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感想:棄冠

※本のあとがきにシェアする際表紙を掲載して良いとのことでしたので、引用しております。もし不都合あれば、ご連絡ください。直ぐ対応いたします。
棄冠
作品URL: https://x.com/O1SH1_OMOCH1/status/1838660759565537559

通販URL:https://gmt44302.booth.pm/items/5844168

カプ要素:オリオペ♀×リー
おいしいお餅堂/がむてんさん

すっっっっっごい 厚い。
あとがきを拝読したところによると制作に15ヵ月!すごく愛と考察を重ねられたこの御本を、いろんな方に布教したい(しました)。そんな素敵な一冊になっています。
まず装丁に驚きました。箔押し、帯、小口染めに遊び紙!あまりにもあふれる情熱と、推しカプへの愛が形を伴っていて、持った瞬間「ああこれは、しっかりと本腰を入れて読まねば…!」と思いました。

私自身あまり夢やオリキャラ系に抵抗なく読めるのもあるのですが、それを差し引いてもまず、オリキャラであるレナータ・コンテスティという女がしっかりと「存在している」感があり、キャラとして壮大かつ緻密に作り込まれています。
アークナイツにおける様々なイベント(イベントシナリオ)はテラではありふれたこと、ちっぽけだけれど大きな事件、みたいな感じだと思うのですが(孤星やバベル等をのぞいて)レナータという女性にも降りかかったものはテラ単位では小さいのですが、あまりにも人生においては「だからこそ惨い」と称ざるを得ません。

故に、善人であるリーとのかみ合わせがどうしたって悪いのに、悪人であるレナータは「無理やり」ピースをはめて「ほら僕たちってピッタリ!」と自覚があるのにリーに押し付ける、すがるようにしてみせるところがすごく好みです。(そして、多分リーがそれを突っ返せないことを知っているかもしれません)                                                                                                                                                                                                                             

「庇っているつもり?ぼくは加害者だ、ずっとね」というセリフにレナータの一貫性がわかり、流した涙すら傷つけるための武器ではないのか?と思わされ、そこにリー自身の善性・愛情深さ・広い知見と社会性・哀れみが当然のように注がれる慈悲となり、責任感が彼女の居場所を自分に根付かせている感じがとても良い……!
そして、レナータが攻めなのもとてもとても納得できます。なぜ、リーが攻めではないのか?女性優位になるのか、も二人のやりとりを見ていると察せられるというか、腹の上で暴れるレナータをリーが受け止めているというか、支配したつもりになっている加害者と受け止めているつもりの被害者なのがベッドの上にも感じられて嬉しいですね。

本当にがむてんさんのレナータへの愛情とリーへの愛情が等しくあるからこそ整った話であり、美しい対比になっており、情熱こもった作品になっているのだろうなと感じさせてもらえる、そんな素敵な作品でした。

圧倒的な愛情の深さと考察の重みを感じさせていただけるので、オリオペや夢系も非常に読みがいがあるのですよね……最高同人ブック……。

冠を棄てられてよかったな、と思います。二人の今後もまた読みたい!

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