砂漠とブルーノート
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「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ。」好きな小説の好きなセリフを引用しました。
先週末に、大学時代にお世話になった教授先生の還暦祝いがあったので参加しました。具体を言えば、「お世話になった」というよりは、「迷惑をかけた」の方が正しかったような気がします。
私の単位を取る為だけに書き上げた目新しさも面白味もないただただ長ったらしいだけの卒論を、よくまあまともに読んでくれたなあと。あの卒論で読むに値する部分は、一番最初に書いた少し恥ずかしくなる編集後記だったと今でも思います。もっと書きたい題材を書きたいように書いた方が楽しく卒論書けたのにと、多分、佐藤先生はそんな論文の方が面白がってくれたろうにと、もったいないことをしたなと、研究室の伝説として語られている卒論を書いた方のお話を伺った際に思いました。
ただ、佐藤先生の言ういい題材を見つけるには私は少し勉強が足りなかったんでしょう。
今回の訪仙はいい刺激になりました。懐かしい人達と久しぶりに会って、少し錆が取れたような気分です。たまにこんなことがあると「あの時は良かった」と思うこともない訳ではないですが、鳥瞰的に見れば、今の方が面白い人間になったと思うので、たまには勘弁してもらいます。
佐藤先生、70でブルーノートで演奏すること、期待しています。