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3びきのこぶた

「3びきのこぶた」はイギリスの民間伝承によるおとぎ話だ。最近ではこども向けに内容が書き換えられ3びきのこぶたも狼も誰も死なない、穏やかなお話になっている。

しかし、本当は1匹目、2匹目の子豚が食べられてしまい、3匹目の子豚が兄二人を食べた狼を食べてしまう残酷なお話。

3匹のこぶたに出てくる三番目のこぶたはしっかりものだ。

よくある「末っ子」の性格判断などを見てみると、
・甘え上手
・空気を読むのが得意
・要領がいい
・マイペース
・競争心が強い
・影響されやすい
など、いくつか挙げられている。これらは3匹のこぶたの末っ子にはあまり当てはまらない。(まあ、マイペースは当たってるか。)

このお話で三番目のこぶたの引き立て役となるのが、藁でテキトーな家を建てた長男だ。
長子の特徴として
・面倒見がいい
・真面目
・責任感が強い
・慎重派
・プライドが高い
・優柔不断に見えて頑固
と言われているが、このお話では長子の良さは微塵も感じられない。それどころか最初に狼に狙われ、食べられてしまう。まあ藁だから仕方がない。

中間子のこぶたも、一番目のこぶたよりは丈夫な木の枝を使って家を建てるが、兄同様すぐに狼に家を吹き飛ばされ食べられてしまう。

中間子の特徴としては
・負けず嫌い
・自立心が強い
・マイペース 自由
・要領がいい
・平和主義
などが挙げられているが、こちらも中間子の良さを活かすことはない。強いて言えば負けず嫌いが当てはまるかもしれない。

中間子のこぶたは兄よりは良い材料(木の枝)を使って家を建てるが、兄同様すぐに狼に家を吹き飛ばされ食べられてしまう。せめて、ログハウスくらいの強さがあれば、吹き飛ばされなかったかもしれない。彼と同じ中間子の私としては非常に残念だ。

ここから、お話は盛り上がりを見せる。どうしてもこぶたを食べたい狼は、「かぶを取りに行こう」とか「リンゴを取りに行こう」と言葉巧みにこぶたを誘い出すのだが、オオカミの悪巧みを見抜いているこぶたに先を越されたり機転を利かされて、なかなかこぶたを食べることができない。
怒った狼は、煙突から侵入してこぶたを食べてやる!と宣言する。

それを聞いたこぶたは、暖炉の火に大鍋をかけて待ち構える。そこへ落ちてきた狼がドボン。こぶたはさっと蓋をして、狼を煮て食べてしまうのだ。

こぶたが、狼を!兄二人を食べた狼を!

そのあと、末のこぶたは幸せに暮らすのだ。

かわいそうな長子と中間子。末っ子の胃袋に入る運命ならば、もう少し見せ場を作ってくれても良かったのではないだろうか。

長子、末っ子気質を持ち合わせる一人っ子だった場合はもちろんお話は成立しない。なぜなら、3びきのこぶたの家は貧乏だったため、母豚が3びきのこぶたに自立を促したのだ。一匹くらいなら、養うこともできるだろう。

もし、仮に一人っ子だったとしたら、持ち前の愛想の良さと高い集中力を活かし、ビジネスを成功させ豊かな生活を送ることができただろう。豪邸には警備員を配置し、もちろん狼などは寄せ付けない。

こうなると、まるで「成り上がり」(矢沢永吉著)だ。

ちょっと子供向けではないが、こんなお話があっても面白いかもしれない。


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