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【復刻】2006.9.27 メカネロONE MAN ライブレポート
僕が愛してやまない5人組バンド、メカネロのサブスク配信がいつの間にか開始されていた。
嬉しさのあまり、存在に気づいてからほぼ毎日聴いている。
「カーテンコール」は新しいことしていないからこそ、何度聴いても新鮮に響く名曲だ。
今から14年前、2006年9月27日に書いたメカネロのライブレポートがある。これを「メカネロのサブスク配信に僕が気づいた記念」でnoteに残しておきたい。
この日に観たライブは、ボーカルの大森さんとギターの真嶋さんが脱退するタイミングで、僕のポップミュージック観に大きな影響を与えた日になった。
最前列で一部始終を目撃したせいだろうか。このメンバー体制のメカネロは未だに気持ちが入りすぎている。
当時の20歳の感性と空気感をそのまま持たせつつ、今の僕がリマスタリングしたライブレポートを掲載する。
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2006.9.27
メカネロ -関東近郊TOUR FINAL ONE MAN LIVE-
@渋谷O-Nest
セットリスト
-1部- (Gt.フタキダイスケ fromトルネード竜巻)
1. 蛍光浴
2. エンターテイナー
3. 街の恋人
4. 魔法のように
5. モノ
6. セントウキ
7. カーテンコール
8. 名なし
9. 春雨
10. ポカポカデイ
-2部- (Gt.真嶋信二)
1. ようこそ
2. 突如空いていた広い穴
3. ブルーサマー
4. 明暗
En.1) (Gt.真嶋信二+フタキダイスケ)
5. ニュータウン
En.2) (Gt.真嶋信二)
6. 部屋の中
1部の中盤の流れは全く自信ない!でも大体こんな感じ。
今日限りのメカネロを全身で浴びてきた。
がっつり見たすぎて最前列センターで。
全メンバーの一挙手一投足まで目と心に焼き付けたくて。
入場から、やっぱりまりぺさん(※当時の大森まり子さんの呼ばれ方)は雰囲気あるなーと。この人の眼差しはハッとさせられる。
1曲目から大好きな蛍光浴。
メカネロのライブが始まったところに自分がいる嬉しさとセットで気持ちが上がる。
演奏しているバンドの雰囲気は穏やかだったけど、どこか繊細さもあって、その絶妙なバランスを取れてるメンバーだと思っていた。だからまりぺさん脱退は本当に残念・・
ライブは最前だけあって、メンバーの皆さんをガン見してしまう。
ベースの林さんの手元とかめっちゃ見ちゃうし。かゆいとこに手が届くって言っちゃおかしいかもしれないけど、終始そんなベースラインを弾いてるんだからしょうがない!
ここまで書いたけど、曲ごとにどうだったとか覚えてない。
ただその場を全力で体感してた。本当にいい曲つくるバンドだなあって。
3曲目まで終わって、音が止まった中でまりぺさんがふと息を漏らす。
「疲れたあー」
すかさず「早いから!!!笑」と会場全体の気持ちを代弁するツッコミがどこからか飛んできた。
カーテンコールが始まったときには「おおー」って声がフロアから上がってた。それくらい人気曲だし、やっぱりこの曲は素晴らしい。感想はもはやそれだけだ!!Uさんのコーラスも見事に調和してた!
途中のMCで、まりぺさんが「メカネロシールを作ってきたので、欲しい人は後で声かけてください」と言っていた。僕は「これは手に入れないと帰れない」と静かに誓ったのだった。
本編ラストはポカポカデイ。シンセのフレーズが大好き。
生で聴いたら予想以上に立体感があって、かっこよすぎて笑いそうになっちゃった。
このときの照明がすごく印象に残っている。オレンジ色のポカポカ照明。曲の最後らへんでまりぺさんが涙こらえているようにも見えた。
そして10分ほどのブレイクタイムを挟み、第2部!
先に他のメンバーが登場し、あとからオリジナルメンバーのギタリストである真嶋さんがグレッチ持って登場。
脱退するにあたっての心情を綴ったMCをほわーっとしたBGM的な演奏にのせてやってた。
その中でも、
「芸術の作品は、それを作った人の人生や言葉も含めて作品だ」
ということを言ってたのがすごく印象的で。
そして最後にハッキリと大きな声で「楽しい夜にしましょう!」と目に涙を溜めながら言い、満面の笑みでギターを掻き鳴らす掻き鳴らす!!!
真嶋さんのステップぐっちゃぐちゃで超楽しそう!!全然イメージしてなかったから衝撃が凄い!
真嶋さんはギターもすっごいうまいのだけど、楽しそうに掻き鳴らすから音もすごい楽しく鳴ってるように聞こえる。
特に1曲目のようこそは、勢いがあるギターリフありきの曲だから余計に。
破壊力のある笑顔ってやっぱり見るだけで幸せ。そしてその幸せは伝染する。間違いなく。こんな楽しそうにギター弾く人、初めて見た・・
2曲目の突如空いていた広い穴は通称「とつあな」。
しかし真嶋さんの書いたセトリには「とつ凸」!!!
まりぺさんも笑いながら「とつとつになってる」とつっこんでた。
2部は「真嶋さん、オンザステージ!!」って感じで、みんな彼のギターに釘付け!
