親知らずを抜く話(前編)
Twitter(X)でもチラホラ呟いていましたが、親知らずを抜きました。
書いていたら長くなったので前後編に。
これまでの人生で8件の歯科を受診し、長年見守り判定だった下顎の2本、現主治医からついに死の宣告を食らい。覚悟を決めてデカめの病院に紹介状持って受診、この度2本まとめて抜歯。
同じく親知らずの抜歯に対して心の準備をしたい人の何らかの参考になれば幸い。恐らくレアケースなので役に立つかは微妙ですが。
書き溜めていたメモ書きをベースに起こしています。
抜歯の予約
始めてのデカめ病院の受診にビビり散らかしたけれど、やはりデカい所は色々ちゃんとしてるなぁと思いながら受付、レントゲン撮影を経て診察。
日帰り×2回(局所麻酔)か、入院1泊2日×1回(局所麻酔+鎮静剤)かの選択肢を与えられ、2回行くの面倒だなという理由で入院を選択。数ヶ月先の入院の採血検査、入院手続きをして、手術や麻酔の注意事項の同意書にサインして、数ヶ月先に飲み始める薬を貰う。
この時、1泊だし抜歯だしいらんなーwwwwと思った入院セット(入院着やらタオルやら)の予約をしなかったのを後に少し後悔する。
入院数日前
「一泊 入院 持ち物」
「親知らず 入院」
「親知らず 抜歯後 食事」
それまでは気楽に考えていたものの、急に色々と心配になってGoogle先生にお告げを乞う。前々日はマジで関連単語をずっとggっていた。
抜歯後の食事は介護食が良いらしい。あとバンコぞうさんというアイテム。
これらは確かにお世話になったので後程詳しく記載。
清拭タオルinキャンプといい、介護用品はやたら役立つ物が多いですね。
ぞうさんは本来接着剤を充填して使用するものらしいけれど、レビューが親知らず関係ばかりなので皆は用途の認定通ってないとか意外と気にしてないんだなと思った。チャック袋に直で食品入れるとか。私は気にするタイプですが皆さんはいかがでしょうか。
その他、体験記やtwitterを漁って持ち物の準備とイメトレをする。
ただ、入院からの抜歯は全麻の人がもう少し日数かけてやるケースが多いみたいで、1泊2日局麻のレポがほぼ出てこない。
抜歯後の病院食も、おかゆ+常食おかずが出た(食えねぇだろそれ)という場合や、全部ミキサー食でディストピア飯だったという人も。
企業まとめブログを見てもどこも同じ事しか書いてないよ。抜いてない方の奥歯で噛めと言われても、こちとら両方抜くんスよ。
入院前夜
体調は悪くないけど蕁麻疹がやたら出る前夜。昼に賞味期限の切れたレトルトカレーを食べたのでそのせいかとこの時点では思っていたけど、どうにも原因不明なので心配しすぎたストレス説を推したい。
昨日よりは気持ち的には吹っ切れてきたけど、今はただただ持ち物が不安。一泊だしなんとかなれ。
この時点で抜歯の恐怖より忘れ物の恐怖がでかくなってる。
こわい順
忘れ物>>>>>点滴の血管の見え具合>抜歯後の痛み
こんなに忘れ物ビビるなら入院セット(タオルと病衣)レンタルしておけば良かったという話。
意外と寝間着がかさばるし、タオルは体験記で血が止まらなくて血まみれとかいうのも見かけたので、一応余裕を持って用意。
万が一手術前に風呂入る時間とかあったら入りたいし、一応最低限の風呂セットも持って。あーこれが入院セットがあればこの世全ての悩みは消し飛ぶんだ。数百円ケチるんじゃなかった。
入院(抜歯)当日
7時ごろ起床。指示されていた検温、問題なし。
しっかり食べておいた方が良いらしいので、朝は隣町のおうちカフェへ。「隣町のおうちカフェ」という言葉が似合わない生活をしているので、この文字を打っていて少しおかしかった。
健康的な食事と水分摂った方がいい(点滴の血管探しにビビってる)のでおかゆを選択したけど、冷静に考えたらしばらく固形の米食えなくなるのでごはんにしておけば良かった。
帰宅後、荷物の最終確認。忘れ物が心配すぎてトイレに3回行く。ギリ健の弱みである。
バス停まで歩く。意外と荷物が重い。運動不足の中年の体に的確にスリップダメージを与えていく。犯人は分かっている、iPadです。(なお要らなかった模様)
バスの時間の都合で予約時間の40分前に着く。
バスの座席で2人掛けの窓際に座っていた為、降りるモーションをしたら隣に座っていた方に「こいつ駅まで行くんじゃねぇのかよ」みたいな顔されたのが未だに忘れられない。
流石に早いので、事前に確認していた入院費の後払い手続きを済ませてその辺の椅子で時間潰す。やたら椅子がその辺にある病院でよかった。柱に背中向けてぐるっと4席あるのはちょっと面白い。
良い頃合いになったので受付。
PCR検査とかやるのかと思ったけど特に何もなし。もう5類だからですかね。
後払いの手続きを済ませた事を申告したら、受付のお姉さんが『こいつ入院は初めてなのに…何故…』みたいな様子で明らかに困惑している。
だって!入院のしおりに!おすすめって書いてあるし!!
