ヴァレンタイン:リコーダーと通奏低音のための ソナタ第1番 ハ長調
【作曲者について】
ロバート・ヴァレンタイン(Robert Valentine)は、イギリスのレスターで生まれ、イタリアのローマに移住して活躍した演奏家・作曲家です。父親や一族が優秀なタウンウェイツ(町の音楽家)という環境下に生まれたヴァレンタインが音楽家の道を歩んだのはごく自然なことでした。
生年は教会の記録では1674年ですが、実際には1671年といわれています。1671年なら、テレマンより10歳、J.Sバッハ、ヘンデルより14歳年長です。
イタリアでロベルト・ヴァレンティーニ(Roberto Valéntine)と名乗り、作曲家、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン奏者としての地位を確立したヴァレンタインは、1701年に家庭を持ち、1747年5月26日にローマで没しました。妻の死後12日目のことでした。
残存している作品は、ソロソナタ、トリオソナタ、協奏曲などの器楽曲のみです。その中でも、36曲のリコーダーと通奏低音のためのソナタ、6曲の2本のリコーダーのためのソナタ、変ロ長調のリコーダー協奏曲など、リコーダーのための作品が目立ちます。
ヴァレンタインはリコーダーの名手でしたが、必然性のない技巧を否定したコレッリ同様、作品において自らの持つ高度な技巧を要求していません。
作品の内容は簡潔で親しみやすく、ヴァレンタインは多くのアマチュア演奏家に支持されました。
【作品について】
この作品は、「パルマの写本SANV.D.145」に残された12のリコーダーと通奏低音のためのソナタ集(実際には6曲のソナタが2セット)の第1番ハ長調」です。急-緩-急の室内ソナタ形式で、フルリピートで演奏しても3分前後という、12曲中最も短いソナタです。
原典の「パルマの写本SANV.D.145」は、ラフに書かれているにもかかわらず、音符の転写ミスは殆どありません。ただし、通奏低音の数字や記号については間違いや抜けが見られます。また、原譜によるものか、中には数字や記号が付けられていない曲もあります。
本編の鍵盤楽器の右手(内声)は、写本のバスに記された数字の間違いや抜けなどを修正してリアリゼーションしたものです。チェンバロのパート譜に通奏低音の数字を記していますので、本書のリアリゼーションにこだわることなく、自由に変更して演奏して下さい。ヴァレンタインの作品は全般にバスの動きにも存在感がありますので、リコーダーとチェロやヴィオールとの二重奏としても楽しめます。
第1楽章
第2楽章
第3楽章
【楽譜の概要】
🎵 製本版
スコア/ A4版12ページ パート譜/ リコーダー、チェロ、チェンバロ(通奏低音の数字付)
定価:1,200円 本体価格:1,091円
下記のショップで販売しています。
🎵 ダウンロード版(PDF)
有料エリアからダウンロードできます。
※本編+パート譜(表紙は付いていません)
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