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EC事業を始めること④

 始めてから少し後に出てくる問題が事業の損益計算やキャッシュフローの問題です。もちろん、初めから想定しておけば良い話なのですが、既存事業の延長で開始する場合は、一定の体制が整っているので、その辺は置き去りになりがちです。特に、モールへの出店をする場合は、モール毎にルールがありますので、注意が必要です。
 キャッシュです。既存事業の延長であれば、販売する商品自体は既にあると状態だと思いますので、そこまで意識する必要はないと考えます。現存の仕組みの中でキャッシュが回っている状態だからです。EC専用として確保が必要だったり、取り扱い量が増えてきた時の事前の想定が必要です。また、ECオリジナルで商品を作成したりする場合は、支払いと代金回収までの流れを確認しておく必要があります。
 PLです。棚卸評価法を決めておく必要があります。基本的には、同じ場合が多いと思いますが、商品や本業での業務内容によっては、全然違う体制を取る必要がある場合があります。計上のタイミングの設定も必要です。締日をいつにするか、棚卸確定日をいつにするか、などこの辺を会社内のルールに沿って決めていく必要があります。しかし、ここの部分を決めていくことが以外と大変だったりします。当然会社の事業ですから、会社の決算の中に取り込んでいく必要があるのですが、通常業務からすると、イレギュラーの対応になります。そうすると、協力を得られなかったり、本質的な議論がないままにできる登録をしているだけになったりします。しかし、しっかり決めておかないと規模が大きくなってから困ります。
 新規事業を始める上では、いろいろ考えて対応していく必要があります。特に最初は、立ち上げして、販売することが優先されがちですが、バックオフィスの仕組みの部分も整えていく必要があります。しかし、ここをしっかり理解して、構築できる人材はなかなかいないのではと感じます。人、もの、金、情報の仕組みの構築とマネジメント体制の確立が重要です。
 次回は、最後に人を少し考えたいと思います。

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