案内された病棟に向かう。ところが入床予定のベッドがまだ空いてないそうで、デイルーム(ちょっと広くてテレビのあるスペース)で待つことに。まぁこちらも早く着いちゃったのでね。事務の方に、デイルームの概要(自販機や給湯器等)をざっと説明してもらって待機。
思ったより遥かに静かな病棟。デイルームもコンパクトで、短期入院の軽めの方が多い様子?私も1泊ですしね。
骨折で入院した所はそれはもう看護師さんバタバタしてたので。病院や病棟が違うとこんなにも違うものなんだなと。
待機中に担当看護師さんから、今日の抜歯までのスケジュールを簡単に教えてもらう。昼は少なめの常食出るらしい。飲み物については何も言ってなかったので直前まで飲んで良いと判断。
やったね。全麻だとお昼は絶飲絶食だったので。血管の姿が消えやすいので飲食の制限緩いのは助かるラスカル。
いよいよ病室へ案内。入院経験3回目で、病院が変わっても何故か同じ位置のベッドを授かる。なんでや!なんで毎回通路側の同じ位置なんや!
トイレは使用中の札を掛けるだけで、鍵自体は掛けずに入らねばならないらしい。緊急時の為の対策なんだって。分かるけどそんなぁ。おばあちゃんやおじいちゃんが札かけ忘れてたらどうするのさ。
荷物を置いて自分のスペースを探索。貴重品入れがデカい。
お!このベッド電動リクライニングじゃん!さすがデカい病院は違うな。
最後のごはん
やることも無くベッドでごろごろしていたら昼食の時間。
いよいよ最後の晩餐(昼)だ。
ただ院内撮影NGの掲示が各所にあったので、食事の写真は撮れなかったんだ。
ごはん90g!すくねぇ!
ごはん、バナナ1/2、エノキ茸とほうれん草のおひたし、鶏ひき肉のミートローフ、それと一緒に煮たフルサイズオクラ、お茶。
もしかしてだけどこの病院、毎食デザートが出るな??
量は少ないけど思ったより味が濃くて(病院食基準)おいしく食べられた。食後は腕を垂らして布団被せてグッパーグッパーして、少しでも血管出やすいように無駄な足掻きをする(献血の経験)。
同日入院になった向かいのベッドの方は同じく抜歯のようで、「〇時予定ですけど前の方が終わり次第なので~」みたいな話をしていて『オイオイオイ前の人ってのは私じゃあないのかい』とドキドキしながら過ごす。私です。
看護師さんから「親知らずが顔出してる場合はそんなにひどくならないらしい」と聞いて少し安堵。両方完全に顔出して上向いてます。血圧は少し高い。
抜歯後はしばらく絶飲になるそうなので今のうちに飲んだりしておく。
話によると夕食、明日の朝食はゆるゆる状で提供されるらしい。いわゆる正体の分からないディストピア飯って奴だな!たのしみ!
