【新SO開発期】 No.4 契約書 & 要項の叩き台作成 #新SO
前回までの作戦会議で、新SOキットのコンセプトや論点などが固まってきました。
そこで抽象的な議論は一旦ここまでとし、早速叩き台を作ってみて何が見えてくるか検証してみることとしました。
まず作ってみるのは①SO割当契約書と②発行要項です。
※以下の内容はあくまでも叩き台であり、これから変更される可能性が大いにあります!むしろそのために作成したものに過ぎませんので予めご了承ください。
契約書
(1) 変数の外出し
「自動処理フレンドリー」というコンセプトを実現するため、契約書中で変数となる要素についてはできる限り外出しし、頭書部分か要項部分に全て抜き出すこととしました。
(2) 1文1効果
次に、「シンプル」、「自動処理フレンドリー」かつ「管理部フレンドリー」な契約書とするため、不用意に複雑な条項となることを避けることとしました。
そのために多少冗長となってもなるべく1文につき1効果となるようにし、論理式に分解しやすいような文章の構造を採用しました。
(3) 「イベント」概念の導入
さらに、「シンプル」、「自動処理フレンドリー」かつ「管理部フレンドリー」な契約書とするため、プログラミングの概念に近い「イベント」の概念を採用しました。
すなわち、とある「A」という出来事があったことをトリガーに起こる一連の処理フローごとに契約の内容を体系化することで、現実の運用においてイメージしやすい形を目指すこととしました。
要項
(1) 変数の外出し…ができない
要項についても同様に変数の外出しを試みました。
もっとも、要項はそのまま登記申請書に流用できる体裁としておくことが作業効率やミス防止の観点から望ましいという別の要請があります。
そうすると、要項について変数を外出しするためには登記申請上の工夫も必要となってしまうことが発覚しました。
この点は特に司法書士チームと検討の必要がありそうです。
(2) 契約の変更を考えると要項事項(≒登記事項)は減らしておくべき…?
また、そもそも何を要項事項≒登記事項とするかについても問題です。
実際のところ、税制適格SOとするための要件のうち登記しなければいけないような事項はほとんどありません。
契約に定めさえすれば良いという要件がほとんどです。
もちろん、登記してしまえば新株予約権の内容として強い効力が発生しますので権利者にとっても会社にとっても当初の設計通りにSOがワークする可能性が高まります。
もっとも、税制の変更などによって契約の変更が増えてくる可能性が出てきた昨今においては、登記事項はなるべく減らしておく方が今後の法改正等への対応力は上がるかもしれません。
この点も弁護士チーム・司法書士チームで検討しなければならないでしょう。
(3) 調整式をなるべくカットできないか…?
そして叩き台を書いてみながら思い至ったのがこの調整式の問題です。
SOには複雑な調整式が設けられることが多くあります。
これは公平な権利行使を実現するためには不可欠なものですが、他方で複雑な調整式は現場の理解を妨げる大きな要因となっています。
この点については何か工夫ができないか検討すべきであるように思われました。
叩き台作成によって炙り出された要検討事項
ここまで叩き台を作成してみて、以下のとおりの要検討事項が浮かび上がってきました。
これらについては早速、他の先生方を交えて議論してみたいと思います。
プロジェクトチーム内での議論がどうなるか、今から楽しみです。
ハッシュタグ「 #新SO 」でご意見募集中!
(文責:弁護士 五十嵐将志)
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