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ドゥーラさん助産師さんナニーさん・・・チームで迎える新しい命:アフリカで命を授かる④

南アフリカで妊娠発覚した私。
これまでのつらつらを書いてきました。多くの人に聞かれるのことが「南アフリカで出産することに不安はなかったの?」ということ。
実を言うと、ここ南アフリカで出産すること自体に不安はほとんどありませんでした。

とはいうものの、初めてのことだらけなので、不安がないと言ったらそれは嘘。でも、日本で出産したってどこで出産したって不安はついてくるはずで、”南アフリカ”であることに対しては、大きな不安はなかった、と言うのが正しい書き方です。

パートナーが南アフリカ人と言うこともあり、こちらの医療環境などの情報は得られやすかったこと。義姉も3ヶ月違いで第二子を妊娠していて、一緒に過ごすことができたのも大きな安心要因でした。

国籍が違う私たち家族。言語も違えば慣習も違う中で、「自分達家族の文化を作っていく」ことが大事だね、とお互いに話して、それぞれがどうして行きたいのかを対話しながら決めていくことにしました。

話したことはこんな感じ。

  • 子育ては、母親だけでなく、家族みんなですること

  • 子育ててキャリアを諦めないためにお互いを支えること

  • 子どもを「大人未満の存在」ではなく、両親とは独立した一人の尊厳のある人間として扱うこと

  • Early Childhood Development(幼少期の子どもの発達)を特に大事にすること

  • 子どもが両親それぞれの文化に親しみを感じられるような環境を用意すること

パートナーと私の会話は、ほぼ英語+少し日本語の単語が混ざる(パートナーが頑張って覚えてくれている)感じで、パートナーの母語であるXhosa語は全くと言っていいほど使っていません。彼自身も、普段仕事や友人との会話で母語を使うことはほぼなく、彼の親戚を話すときも英語とXhosaが混じることが多いのです。本人も、複雑なことを話すには、母語よりも英語の方が得意という状態。

ヨハネスブルグで暮らしている限り、Xhosaができなくても大きな問題はない。Zulu語やツワナ語などいろんな言語を話す人がいて、本当の多言語社会。ピュアなXhosa語を聞く機会すらそんなに多くないのが現状です。
(それがケープタウンのある西ケープ州やその隣にある東ケープ州に行くと、Xhosa語が2―3個ある州のメイン言語の一つなので、使う機会はたくさんある。公用語が12あるのだが、州によってメインの言葉が異なるのだ。ヨハネスブルグが大都会なので、かなり混じっているため、家庭でメインの言語を育てなければ、英語がメインになるだろう)

ということで、言語はもちろん文化も混じったこの社会に、さらに言語・文化が混じった家庭ということで、どうなることやらと思いながら、妊娠生活をしていました。

多文化だからこそ、いろんなあり方が認められる

ただ、そんな多文化社会だからこそ、南アフリカではいろんな出産・子育ての形が認められていると感じることが多々あります。

出産に関わる文化・宗教・風習はさまざまあり(例えば胎盤を持って帰って、伝統的な儀式をするひともいたり。。。)、病院や婦人科では、それぞれの家庭でどんな形の出産がいいか聞かれることが多いのです。

「これが、当たり前だよね」という押し付けがないからこそ、異国からきた私でも、心地よくプロセスを進められている気がしています。

この前Antenatal Class(日本の両親学級的なもの)を受けてきたのだが、そこでも白人黒人インド系・・・その中でもさまざまな宗教文化の人が集まっていたので、「胎盤を持って帰ってどうするの?」「わかんないけど伝統でそうすると両親から言われてるんだよね」など南アフリカ人同士でお互いの文化を学び合ったりもしていました。

出産・子育てはチームで!

そんな南アフリカでの出産、自分達で家族の文化を作ろうと意気込んだものの、ネット検索やSNS検索だと情報が溢れていてイマイチわからない・・・ということで、ドゥーラさんにサポートしてもらうことにした私たち。

ドゥーラとは

ドゥーラとは、もともとはギリシャ語で「女性に仕える女性」という意味ですが、現在では出産前・出産中(通常陣痛が始まってから出産が終わるまで)・産後早期を通して継続的な身体的、心理的なお産のサポートができる専門家のことをこう呼んでいます。

