ダイソーのマネキンを加工しよう
はじめに
街なか、店頭にあるマネキンをよく観察してみたことはあるだろうか。
よく見てみるとスタイルや顔立ちが良いことがわかる。
それもそのはずで、展示する衣服をよりよく見せるためには「美人」である方が良いからだ。
しかし、人びとは普段マネキンに対して「美人」という感想を持たず、むしろ無機質な人型物体に対する恐怖心を抱くことだろう。
ではこの「無機質さ」を取り除くことができたとき、人びとは目の前のマネキンが美男美女であるということに気付けるのではないか――。
ここまで読んでいただいた読者の方には大変申し訳ないのだが、これは後付けの建前である。
自作アクセサリーの着用モデルとして購入したダイソーのマネキンを可愛くしてみたかった。
目標
「ダイソーの頭部マネキンを可愛らしく見えるように加工する。」
材料
ベビーパウダー以外のアイテムはダイソーで買い揃えた。
・マネキンヘッド…600円
600円もする高額商品。
・ウィッグ…400~500円
好みの色、髪型のものを選ぶ。
ハロウィンの時期になると取り扱う店舗が増えるようだ。
・つけまつげ…100円
・紙やすり…100円
#1500以上の耐水サンドペーパーが含まれているセット。
・絵筆…100円
仕上がりにこだわるなら安物は避けるといい(後述)。
・アクリル絵具(絵具セット+白)…計200円
「肌色」が作れるものを選ぶ。
・木工用ボンド…100円
◎ベビーパウダー
制作
ウィッグと伊達メガネをかけたマネキン
やすりがけ
①上まぶたを粗目の耐水サンドで削って形を整える。
生気を感じられない目が開いているからマネキンが怖く見えるのだ。上まぶたを削った後、つけまつげを貼り付ければ簡単に閉じた目の表現ができる。
カラーコンタクトを張り付けたりして黒目を入れることもできるが、まぶたの形がくっきりとし過ぎていてやや不自然な印象があるので、いずれにしても目元を「整形」する必要があると思う。
※削り過ぎないように気を付ける。マネキンの底面を使って練習するといいだろう。
②「整形切除手術」跡とマネキンの繋ぎ目やバリを少し粗目の耐水サンドでやすりがけして目立たなくする。
③仕上げに濡らした耐水サンドで全体をなでるように軽くやすりがけする(#2000くらいの細かい目のやすりを使用した)。
「ジェッソ」づくり
ジェッソとは下地材のことである。下地材をあらかじめ塗布しておくことで細かな凹凸を減らして絵具の定着や発色を良くする効果があるという。
ただしまっとうな下地材を購入するわけにはいかない。画材店をリサーチする手間も、そこそこ値の張る正規品を買う予算もないのだ(すでにマネキンとウィッグだけで出費が1000円を超えている)。
そこで、ジェネリック・ジェッソを作ることにした。
材料
・アクリル絵の具(濃いめの肌色を作っておく)
・木工用ボンド
・ベビーパウダー
・水
作り方
①アクリル絵の具、ボンド、ベビーパウダーを1:1:1くらいの分量で練り合わせる。
②少しずつ加水してのばしていき、筆塗りできる柔らかさにする。
③完成
着色したカラージェッソを使うことで塗装の手間が少し省ける。また、薄っすらと下地の色が透けるような塗装を施せば赤味がかった肌の表現ができるだろう。
塗装
①完成したジェネリック・ジェッソを薄く何度も塗り重ねていく。
②下地が乾燥したら薄目の肌色を塗っていく。
③頬や唇に赤色を塗る。
④(余裕があれば)眉毛を書き入れる。
簡単に箇条書きしているが、最もセンスの問われる工程であることは間違いない。「言うは易く行うは難し」だ。
埋没毛。安物の筆を使って塗装すると抜けた毛が大変目立つ。これだけはしっかりとしたものを買って使った方がいい。
仕上げ
最後につけまつげを再度取り付けて素体の完成だ。
同じく百円ショップで購入した帽子などの小物やウィッグで好みのカスタマイズが楽しめる。特に大きく印象を変えるウィッグは何種類か購入しておくとより楽しみの幅が広がるはずだ。
素材が発泡スチロールなのでピアスも突き刺すだけで簡単に脱着ができ、アクセサリーの着用イメージの撮影がスムーズに行える。
ダイソーのヘッドマネキンで加工から着せ替えまで長く楽しんでもらいたい。
余談
ちなみにこのマネキンは名前を「三郎」としている。このなりで男の名前をしている気持ち悪さと、「太郎(一郎)」「次郎」の兄がいる可能性を孕んだ名前によって脳内に同じ顔のマネキンが少なくとも2体出現する気持ち悪さを体験させるためだ。
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