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雪の日に

その昔

クラスで

きゅうに転校がきまった子がいた。

   ※先生してました

一週間後

本人もぴっくりしているくらいだから

みんなもびっくり。

「最後にみんなと何したい?」

ぼくは尋ねてみた

「お楽しみ会とか、かかりのこととかもしたいけど……」

その子がそこまで言って言葉をとめた

「普通のことがしたい」

って

応えた。

ぼくらは極力普通に過ごした

給食を自由班にして食べ

国語の授業では

写真で物語を作って

その子がいるときには完成しない

まとめをグループで模造紙に書き

体育で負けたら片づけをするじゃんけんをしたり

声をそろえてクラス目標を言った

いよいよ転校するとき、その子はこんなことを言った

「学校で過ごすことが本当に楽しかった

 毎日やっている一つ一つのことが楽しかった

 それは、みんなと過ごしているからだとわかった」

教室が押し黙った

泣いてる子もいた

笑っている子もいた

何かを考えているふうな子もいた

反応はそれぞれだった。

でも、みんながこう感じているとぼくなりに感じられた。

それは

楽しいことをしているから楽しいのではなく

みんなとやっているから楽しいのだ、ということ

もし、誰かにかけ損ねた言葉があるならば

今言いたい

もし、誰かに謝り損ねたことがあるのならば

今謝りたい

ぼくはときおりそう思う。

でも、これからは、

ときおりじゃなく、いつもにしようと思う

ありがとう

ごめんなさい

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