地球の古文書
はじめまして。水月湖(すいげつこ)と申します。福井県にある、三方五湖のひとつでございます。
あなたは、年縞(ねんこう)と言う言葉をご存じでしょうか? 私の底には、1ミリ以下の薄い地層が45メートルの深さまで、総計約7万枚、規則正しい土の縞模様が、1年ごとに積み重ねられて、まるで木の年輪のようなっているのでございます。
化石や、遺物の年代を調べるために、それらに含まれる放射性炭素(C14)を測定する方法はよく知られておりますが、それとこの年縞を組み合わせて、環境考古学者の安田善憲先生ら研究者の方々が1990年以降、私の心の奥底を基盤まで掘削して、地層を精密解読されて、過去5万年にわたる1年ごとの世界標準を確率されました。まさに地球の古文書でございます。
『怒り』というのは、自分の大切な領域が理不尽に犯されたと感じる時に発動する感情と言われております。
わたくしも、いきなり今まで静かに心の奥底にしまっていたものに土足で入られたような気にもなりましたが、これも人様のお役に立つことと思えば、今はこれで良かったと思っております。
人は、「こうあってほしい、こうあるべきだ」と言う期待が裏切られた時に、怒りをおぼえるものでございます。
しかし、自分の「~べき」の根拠が、今まで自分の環境では、そうだったんだと言うだけで、理にかなっていないことが少なくありません。ですから、その事に気がついた場合は、心を静めて対応されることお勧め致します。
怒りの感情が湧いて来てどうしようもないときは、誰か信頼できるお方に聞いていただくことが出来るかたは是非そうして下さい。
もしも、誰もいないのであれば、どうぞこの湖に声をかけて下さい。そして一緒にあなたの心の古文書を解き明かしていけたなら、こんなに嬉しいことはありません。
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なんと、ありがたいことでしょう。あなたの、優しいお心に感謝