ダマシを利用するってどういう事?
どこなら狩られないのか?それが重要だと思うのです。
上手い人は「ダマシを利用する」って言いますよね?「ダマシは機関投資家などの大口が。。。ウンヌンカンヌン」
ほんでそれどういう事なん?
どうやったら利用できるの?
という事を僕なりに説明します。
別にそんな特別な事ではなく、多分、え?それだけ?って思います。
え?それだけ?ってなればあなたの頭が整理されたという事なので、この記事の目的は達成されたことになります。(笑)
1.ダマシとは何か?
ダマシの意味は、いくつかありますが、少なくともこの記事でダマシと言えば抵抗帯をブレイクしたと見せかけてブレイクしなかった事ですので、そこは注意してください。インジケーターやチャートパターンが機能しなかったという事ではありません。
具体的に見てみましょう。
HLの部分に赤丸があります。これらはレンジを囲う水平線(長方形の下限)を突っ切ってから再度レンジ内に戻っています。
これがダマシです。
緑丸はあまり突っ切っているとは言えないので、一般的にはダマシと言わないと思います。
このように細かいロウソク足で見た場合はフォールスブレイクアウトと言われますし、荒いロウソク足で見た時はフェイクセットアップと言われます。オーバーシュートという事もあります。
ようは全てレンジの境界等の水平線を突っ切って帰ってきたという事で、僕たちトレーダーにとってはそれだけの事です。
その背後の売買の心理や、何が起きているかなんて本当にどうでもいいです。少なくともそれを知ったところで、トレードが上手くなるわけではありません。
大事なのはそういう現象があるという事を認めた上で、それを利用するという事です。物理学では重力の発生原理はまだ解明されていないそうです。でも重力というものを認めて、公式化し、何秒後に地面にボールが落ちるかという事を求める事ができるわけですよね?
僕達に必要なのは物理学的アプローチです。つまり言い換えると、ダマシという現象があるという事を想定した戦略でトレードをすべきという事です。
2.ダマシの見極め方
ここからはダマシの見極め方について説明します。テクニカルは何でもいいのですが、僕は平行チャネルを使うので、平行チャネルで説明させてください。(他のは詳しくないです。)
■高値圏と安値圏の見極め方
サッと平行チャネルの見方を説明します。具体例は後程見せます。
次の図の黒線3つは平行チャネルのつもりです。上から順に上限、中央線、下限と呼んでいます。中央線は高値圏と安値圏の境界の目安です。
上限より上は買われ過ぎゾーンで、下限より下は売られ過ぎゾーンです。
直接チャートにあてるので、斜めになりますが、ようはRSI等のオシレーターと同じです。
■値動きの性質
次に需給の力学と言えばいいのでしょうか?これを理解すれば値動きがザックリとですが予測できます。
このときの買い手と売り手は何も新規だけではありません。決済(利確・損切の両方)も同じという事を考えてもう一度見てください。
やれやれの決済などとよく言われますが、そんなのどうでもいいのです。
やれやれと思っていようがいまいが、高ければ売られるし、安ければ買われます。下落していれば安くなるまで売られ続けますし、上昇していれば高くなるまで買われ続けます。
■ダマシの見極め
次のチャートは先ほどのチャートに平行チャネルを作図したものです。ここまで言ってきたことを確認してみましょう。
と解釈できます。黄色矢印の1つは到達していないものもありますが、それらはテクニカルの限界と考えています。完璧を求め過ぎてたらいつまでたってもトレードできません。
このように見ると先ほど見ていたダマシである赤丸はすぐ買われると予測がつきます。
基本的にダマシに騙されるのは、全体を俯瞰して観れていないからです。レンジの中だけ見ていませんか?さっきの黒平行チャネルも、結局はさらに大局の買われすぎゾーンまで向かっているだけです。先ほど見ていた程度のダマシがちょろっと出ただけで黒の平行チャネル(トレンド)は崩れません。
3.ダマシを利用する
最後にどう利用するか、その一例を簡単に説明します。
■内部リトレース法
ダマシはレンジの突出した価格なので、上昇トレンド中の押し目、つまり、2度と帰ってこない価格になりやすいです。だから、そこに損切りを置けば勝てる確率が高いです。
