからです。生活はできますけど、ビッグにはなれません笑。自分で事業を始めて成功するなんて人は千人に一人です。私が知る限り、磐梯町でビックな人は前の前の町長であった鈴木さんという、アルツ磐梯(星野リゾートが運営するスキー場で、今年度新名称の「ネコママウンテン」として生まれ変わる)を計画された方です。大きな夢を自分で実現したのは素晴らしいと思います。夢の実現には生まれ持った才能や仲間が必要ですけど、仲間だけでなく、神輿のトップ、いわば旗振り役が一人でも必要ですよね。
ーおおた食堂を開いて気持ちの変化はありましたか。
大田さん:若いときはいろいろ夢があって、磐梯町で一番ビックになるんだとか思ってました。でもそんな人は千人いたら一人、二人だと、この年になって分かりました。
ー仕事のやりがいや魅力に感じていることは何ですか。
大田さん:週に3、4回来てくれるお客さんが何人かいてくれることです。去年も少し値上げしたんですが、ラーメンだけは500円そのままです。ラーメンだけ食べに来られるお客さんが4組いらっしゃって、一か月に数回くらい来店してくれるんです。その人たちのためにもワンコインにこだわっています。女房にもなんでラーメンを値上げしないのか言われるんですが、千円で私たちのラーメンを食べてくださるからそのままにしようと思いました。
ー磐梯町に来て、いろんな方からおおた食堂をお勧めされるんですが、おおた食堂が愛されている理由って何ですか。
大田さん:俺だべ笑。私は決して愛されキャラではないのですが…笑。30年くらいスポーツ少年団をやってたおかげで人のつながりができて、先輩が店に来てくれるので商売が続けられているのかなと思います。そういう人たちに助けられていますね。
ーおおた食堂にはばんだいコイン(磐梯町内の加盟店舗でのみ利用可能なデジタル通貨)が設置されていますが、導入したきっかけは何ですか。
大田さん:商工会から声をかけられて導入しました。私もガソリンの支払いなどに使ってます。ばんだいコインの利用者は一日に来るお客さんの一割くらいです。
ーどういう方が使ってくださるんですか。
大田さん:常連さんも、若い子も使ってくれてます。今の町長は住民だけでなく、外から来る人にも使ってもらうことを目的として始めたから、外の方にも使ってもらえるのはいいと思います。おおた食堂がばんだいコインを導入したから、ばんだいコインを使い始めるお客さんもいてくれるんです。
ーお仕事が終わって息抜きしたいとき、どのように時間を過ごされますか。
大田さん:休みのときは一人で寝ています。一番の楽しみは六時半からのテレビです。あとは、ティックトックをみてます。時間潰しには最高なんですよ。
ー旅行には行かれますか。
大田さん:旅行にはあまり行かないです。年に一回くらいかな。この前は女房と福井に行きました。至福のでしたね。娘と孫が埼玉に住んでいるので、日帰りで会いに行くときがあります。
ーでは次に、大田さんの思う磐梯町についてお聞きしたいと思います。磐梯町の魅力とは何でしょうか。
大田さん:磐梯町の何にもないところがいいところだと思っています。悪い意味ではなくて、良い意味でね。
ースポーツ少年団の指導をしていたということですが、子どもたちから学んだことはありますか。
大田さん:人の家に上がったときは靴を揃えるなど、礼儀正しいところです。大会に出場した際も、鞄をきれいに揃えていました。私の人生で子どもたちから学んだことは多いですね。今から20年ほど前に出会った中学校の熱い先生と意気投合して、自分も磐梯町をどうにかしたいと思うようになって。礼儀正しい子どもたちに育ってほしいと思いながら子どもたちと関わっていました。
ー子どもに関連した質問で、お子さんが幼いころ子育てをされていたと思うんですが、磐梯町の子育てについて思うところはありますか。
大田さん:私たちが子育てをしていたときから年々よくなっていきました。近隣市町村と比べて、子育てをするのに磐梯町は一番いいところだと思います。磐梯町は若松や郡山に近いですし。子どもが小さかったときはそういった子育て支援はなかったというか、気がつきませんでした。女房は「今はいいよね」と言っているけれど、そのときはそのときで良かったです。磐梯町は昔から良かったなと思いますよ。
ー地域とのつながりについてお聞きしたいのですが、人足やご近所づきあいなどはありますか。
大田さん:ありますよ。隣近所の人や移住してきた人には自分から積極的に声をかけるようにしています。「おはよう!」って。そうすると向こうからも「おはようございます!」って返ってくるから、いい人なんだなって。だから磐梯町はいいですよ。
ー最後の質問となりますが、ご自身の今後の目標は何ですか。
大田さん:健康診断で胆のうに石が見つかったけど、痛みがなければとらなくていいそうなので、石をとらないで長生きしたいです。
ー今後、磐梯町がどんな町になってほしいですか。
大田さん:人口減少は磐梯町だけの問題じゃないですし。昔は子どもがたくさんいたけど、人口減少は避けられないですね。企業さんがここに残り続けて、いつまでも磐梯町に貢献していただきたいです。土曜日はいろんな企業から社員さんが食べに来てくださるので、おかげさまで私の店はうるおっています。磐梯町は今の状況が続いてほしいですね。
ー今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
大田さん:ありがとうございました。
ーインタビュアーからの感想ー
岩崎:今回のインタビューは大田さんの人柄がかなり滲み出たインタビューになった。磐梯町に長年住み続けてきたからこそ、「何も無いところがいいこと」だと言えるんだろうなと感じた。また、磐梯町の子どもたちがいい子たちだということも聞けて、磐梯町で子育てをすることの良さが分かったような気がした。今回聞いた話を政策提言に繋げて行けるようにしていこうと思う。
行:やはり「何もないことが良いところ」という言葉が非常に印象に残った。大田さんは料理人という肩書き以外にも、子どもの登下校の見守りや、雪かき等の地域の活動にも積極的に参加されている。あえて特筆するようなことはなくても、各人が進んで日々の「役割」を担ってできている町だと感じた。魅力溢れるこの磐梯に足を運ぶ人がさらに増えることを願う。
「磐梯町民に磐梯町のコトを聞きました。」全5回
Vol. 1:渡辺正雄さん
Vol. 2:戸田かなえさん
Vol. 3:鈴木勇一さん、鈴木悟司さん
Vol. 4:中嶋貴子さん
Vol. 5:大田喜代和さん
※随時更新予定
【磐梯町の移住・定住についてのお問い合わせ】
磐梯町役場HP
磐梯町役場 行政経営課 行政経営係
bandai-gyouseikeiei@town.bandai.fukushima.jp
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