クエーサーに恋してる

君は、大好きな君の彼女に「君は僕の太陽だ!」って言ったことがあるかい?

僕の彼女はクエーサー。ほんとの名前はクエーサー「JO313-1806」

エリダヌス座の方向遥か彼方に住んでいる。彼女は、とっても明るい子だ。その明るさは、太陽の10兆倍以上もあるんだ。天の川銀河全体と比べたって、1000倍以上明るい。

クエーサーっていうのは、銀河全体よりも明るく輝くほど、活発な銀河中心核のことだから当然のことかもしれない。

でも、彼女のその輝きの原動力の陰には超巨大なブラックホールがあることを僕は知っている。

彼女はずっと前から、そう、ビックバンからおよそ6億7000万年後の宇宙に存在していた。彼女のあの誰もが羨む行動力の源(みなもと)は、表向きの目映い輝きとは裏腹に心の奥底に超大質量のブラックホールが隠れているから。

その、質量は、彼女自身がその存在に気がついた時には既に太陽の約16億倍にも達していたと、ある日僕に教えてくれた。

その時の彼女の暗く沈んだ眼差しを、僕は今も忘れられない。

彼女がどんなに深い闇を抱えていたとしてもそして、僕にはどうすることも出来ない事はわかっているけど。

でも、僕は諦めずに君に歌い続けるよ。

「君は僕の太陽だ、僕のたったひとつの大切な太陽だ」


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バナナ
なんと、ありがたいことでしょう。あなたの、優しいお心に感謝