どぶろっくの笑いには尊敬がある
最近見つけた以下の動画にハマってしまって、一日一回みては爆笑している。何度見ても笑えるから、笑いって意外性だけじゃないんだなぁと思う。
それにしても、どぶろっくは本当にすごい方々だと思う。おそらく、努力の人たちなんだと思う。
一見すると、ただ下ネタを笑いにしている芸人に見えるかもしれないが——いや、実際にそうなのだけれど——ことはそんなに単純ではない。「下ネタ言ってれば笑いがとれる」なんて安易なことはなくて、むしろかなり際どいラインの笑いを緻密に計算しているように見える。
そんな「真面目さ」「努力」「研究熱心」な一面がみられたのが、上記の動画のネタだった。
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「なんでだろう」は、ご存知、テツandトモさんの鉄板ネタだ。世の中にある「ちょっと不思議だけど見逃されがちなできごと」に改めて注目することで、それが「あるある」と共感をよぶ。
この芸をパクって、どぶろっくの「下ネタ」のテイストを入れるとするなら、「下ネタのあるある系ネタ」をやるのが一番素直な考え方だ。「なんでだろう」のリズムに乗って、得意の下ネタで「あるある」の共感を得られれば良い。
しかしどぶろっくが尊敬できるのは、パクるのではなく、キチンと自分たちの芸にまで仕上げてきているところだ。
最初こそ「なんでだろう」の鉄板パターンに乗せてはじまるが、その後アレンジ。リズムを同じくしつつ、自分たちの下ネタテイスト入れ込んで「なに毛だろう」というパワーワードに変換。
しかもその後には「◯ン毛だろう」などと、もう隠しもせずに言い放ってしまう。
これはもう彼らの芸である。「なんでだろう」のパクリではなく、その芸の重要なエッセンスだけを吸収した、自分たちの芸だ。
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ぼくらも日々、こういうことを求められているんだろうなぁ。
先人たちの知識・経験・技を盗み、まずは完全にコピーする。その後、コピーしたものの中から「なにが最も重要なのか」を抜き出して、それを自分の型の中に当てはめる。
どぶろっくの魅力は、これらの努力を惜しまないところだ。
そもそもの歌唱力が高いのも魅力だが、「コブクロ風」「ゆず風」「EXILE風」などなど、他のアーティストの雰囲気をアレンジできるところがまた面白くもあり、感心してしまう点である。
こうして、ひとつひとつは点であっても、それを掛け算して面にできると、自分の芸はより広がり、深まっていくのだろう。
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今日もお付き合いいただきありがとうございます。
ちなみにどぶろっくはアルバムもリリースしていて、音楽配信サービスから視聴もできるのだ。気持ちがちょっと沈んだときは、妻とこれを聴いて笑いあっている。