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帝王切開8割!?南アフリカの分娩事情と私たちのチョイス:アフリカで命を授かる⑤
お腹のお子が動きまくってなかなか集中できない25週目に書いています。
今日は南アフリカの分娩事情から、私たちのチョイスの話。
日本だと、なるべく早く産院を決めて予約しないと!となるようですが、こちらはそろそろ予約かな、という時期。巷でも妊婦さんや子連れが多い国なので、分娩施設の不足などは聞いたことがありません。
後述しますが、私たちが選んだのは病院ではなく助産院。ウォーターバース(水中分娩)なども取り扱っているところなので、最終的な予約は低リスクの診断をお医者さんにもらってからなので、37週目以降からということでした。
ドゥーラに聞いて衝撃!帝王切開8割の南アフリカ
色々調べていくうちに、異国での出産だし、マルチカルチャーファミリーだし、第一子目だし、ドゥーラにサポートしてもらうのもいいかもということで、気軽にカウンセリングをしたのですが、その過程で初めてバースプランというものを書いてみました。
分娩=出産?ということすら知らないくらい、全然この分野に知識のかけらもなかった私。日本語でもわからないものは英語でもわかりません。
いろいろを調べながら、できたら、切開とかはしないで出産したいなという気持ちが生まれてきました。
もちろんどんな分娩でも尊いことは承知しているつもりですが、産後の身体への影響を考慮したのと、シンプルに自分の身体が持っているチカラがどんなものなのかせっかくなら体験してみたいという気持ちがあったから。
そしてドゥーラと話しているときに知った、南アフリカの衝撃の事実・・・
なんと、分娩の75%くらいが帝王切開なんだと言います。
しかもこれは全国平均の数字。特に私立病院だと、場所によっては9割以上が帝王切開というところもあると言います。
陣痛促進剤や痛み止めを使って、切開して短時間ではい、終わりということが多いらしく、予定というわけでもなく、陣痛がきて病院に行くと、流れでもうそういうオペレーションになることが多いそう。
いずれにせよ、私立病院を使う層であれば、保険に加入しているので、全額カバーされるし、そのほうが病院としては儲かるし、ということもあったりなかったりするそうです。
国立病院になるとこの比率はもう少し下がるそうですが、それにしても衝撃の数字。
これって、特に何も考えずに病院を予約したら、知らないうちに帝王切開の道へ・・・ということなのかしら!?
アフリカという言葉からは、想像つかないかもしれませんが、南アフリカは結構商業的なところもあるのです。
私たちの親世代は、ここまでではなかったようですが、最近はこんな傾向があるのだそう。
悩んだ挙句、助産院を選ぶ
もちろん、産婦人科や助産師の中には、この”行き過ぎた(と私は思うのですが)”帝王切開のトレンドに疑問を持っている人も多くいるそうです。
ドゥーラや助産師として、大手チェーンの私立病院以外を選んで勤務しているような人は、こうした資本主義的なお産ではない選択肢を提供してくれることを知りました。
お産の仕方に優劣はないにせよ、ある程度オプションがある方がいいと思う人は多いと思います。ちなみに、妊娠中にいろんなところに出向くと、自分自身のお産体験について話してくれる南ア人女性がとても多いのですが、帝王切開と自然分娩両方やったけれど、産後の復活は自然の方が早かったから、できればそっちがいい、という女性には多く出会ったことも、私の決断に影響を与えています。
大手病院の産婦人科医からは絶対に聞けない南アのお産事情やさまざまな選択肢を教えてもらい、経過に問題がなければ、助産院で産もう、と決意しました。
南アらしい・・・助産師やドゥーラの選び方
おおお、なるほどな、と思ったエピソードの一つは、助産院でまず初めにやることは、助産師さんを決めること。10人以上の助産師さんが所属しているのですが、誰がいいか、施設のドゥーラに聞いてみたら
「あなたの好み次第かな。多くの人はまず・・・色を気にします」
と言って、自分の腕を指差した。
一瞬何の色のことを言っているのかわからなかった私。すると彼女は続けて、
「白人であればxxさん、xxさん・・・インド人であれば・・・」
と説明していくのです。
お産という大切な瞬間の立ち会いなので、信頼や安心などが関わってくるのはとてもよくわかるけど、ここで初めに出てくるのが人種の違いで(おそらくこうした選択肢を選べる人の多くは富裕層=白人が多く、白人の助産師が好まれるのだと予想できる)、南アフリカだなと思わされました。
そんな話をしたドゥーラ本人は、アフリカ系南アフリカ人。
私のパートナーはアフリカ系なので、私たちは黒人助産師を好んだのだけど、私の肌の色のせいかわからないが、彼女は一番初めに白人、次にインド系の助産師を勧めてきたことは興味深かったです。
そして、ウォーターバースに挑戦!
色々な人と出逢いつつ、最終的には素敵な助産師さんとドゥーラさんと共にお産の準備中。バースプランを書き、37週目に経過が順調だったこともあり、当初から希望していた助産院を予約しました。
ちなみに、妊娠中は先生が「教科書通りの順調な経過だね!」とお墨付きをくれるくらい良く(唯一元々持っていた低血圧が心配されましたが、高血圧よりは心配することはないと言われました)、恵まれているなあと感じた次第です。
中期くらいにヘルニアを併発した時は、しんどすぎてどうしようかと思ったのですが(多分妊娠がなくても辛いくらい、座ることも立つこともできませんでした。。)、そちらもすっかり完治して、ヨガやウォーキング、水泳など最終週まで身体を動かして万全に備えておりました。
このエントリーの「公開」ボタンを押すこの日には、すでにお子が産まれているのですが、当日は産院に到着してから2時間半、念願のウォーターバース(水中分娩)で出産しました。
この話は、またどこかで。