かぐや姫からの便り
竹取のお翁様、あばあ樣、如何お過ごしでしょうか。今年の暮こそ、帰省して三人でお正月を迎えようと思っていたのに、コロナの影響で、難しくなってしまい、とても残念に思っています。
毎年帰る帰ると言っておきながら結局お会いすることなく、今年もまた同じことの繰返しと、反省と自責の念で、一杯で落ち込んでいたところ、中国の月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」がお見えになりました。
聞けば、12月17日には、地球へお戻りになるとのこと。無理を言って月の土1731グラムをお持ち帰り頂きました。
どうか、その土を、お爺様が、私を見つけて下さった、あの裏山の竹林に撒いて下さい。木星と土星が400年ぶりに急接近するこの年、ひとつだけ願い事が叶うといわれています。
あのときと同じく、ひときわ太く、そして眩いばかりに輝く竹が現れましたらそっと、割って中を見て下さい。
今、かぐやが望む全てのことは、お爺様とおばあ様だけです。どうかお身体に気をつけて。
かぐや
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なんと、ありがたいことでしょう。あなたの、優しいお心に感謝