僕の場合は、1つ目のチャートのようにレンジの遷移をトレンドとして考えているので、レンジから突出するダマシを待って、引き戻されるのを待って、さらに再度レンジの底に到達したときに買う事があります。その時の損切り位置はダマシの直下です。
この入り方を内部リトレース法と呼んでいます。内部とは長方形の内部という意味です。例を載せておきます。そして平行チャネルの中央線付近の、なんらかの水平線で利食いします。この例では人気のテクニカルであるフィボナッチエクスパンションです。
Step1 長方形を作図してダマシの発生を待ちます。このとき、派手な、これはダマシだと確信できる程度に突出するのを待ってください。そこは裁量トレーダーの腕の見せ所で、あなたの感覚です。厳密に定義してもいいですが、あまり意味は無いでしょう。見るだけで十分トレードに活かせる精度でわかるようになります。大事なのはそこに2度と帰ってこない程度に突出していると言えるか?です。
Step2 長方形の中央線に引き付けるのは、赤長方形のレンジの引力圏外に飛び出していない事の確認の目安という意味で、それ以上に深い意味はありません。自分なりの目安を作っても構いません。
水平な長方形は中央線を省略した水平な平行チャネルです。長方形の中の割安(売られ過ぎゾーン到達)の時に買うのが一番得だと思いますが、その分チャンスを逃す事も多くなります。損切り位置は変えてはいけませんが、適度に指値の位置は調整しても構いません。リスクリワード、チャンスの数のバランスで相談してください。
これもいつも言っていますが、利食い目標となる水平線の選択のコツは”自信のある範囲で”できるだけ遠くです。自信があり、満足できるリスクリワードであれば適当でいいです。
また、レンジの最安値であろう位置に損切りを置けているはずなのに、レンジの中で利食いしないでください。レンジ内部は複雑に上下動して当たり前です。最低でもレンジの上限(直近高値付近)までは握りましょう。
■その他の手法との比較
ダマシは高確率でHLになるところという事です。
他の手法はどうやってダマシを確認しているか見てみましょう。
ヘッド&ショルダーの右肩(3番底)でエントリーする方法をご存知でしょうか?あれは僕に言わせれば、ヘッド&ショルダーの頭をダマシとみなした内部リトレース法です。反転レンジでやっているのが今回の例との違いですが同じ事です。
ダマシの発生を待ち、環境認識でレンジのブレイク方向が分かっていれば他のレンジでも全く問題無いです。今回のように継続のレンジでも可能です。
この方法で勝てるかは、結局のところ環境認識次第です。その技量によって証拠金リスク率は変化させる必要がありますので、僕が決める事はできません。自分で決めてください。
4.終わりに
■要点整理
■終わりに
ダマシは頻繁に発生している。前回の記事で、1番底に損切りを置いてはいけないと言った。2番底以降で狩られる可能性が高いからだ。ダマシという現象を認識していれば、ダマシが確認できるまで逆指値を直下に置くタイプのトレードは勝率の意味で危険とわかる。
他の様々なエントリー方法も、よくわかっていない人にダマシを待てるようにしているだけだ。
大事なのは、ダマシを待つ事というよりは、そのセットアップに利用するレンジがどちらにブレイクするかという事と、ストップの合理的な位置は利食い目標に到達するまでに狩られない自信のある範囲で狭くするという事だ。
前回紹介したマージン法は、そのダマシを見越して余裕を持たせて適当にエントリーしておくという考え方だ。マージン法で買っておき、ダマシが発生したら損切り幅が狭められるので、買い増しするなどというのも上手い方法だと思う。
色々な手法を学ぶというよりは、今後、その手法はどうやってダマシを回避しているか?という視点で見てほしい。自分の手法はどうか考えてみよう。
また偉そうな事言ってますが、僕自信は中級者レベルです。(笑)
このブログでは、点を紹介するのではなく、点と点を結ぶ事を考えて書いています。長いのに最後まで読んでくれてありがとうございました。
今後、週1ぐらいのペースで記事を更新できればと思います。
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