こんなに人を笑顔にするギターを弾くのに、見られるのが最初で最後になってしまったことがほんと惜しい。
曲間のメンバー同士のちょっとした掛け合いもガラッと変わる。
Uさん「真嶋さんと合わせるのすごい久しぶりですね」
真嶋さん「たまにはいいでしょおー?笑」
本当に太陽みたいな存在だ。
そして「今のメンバーになってから初めての新曲」というMCから演奏されたのはブルーサマー。僕は3ヶ月前、この曲でメカネロを好きになった。
この曲のときはまりぺさんと真嶋さんを交互に見ていた。
まりぺさん1部のときより明らかに表情が柔らかくなっている。とても気持ちよさそうに歌ってたなー。
続いて演奏された明暗もこのバンドらしくてすごい好き。鬼気迫るけどどこか隙間があって、そしてナイーブなところが。
ライブ中にメカネロをどんどん好きになっているのはもちろん、名残惜しさも同じくらい自分の中で大きくなっていくのってなかなかできない体験だ。わずか4曲目で真嶋さん汗飛び散ってた。スゲー。
真嶋さんが衝撃の余韻を残したまま4曲でメカネロの2部の本編は終了。
アンコール1回目!フタキさんが加わり、ギター2人となった6人編成のメカネロさん。登場したときに、お客さんがまりぺさんに花束贈呈。
真嶋さんが「俺は?!」ってオフマイクで言ってて、身内っぽい人がニット帽プレゼントしたら本気でタオルと間違えて汗ふいてた。
笑いが起きる中で気づいて、ちゃんと頭に被って「あ、ここか!」とかいって。ほんと最高。そして最高なほどせつない。
演奏されたのはニュータウン。
儚さとやさしさが同居している曲だ。まさしくニュータウンのような雰囲気を作り上げてるのはやっぱり、まりぺさんのふわふわなボーカルだと思う。
それにしても、うーん、このメンバーでのニュータウン大好きすぎる。
CDで聴いてるときはガッツリ聴く曲ではなかったんだけど、今日のライブでようやく自分の中でこの曲が完成した。
歌詞でこのパートが歌われたときの雰囲気が、言葉にできない何かがあったかなあ。
夢の終わりを告げる言葉とか指の痛みだとか
雨上がりを待つ季節を越えてひらりかわしてく
ただむやみに「?さ」だなんて言い切ってみせるのさ
ただむやみに「?だろう」だなんて言い切ってみせるのだろう
そして予定外のダブルアンコール!!
真嶋さんギターの5人編成。
Uさん今日は決して叩きやすい衣装じゃないのに、1回見るとしばらく見入ってしまうようなドラミング。流れるように叩く。コーラスもうまくていちいち感動した。これからも絶対メカネロとしてあってほしい!!
林さんの、会場のボルテージとは相反するいつも通りのテンションのMC。
「まあ、一応やりますけど」
「一番最初のライブからやってる曲です」
「部屋の中」
ニュータウン以上にシメにふさわしい曲があった。
この曲は途中で1回完全に音がなくなる。
そこで間違えてみんな拍手したら(僕もしちゃった。だってそこまでの流れすごすぎんだもん)、真嶋さんが「しーっ!」ってやって手を耳に当てて、ギターを小さく小さく鳴らす。
そして、静かなベース、ドラムがさらっと鳴らされる。
ついにこの日のステージは目撃した人たちに大きすぎる余韻を残して、そっと、そっと、終わってしまった。
終止、平静を保っていたと思ってた林さんが「絶対また戻ってきます!!」と力強くいったその目には、何かが溜まっているように見えた。
演奏されたのは曲数だけでも16曲。持ち曲が20だから、すごいことだ。
8時前から始まって、ステージからメンバーがいなくなるころには10時を回っていた。
終わった後、ロビーでまりぺさんに「お疲れさまでした」と一声かけて、メカネロシールをいただいた。
色々な人と話してて忙しそうだったので、「ベースに貼らせていただきますー!」とだけ言い残してサッとエレベーターに乗って帰宅。
家に着いて、シールは貼らないと心に決めていたリッケンに何の迷いもなくペタリ。うん、かわいくてとてもいいっす。手書き素敵。今日の6人の力をもらえそうだ。
(※当時のガラケーで撮ったものをそのまま転載。2020年の現在に至るまでこのステッカーは健在だ)
そしてこれを書いてる今、色々思い出しちゃって泣きそう。
まりぺさん、真嶋さん、本当に本当に惜しいですが、お疲れさまでした。
そして活動を続ける柏井さん、Uさん、林さん、また新たにメンバーを探して…とそれはすごく大変なことですが、終わった後の林さんの言葉を信じて待ち続けます。
良い日でした。
ありがとうございました。
BGM: ブルーサマー / メカネロ
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当時は渾身のライブレポートとして書き上げた記憶がある。
いま読み返すと表現として拙い箇所がいくつもあるが、大部分はそのまま残した。大きく書き換えてしまうと、僕の体験そのものが薄れてしまう気がするからだ。
なお、その後のメカネロは何度かメンバーチェンジがなされたが、1年も経たず解散してしまった。
このライブを体験しているメンバーとの溝が埋められなかったのも要因と言っていたのを何かで知った。それなら止む無し、としか言いようがない。
一人の客でもこれだけ心に残っているのだから、メンバー当人の心境にもたらした影響の大きさは計り知れない。
それでも2006年のメカネロ体験は、僕の中で間違いなく永遠に輝き続ける。
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