トイレに行っておくよう指示を受けてから2回行く。完全に行き過ぎ。
うち1回は札掛けるの忘れたおばあちゃんに出くわす。申し訳ない。
いよいよ抜歯
14:00点滴開始。点滴の時は大体血管が行方不明になるけれど、今回は対策が良かったのか結構すんなり見つかったみたいでよかった。滅茶苦茶安心した。これまでの点滴でで一番不快感なし。最終手段の位置に刺されると大抵不便なので…
時間になったら看護師さんが車椅子で迎えにきてくれる。まだ元気だし普通の輸液いれてるだけなので、若干恥ずかしい。
歯科の外来で抜歯。口腔内外の消毒、鎮痛剤、そして鎮静剤。すでに眠かったのもあって、鎮静剤入ってからは早めに寝た。全麻といい勝負だったと思う。事前の説明だと「うとうとした状態で~」と聞いていたけど私はほぼ寝ていました。でもまぁうとうとといえばうとうとかもしれない。
その後の記憶は途切れ途切れ。歯を砕いてるような衝撃の時は流石に起きたけど、特に恐怖心はなし。鎮静剤ってすごい。途中で『ちょっと痛いなぁ』と思った瞬間に局麻追加されたのは覚えてる。あと口の端に何らかの機材が当たって少し痛かったとかなんとか。
15:30で予定通り終了。行きと同じく車椅子で戻される。
30分おきにガーゼ交換でだいたい夕飯まで絶飲絶食。早速お腹が減っている。そりゃそうだよご飯90gだぜ。夕飯食べたら院内探検してコンビニで飲み物追加しよう。
麻酔がしっかり効いてるのでまだ呑気。
体験記から想像するに、もっと血がだばだば出るもんだと思ってたけど、麻酔効いて口の中の感覚よくわかんねぇからか今のところ出血も少なそう。飲み込んじゃダメとは言われなかったし、出す場所も無いので溜まり過ぎた液体は飲み込む。特に気分も悪くなかったので。
痛みの足音
一回目のガーゼ交換。思ったより血まみれで我ながらドン引き。
17:00ごろ、左抜歯後が微かに痛み始める。来るか…!!
抜歯後の強烈な痛みといわれている奴の足音が遠くから聞こえ、姿が見え隠れしてきた。
17:30、ガーゼとれる。両方痛みが出始める。これはくるぞぉ。
少し楽しんでいる自分がいる。そりゃそうだよあんだけ体験記で言われてたらどれほどの痛みなのか気になるよ。
処置中ずっと口開けてたからその顎の痛みかと思ってたけどまぁ普通に考えて傷口よね。(顎関節症持ち
痛み止めを頼むタイミングが分からず、まぁ切ってんだもの無痛ではないよねという気持ち。痛み止めはまだ頼むまでもないかなぁというレベル。
正直知覚過敏のピーク時の痛みよりマシ。
17:50 点滴取る。
看護師さんに、点滴からの痛み止めじゃなくて服用の痛み止めしか出せなくなると言われる。点滴の方が強い痛み止めが入れられるんですって。でも、現時点でそんなに痛くないので外して貰った。
晴れて自由の身に。この判断が吉と出るか凶とでるか。
引き続き両下顎の痛みは多少あるけど、痛み止めが欲しいかといえばそうでもない。
それよりも口腔内を常時陰圧にしてしまう癖の方が傷口に悪そうで心配。
もうすぐ夕飯。痛みより腫れの気配の方が気になる。おかしいな?
18:00 先生の回診。痛みがそんなにない旨伝えて口腔内チェック。異常なし。
待ちに待った夕食
おかゆ、玉ねぎ入り味噌汁、クタクタに煮た白菜・豆腐・つみれみたいな練り物、バニラヨーグルトみたいな味のフルーチェみたいなもの、カロリー補給ゼリー
ちょっと待て、聞いてイメージしてたご飯とだいぶ姿が違うんですけど?
なーにがユルユルじゃどれも原型があるやんけ!!
両奥歯を使わない(その方向に食べ物を行かせない)食事、思った以上に食べづらい。途中からある程度舌先で味を堪能してから全て飲み込む作戦。
時間は掛かったものの、なんとか完食。お腹空いてたのでなんとしても食べたかった。
私の後に抜歯した人は痛みが強かったみたいで大分苦しんでいた。
看護師さんに「食事、ドロドロ状だから食べられるよ、食べたほうがいいよ」と言われていたけど嘘はよくない。抜歯のすぐ後にあれは正直大変だよ、豆腐とフルーチェみたいなやつくらいしか普通に食べられないもの。
夜の記録
痛みはあるものの痛み止めが欲しいほどではない。
とにかく腫れてきてる方が辛い。
基本横向き寝の民なので封印されるとマジで寝られない。
夜中、痛みで辛いのか腫れが辛いのかよく分からない。起きると楽になるのでちょくちょく起き上がってた。
関節痛や倦怠感があり、微熱の様子。
いまさライオンだけどここが鎮痛剤の貰いどころだった(微熱と関節痛が辛かったので)