
デビュー前に販売した5000円のライブタオルが即完!未だ楽曲を発表しない絶滅系アイドル『バンドザウルス』の葛藤とは!?
2023.02.19
デビュー前に販売した5000円のライブタオル『肉活タオル』(限定900枚)が即完し、業界の話題をさらった謎のアイドルバンド『バンドザウルス』。今回もバンドの窓口である通訳ザウルスの緑富士さんにご協力いただき、インタビュー取材に成功。
未だにデビューの目処がたたない異色の恐竜バンドのメンバーは今何を考えているのか? 恐竜バンドのビジネスモデルとその葛藤に迫る。

――今回はバンドザウルスさんのビジネス面にスポットを当てさせていただこうと思っています。答えられる範囲で結構ですので。
岩息子 とくに失うものもありませんから、なんでも喋ります。よろしくお願いします。
――お願いします。まず、これはファンの皆さんが最も気になっている部分だと思うのですが、バンドザウルスさんの楽曲は一体いつリリースされるのでしょうか?
岩息子 はい。そちらに関してはいつかキチンと肉の皆様(※バンドザウルスはファンのことを「肉」と呼んでいる)にご説明しなければいけないと思っていました。少し言い訳っぽくなってしまうのですが、まず大前提として、我々のバンドは「人数が多い」というのがありまして…
――現在、何名ですか?
岩息子 最近また少し増えまして、現在9000頭ほどです。絶滅しますけど。

岩息子 これだけの人数になってくると、意見の食い違いも多く、まるで話が前に進みません。ロックをやりたいメンバーもいれば、レゲエをやりたいメンバーもいますし、ソロ活動したいメンバーもいます。
――いわゆる「音楽性の違い」というやつでしょうか?
岩息子 音楽に興味がないメンバーもいます。
――どうしてメンバーに誘われたのですか?
岩息子 そこに関しては前から考えていることがあります。
若い子から「モチベーションが湧かない」という悩みをよく聞くんですけど、僕はそもそも、「モチベーションが湧く」「行動する」という順番じゃないと思っているんです。
――「モチベーション」は「行動」の前には無いということ?
岩息子 そうです。まずは何でもいいから行動を起こしてみる。それが好きなことじゃなくてもいいから。そして、そこで小さな結果を得る。「喜んでもらった」とか「笑ってもらった」といった…いわゆる「報酬」ですね。
その時、「次はもっと喜んでもらいたい」「次はもっと笑ってもらいたい」と思うじゃないですか?
――それが「モチベーション」だと。
岩息子 その通りです。「モチベーション」というのは「行動」の後に発生する副作用のようなもので、行動し、結果を出さないことには生まれない。なので、まずは音楽を始めてもらってから、その後に、音楽を好きになってもらえばいいと考えました。
――それが裏目に出た訳ですね。
岩息子 はい。やっぱり、音楽に興味があるメンバーを集めた方がいいと思います。

岩息子 メンバーは増やせば増やすほどイイと思っていたのですが、いざ、増やしてみるとその分の弊害も多かったです。
――「意見の不一致」以外にも何か弊害があるのですか?
岩息子 はい。「バンドの維持」が大変なんです。おそらく、このあたりが今日のインタビューの核となってくると思うのですが…9000頭のバンドを維持するには、かなりまとまったお金が必要になってきます。
――具体的には?
岩息子 食事代もそうなのですが、「レッスン料」もバカになりません。現在、数千頭のメンバーをボーカルレッスンに通わせているのですが、「そもそも恐竜の喉は歌えるように作られていない」という超えられない壁がありまして。
――歌えないんですか?
岩息子 はい。ワニをイメージしていただけるといいかもしれません。あいつら、絶対に歌えないじゃないですか? 僕たちも「ほぼワニ」なので、歌えないんです。なので、ボーカルレッスンがまるで前に進まなくて、レッスン料がどんどん出ていく形になっています。数千頭のレッスン料ですから、バカになりませんよ。
――本日、ボーカルの「失恋したら北に行く」さんが取材に来られていませんが、そのレッスンに参加されているのでしょうか?
岩息子 いえ、シッツー(失恋したら北に行く)はレッスンではなく、支払いを迫られているレッスン料を支払う為に日雇いのバイトに出ています。

――経済的にかなり追い込まれているんですね?
岩息子 お恥ずかしい話ですが、これがバンドザウルスの現状です。整理すると、こうなった原因は「メンバーを増やしすぎた」「歌えない生き物だった」の2点です。
バンドが考える応援
――バンドとしては隠しておきたい部分だと思うのですが、それでも今回、こうしてお話いただきました。何か狙いがあるのでしょうか?
岩息子 「狙い」と呼べるほど立派なものではありませんが…僕たちは肉の皆さんに「応援」されて生きています。あのボッタクリタオルが完売したのも「応援」があったからに他ならない。なので、僕らのような仕事は「応援シロ」を創造することがとても大切で、それには「目的地」と「現在地」を明らかにする必要があると考えています。
――目的地と現在地を明らかにする?
岩息子 はい。応援シロの計算式は「応援シロ=目的地―現在地」で、この差を埋めるモノが「応援」なんです。なので、「今はどこにいて、そしてどこに向かおうとしているのか?」を肉の皆様に伝えないことには「応援」が生まれない。
タモリ憧れ 包み隠さずに出していくことが大事だよね。

――なるほど。そういった考えがあったんですね。そんな中でも、NFTプロジェクトがスタートし、今、大きな話題となっています。これはどう受け止めていますか?
岩息子 楽曲がリリースできない今、バンドの貴重な収益源ですので、凄く嬉しいです。最近、バンドメンバー全員、競馬にハマっているので、NFTの売り上げはそこに全て充てます。
タモリ憧れ これまではテレビでレースを観るだけだったのですが、いよいよお金を賭けるんです。
岩息子 競馬には「万馬券」というものがありまして、これに賭けると、払戻金が凄いことになる夢のようなシステムなんです。
――負けた場合はどうするんですか?
岩息子 「負け」を存在させているのは、いつも自分です。負けたところで辞めてしまうから「負け」が存在するわけで、負けても負けても、その都度、改善を繰り返して、「勝つ」まで続けてしまえば、勝つんです。
タモリ憧れ 「負け」も「勝ち」も自分の中にあるものなんです。
――「勝つ」まで続けるも何も、全額賭けてお金が無くなってしまったら、続けられなくないですか?
岩息子 ………
タモリ憧れ ………
――ありがとうございました。
スタート直後から話題沸騰のバンドザウルスのNFTプロジェクト。
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