​助産師との違いは、医療行為をしないこと、陣痛が始まったらそれから出産までずっとそばについて、お産の進行を見守ること、です。

​それぞれのドゥーラはお産に立ち会ってサポートできる技術を身につけており、バースボール(妊婦の座る大きなボール)や体位の変更、呼吸の誘導などで陣痛中にリラックスするのを助けたり、パートナーやご家族がお産に参加できるようサポートしたり、飲み物を差し出したり、ときにはただ座って寄り添っていたりと、状況に合わせて産婦さんに必要なサポートを行います。ドゥーラは身近なお産のサポーターとして、非医療面で妊婦さんとそのご家族に寄り添い支えます。

​またドゥーラには認定機関によっても異なりますが、バースドゥーラ(出産に立会うことをメインに、その前後のサポートも行う)と、産後ドゥーラ(出産後の母親の身の回りの面倒を見る)に分けられます。

一般社団法人ドゥーラシップジャパン

これは、日本語のサイトの引用ですが、産前から産後までサポートしてくれるプロフェッショナルのことで、Podcastを聴いたり、保険の適応範囲をみていく中でドゥーラという存在を知って、初めての妊娠出産、そして家族で共通認識を持って新しい命をむかえるために、第三者でありプロのサポートがあると良さそうだと思いお願いすることにしました。(ちなみに、南アフリカの多くの医療保険では、ドゥーラにも保険が適応します)

南アフリカでは帝王切開率が非常に高いこと(特に市立病院だと場所によっては8―9割が帝王切開になることも)、自然分娩を希望する場合は場所を選ぶ方がいいというアドバイスをもらったり、授乳やおむつ、体調管理やおすすめのブランドなど、細かいことから、ネットで見た情報をもとに質問しました。
妊娠中からドゥーラの方と対話することで、SNSコンテンツには誤情報も混じっていることや、国によって異なる事情があるので、南アフリカの場合はどうなるのかなど、丁寧に準備を進めることができたと思っています。

ドゥーラさんにおすすめしてもらった助産院で、素敵な助産師さんにも出会うことができました。
彼女はお孫さんがいるほどのベテランで、サウジアラビアやドバイなどで多国籍のクライアントと働いた経験があります。彼女からは、医学的根拠がある情報から、根拠はないけれども古くから多くの文化で実践されている知恵などを検診では本当にたくさんの学びがありました。

予定日が近くなる前には、ナニー・ドメスティックワーカーとも面接して契約を進め、お産から子育てまで、チームで進めること、頼れるものは頼りながら、自分達の家族のスタイルを作っていくことを心がけていました。

ちなみにナニーさん探しは結構大変。
南アフリカ人でも、なかなか苦労するところらしく、義姉の家族でも、うまくいかずに2人目3人目、みたいな話はよく聞きます。

親戚から探したり(その場合は、アフリカ系の家庭だと年功序列が結構強いので、歳上のナニーさんとうまくいかないことも多いらしい)、知り合いのナニーさんの親戚から誰か紹介してもらったり、エージェントを使ったり、探し方はさまざまで、いろんな人にどうやって人探しをしたか聴いたり、人を紹介してもらったりしたのだが、エージェントを使って素敵なナニーさんに出会えました。妊娠後期で身体が重い時に、パートナーの仕事も忙しかったので、部屋の掃除や水通しの洗濯を手洗いでしてくれたりして、すでに大助かりです。

チームで支え合いながら、ベイビーもたくさんの人に触れて育ってもらえると嬉しいなあ、と思いながら筆を置きます。

南アフリカのナニーさん探しにおすすめのエージェント

ちなみに。。。南アフリカに駐在などで来る方で、ナニーさんやオウ・ペアを探す人がいたら、こちらのエージェントがおすすめです。

https://sittersco.com/

今回は、レファラルと同時に複数のエージェントも試したのだが、ここが一番コミュニケーションもスムーズで、紹介してくれる候補者も素敵なかたが多かったのが印象的でした。
(ちなみに、私は最後の支払いで一桁多く送金してしまうという凡ミスをしたのだが、エージェント側から教えてくれて、払い戻してくれていて、ビジネスとしてもしっかり運営されていることを実感済み… Pregnancy brainとは言いますが、ちゃんとしたエージェントでよかった!)

ナニーだけでなく、ドメスティックワーカー(掃除などがメイン)の紹介や、子どもの宿題を手伝ってくれたりするシッター、オウ・ペアも紹介してくれます。
数日だけのアサインも、長期契約も、どちらも紹介してくれるので、ぜひお試しあれ〜

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