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続々・つくばロックフェスの思い出

前編はこちら(旧知の知り合いたちとSEBASTIAN Xの感想)

前々編はこちら(主に会場の環境とtricotの感想)

⑧ 転換中の夕暮れで気分が上がる

イベントはいよいよ大トリのバンドを残すのみとなった。tricotでぐしょ濡れになったTシャツを脱ぎ捨てて、急遽買ったXLのTシャツに着替えて見上げた空の美しいことよ・・

【夏】【野外】そしてこれから【夜】に向かっていく時間帯。
この三拍子が揃っているだけで最強なのに、ここに【注がれたばかりのビール】【爆音のSuiseiNoboAz】が加わるのだからおそろしい。

⑨ 拳を突き上げ、爆音にまみれ、最前列で歌いまくれ

ビールを片手にステージまで戻ると、もろもろの調整で曲をちょいちょいやっている。今日もボアズは音がでけえ。ライブハウスで見るときの感じの、密閉感のある爆音だ。野外なのに。

こんな音が大きいのに後ろでおとなしく見ているなんてできない。ステージの真ん前で、どれだけ大きい音でボアズが仕事をしているのか確かめなくてはならない。

最前列待機場所。野外って言わないと分からない写真。
手前のモニターにビニール袋がかぶせてあるのは先ほどまで降ってた雨の影響で、ここから何とか野外ということを信じてほしい。

定刻になりライブが始まる。

その刹那であった。

ステージのアンプからもモニターからもスピーカーから飛んでくる爆音に身体が包まれ、瞳孔が開くのと同時にあちこちから叫び声(歓声)が上がる。突き上げられた拳の先には漆黒の夜空まで遮るものが何もなく、誰もが夏そのものと一体化した。

そしてビールカップを掲げ、爆音とボアズに乾杯した。

1曲目は「ultra」という僕の大好きな曲で、ちぎれんばかりの声でずっと合唱した。いまは最前列にいる。この歌は誰にも届かず僕にすらも聞こえず、一瞬で爆音とともに夏の夜に飲まれていく。

気持ちのいい涼しい風も吹いてくる。
ステージの照明につられて、森のいろいろな美しくない虫たちまでボアズの爆音を聴きに羽ばたき集まっている。
ギターの高野さんが上空に飛んできた大きめの蛾に対して、ギターを振り回し満面の笑みでじゃれていた最高の瞬間も目撃した。

あまり爆音、爆音というと音が大きいだけかと思われるかもしれないが、そうではない。スイセイノボアズとは・・
叙情的でありながらテクニックも持ち合わせた演奏に、「俺」と「風景」と「体験」を描写する詩、そしてパンチラインは絶対に合唱したくなるメロディーを持ち合わせた、表現力の高いロックバンドだ。
そして曲が持つ世界観は、ライブで爆音を伴って演奏されることで完成し、スイセイノボアズやロマンもまた完成されるのだと思う。

そして、僕はスイセイノボアズを夏に必ず見たい。夏や水色を演奏させたら右に出るバンドはいない。最強だ。
今回のシチュエーションは、なんというか、揃いすぎだった。片道4時間かけて来るってもんである。

演奏された45分は体感15分くらいだった。え?もうアンコール?セットリストもう一周するでしょ?

しかし、照明が落とされ、真っ暗。

⑩ 駅まで送ってもらった車中まで楽しい

会場から近くに住んでいる友達が車で来ていて、駅まで送ってもらった。
かれこれ9年の付き合いで、バンドを一緒にやったりもしたけど、駅までの数十分で「え!そんなことがあったの初めて聞いたし!」という話がやたらと繰り出される。
これだけ長い付き合いでも、きっかけがないと出ない話って山ほどあるものだなあ。

送ってくれる駅は2つ候補があった。
どっちでもOKと言ってくれたので、僕はちゃっかり会場から遠いほうを選び、夜を少し長く楽しんだ。

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keiichi
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