【企画】嘘オーライ選手権
嘘オーライ選手権とは日本各地で秘密裏に行われている大会である。
ガソリンスタンドに立ち寄ったとき。あるいは、駐車場で。販売店で。
「オーライ」と言ったようには聞こえない掛け声を耳にしたことはないだろうか。
耳を澄まして聞いてみると本当に「オーライ」とは言っていない。
それらはすべて『嘘オーライ選手権』競技者によるものである。
嘘オーライ選手権とは…
車を誘導する掛け声「オーライ」とは違う掛け声を運転手にバレないように出し、その技術と胆力を競う競技である。
競技者は、元の掛け声からかけ離れた発音・言葉を使うことで高得点を狙っていく。
自動車の発明と同時に誕生し長い歴史を持つものの、競技の性質上、その存在は誘導員以外に明かされることがなく、多くの人にとって「クセのある"オーライ"」としか認識されていなかった。
ルール
・「オーライ」ではない掛け声をバレないように4回続けて行う。
・「オーライ」ではないことがバレた時点で失格となる。
・以下の基準に則って加点を行う。(数字の若い順に加点のウェイトは重く設定される)
①モーラ数が一致していない。(ただし長音や促音は除外する)
②別の意味の単語になっている。
③子音が一致していない。
④母音が一致していない。
⑤技術点、芸術点のほか難易度による加点を行う。
・発声はテメーの上の口のみを使って行いやがれ!
トリビア
先述のルールの最後に書かれた「発声はテメーの上の口のみを使って行いやがれ!」は、ある年の大会にオナラの音で参加した者、事前にサンプリングした「オーライ」を使用して自らは喋らなかった競技者がいたために急遽ルールブックに書き殴るようにして付け加えられたものである。
不正は行わないようにしよう。
参加するには…
嘘オーライ選手権は今ではカジュアルなスポーツとして認知されつつある。
参加するには各種SNSまたは動画投稿サイトに『#嘘オーライ選手権』のタイトルをつけてチャレンジした様子の動画もしくは音声を公開しよう。
本当のところ
真剣にオーライの将来を考えてしまった読者諸君には大変申し訳ないのだが、嘘オーライ選手権という競技は実在しないのだ。真っ赤な嘘である。
ただし『噓いらっしゃいませー選手権』は実在する。
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