人との出会い、とん木との出会い!下市・天川への初訪問
こんにちは!大学3年生のかずなです。
今回、MYSH合同会社の奥大和学生向け体験プログラムで下市村・天川村を訪れました。
私は大学入学と同時に奈良へ来て、奈良の鹿ライフを楽しんでいます🦌
奈良学生ガイドとしても活動しており、奈良公園周辺については訪れることも勉強する機会も多いのですが、奥大和地域は私にとって未開拓の地でした。
Instagramの広告で本プログラムを知り、奥大和の土地や人に触れて愛着のある土地にしたい、学びをガイド活動でも活かせたらと思い応募いたしました!
吉谷木工所の三宝づくり
特に印象に残った「吉谷木工所」さんについて、「もっとたくさんの人に知ってほしい!」と思ったので拙いながら綴らせていただきます。
奈良県橿原神宮前駅から車で約一時間、飛鳥の瓦葺きの街並みを過ぎ、自然の多い土地の中にあるのが吉谷木工所。「三宝」を作る工場です。
工場に入ると、作業中の機械音と積み上げられた材料たちが迎えてくれました。
ザ・工場!という感じでテンションが上がります!
突然ですが、「三宝(さんぼうor さんぽう、三方とも書く)」をご存じでしょうか??
写真を見ると、「あ、見たことある!」という方も多いのではないでしょうか?
鏡餅や月見団子、お供え物を乗せるのに用いられるものです。
実はこの三宝、日本のシェアの約9割がここ奈良県下市町で占められているのだそう。
私は下市が三宝の産地であることはおろか、「下市町」という名前も今回のプログラムで初めて知りました…今後は三宝を見るたびに下市のことを思い出すと思います!
工場では、ワークショップで三宝の上の部分を活用した、小物入れを作らせていただきました。
私は伝統的なものづくりに興味があり、三宝も以前催事で見て知っていたのですが、作る過程に触れるのは初めてなのでワクワクでいっぱいでした!
四角い板と細長い棒を組み合わせて貼り合わせます!四角い板にはワークショップ用にレーザーで模様が彫られています。
特に衝撃的だったのは棒を曲げるときの感触。
「にゅっ」というか、「ぐいっ」というか、「すっ」というか、何とも言えないような感覚でした。
「木が曲がる」ということ自体が不思議ですし、病みつきになる体験です!
水につけておくと綺麗に曲がるという粘り気は、ヒノキならでは。吉谷木工所では奈良の吉野ひのきを主に使われています🌳
この切り込みを入れて曲げる技術というのが下市の三宝の特徴であり、日本遺産にも登録されているそうです!
完成したのはこちら!まずは家のお気に入りたちを乗せてみました。
伝統を次世代へつなぐ挑戦とその思い
吉谷木工所さんはこの「曲げ」の技術を生かして新たなものづくりにも取り組まれています!
その名も「とん木」!何度も口に出したくなる名前です。
吉谷さんのご厚意で参加者に配っていただいたのですが、ひのきの優しく温かい手触り、挟む時の木の弾力、パチパチとなる木が合わさる音、これらが相まって閉じ開けする手が止まりません!笑
木は自然のものなので挟む時の柔らかさも物によって異なります。唯一無二の1本です!
この「とん木」はコロナ禍の2020年から1年ほどかけ、切れ込みの幅や数を調整するなどして開発されたのだそう。
この他にも、八角形の「八宝 マルチボックス」やダイニングトレイなど従来の三宝づくりにとどまらず新商品を続々と開発されています。
今も次なる取り組みの構想中だそうです!
その背景には、三宝を「神具から新具へ」と進化させたいという熱い思いが。
生活様式の変化に伴い需要が減少しつつある三宝ですが、捉え方を自由にし、新しい生活用品として広げていきたいとのことです。
サラリーマンを経験し、家業である三宝づくりを継ぐことには迷いもあったそうですが、「続けていかなければならないものがある」と継承を決意。
「将来的には各家庭に何かしら吉谷木工所のものがあるようにしたい」と、熱く目標を語ってくださいました。
私も何か関われれば!と思い、いただいた「とん木」を日頃のガイド活動で外国人観光客の方に見せてみることに。
最初に見せたのはご家族連れのツーリストさん。11か月の可愛くて仕方がない赤ちゃんが、とん木を閉じるときと逆方向に広げだしてしまってピンチでした😂
前回はうまく魅力を伝えきれませんでしたが、伝え方を工夫して再トライしてみたいです!
終わりに
今回のプログラムでは、吉谷木工所の吉谷さん、日本最古の寿司屋「つるべすし弥助」の宅田さん、心の豊かさについて教えてくださった法泉寺の住職さん、天川村でコミュニティナースとして地域を盛り上げる山端さんと役場の方、大峰山陀羅尼助製薬の方といった、普段の大学生活では出会えないような方々からお話を伺うことが出来ました。
加えて、学校学部学年もバラバラな参加者メンバー、そしてMYSHのお2人
とたくさんの熱意あふれる温かい方々と出会えたこと、
下市・天川のまちを初めて訪れて町並みに触れ、また行きたい土地になったこと、
が自分にとって大きな経験となりました!
関わっていただいたみなさん、そして拙いnoteを読んでいただいた方々ありがとうございました!