白木バンビ

BANANA FISHで広がる私の世界、その記録。 2020年夏 遂に出会ってしまった。不朽の名作、BANANA FISH... 随分と時間がかかってしまったけれど、このタイミングで出会うことになっていたのだと思う。 ※ネタバレ注意※未読の方はご注意ください

白木バンビ

BANANA FISHで広がる私の世界、その記録。 2020年夏 遂に出会ってしまった。不朽の名作、BANANA FISH... 随分と時間がかかってしまったけれど、このタイミングで出会うことになっていたのだと思う。 ※ネタバレ注意※未読の方はご注意ください

最近の記事

マイファーストヘミングウェイ(3/3)~やがて来るその瞬間までキリマンジャロの高み(ただし朦朧とした理想かもしれない)を目指していたい

「キリマンジャロの雪」以外にもいくつか短編を読んだ。 読む前の「武闘派」「マッチョ」なイメージを覆して、 ヘミングウェイは「ど繊細」という印象だ。 キリマンジャロの雪はヘミングウェイ36歳のときの作品。 自分の来し方を振り返って抱いたすべての感慨が注ぎこまれていると言われる。 主人公の作家ハリーは、ヘミングウェイ自身の投影である。 「武器よさらば」以降、長編小説を書けていない自責の念。 ハリーが献身的に看護する妻ヘレンを「金持ちのあばずれ」と呼ぶのは ヘミングウェイ自身が裕

    • マイファーストヘミングウェイ(2/3)~アッシュとキリマンジャロの雪・オーサーとの決闘をめぐって

      わたしはこのシーンを読みながら、 「象は自らの死期を悟ると群れから離れて孤独に逝く」という昔よく聞いた「象の墓場伝説」を思い出していた。…*注 アッシュが自分の死について思うとき、この豹の死体のことを考えるというのは 死にゆく姿を目撃されたくない、孤独に死にたい、 という強い思いなのではないか? アッシュはボスだ。 下の者が殺されれば、ボスとして報復に行かなければならない。 逆にボスが殺されれば、下の者たちが報復に向かうだろう。 そしてそれは相手にとっても同じ。 永遠

      • マイファーストヘミングウェイ(1/3)~キリマンジャロの雪

        アッシュの師匠ブランカの愛読書であることから、BANANA FISHの作中に何作か登場するヘミングウェイ。 アッシュも愛読していたと思われるので我も読んでみんとす。 マイファーストヘミングウェイはやはり「キリマンジャロの雪」で決まりだろう。 なぜなら BANANA FISH 8巻p44-46 アッシュがオーサーとの決闘の直前「キリマンジャロの雪」に言及する有名なシーン。 さて、多くの人は決闘を控えていない。 死因は様々なれど、一般に人は死期をどの程度感じられるのだろうか

        • ディノ・ゴルツィネは、なぜコルシカマフィアなのか

          ー写真はコルシカ島の風景。いつか訪れてみたい。 BANANA FISHを読み始めてすぐ気になったのが、ディノ・ゴルツィネのコルシカ人設定。 コルシカって、確かナポレオンの故郷だよな? てことはフランス人? そういえば皆「ムシュー」と呼んでいる。 映画「ゴッドファーザー」の影響なのか、ニューヨークのマフィアと聞いて思い浮かべるのはイタリア系マフィア、ぐらいの認識だったから、コルシカマフィアのドンというのは少し意外な感じがした。 なぜ、重要人物をマイナーなマフィアに設定したの

        • マイファーストヘミングウェイ(3/3)~やがて来るその瞬間までキリマンジャロの高み(ただし朦朧とした理想かもしれない)を目指していたい

        • マイファーストヘミングウェイ(2/3)~アッシュとキリマンジャロの雪・オーサーとの決闘をめぐって

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          バナナフィッシュにうってつけの2020夏

          これほどまでに動揺した作品があったろうか。 何も手につかず、思い出しては涙が止まらない、 それが何日も続く。 気が付くとアッシュのことばかり考えてる。 どんな逆境でも絶対にあきらめず 押し流されそうな過酷な運命に懸命に逆らい続けたアッシュ 何度読んでも必ず泣いてしまうシーンがいくつかある。 1つは、国立精神医療センターから脱出に成功したシーン。 それまでも、何度も何度もピンチが訪れる。 それをはねのけてはねのけてここまで来るのだが、 国立精神医療センターに監禁されたのはこ

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