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結局、環境認識が大事。
どうも。バンブです。
勝率は大体環境認識で決まると思うのです。
1.はじめに
エントリーの仕方はいろいろあります。今回は僕が使っているものの中で、比較的簡単なものを2つを紹介します。
2.プライスアクション
説明するのに前提となる僕の相場感を簡単に紹介させてください。ほんの数人ですが、読者にリピーターが出てきたので、またかよって思うかもですが…。
■ レンジとブレイクの判定
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レンジは水平な長方形できつめに囲って認識します。
飛び出る部分はダマシ(フォールスブレイクアウト:False Breakout)と考えます。
ダマシとほんとのブレイクを見分ける基準は、図の青丸の位置のように、長方形の高さと同じ幅進んだかどうかです。
オシレーターのRSIのようなイメージで、長方形の下限より下のピンクの領域は売られ過ぎゾーンで割安。長方形の上限より上の水色の領域は買われ過ぎゾーンで割高と考えています。
■ トレンドはレンジの遷移
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レンジの遷移がトレンドと考えます。1つのトレンドにおけるレンジは大体同じ高さの長方形になります。
上昇トレンドならそれぞれのレンジは上にブレイクし続け、下降トレンドなら下にブレイクし続けます。反対方向にレンジのブレイクが起きたらそのトレンドは終了と判定します。
この模式図の2つ目のレンジは、継続のチャートパターンのフラッグであり、4つ目はヘッド&ショルダーのつもりです。このように、普通水平な長方形で囲う事をためらうようなチャートパターンも、ダマシを許容する事で水平な長方形として囲うというのが特徴です。
ようは、例えトレンドであっても長方形単位で複雑に上下動するものなので、それを前提にしたトレードをしようという事です。
3.エントリー方法
上のテクニカルを利用したエントリー方法を紹介します。ショートも同じなので、ロングに絞って話します。
■ 外部リトレース法
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リトレースとはサポレジ転換、レジサポ転換、ロールリバーサル、リターンムーブなどの事です。(厳密には若干ニュアンスが違うそうですが。)外部というのは長方形の外部という意味です。
水平な長方形でも一度ブレイクしたレンジの上限に再度戻ってくる事があります。時々、図の中の点線のような中央線まで戻ってきます。しかし、基本的にすぐ押し出されます。
環境認識が正確であれば、ブレイクされた長方形の下限まで戻ってくる事は高確率でありません。例外として、トレンドの終盤ではブレイクしてもブレイクされた長方形の下限まで帰ってきます。
したがって、手順は次のようになり、IFD注文で入ります。もちろん利食い目標が決まっているときはIFDOCO注文で入ります。
上にブレイクしたことを確認(青丸)
長方形の上限にエントリーの指値(赤✔)
長方形の下限に損切りの逆指値(SLライン)
黄色の矢印のような軌道で行ってしまったらどうするのかと思うかもしれませんが、その場合は次のセットアップを待ちます。チャンスを逃す可能性を代償に、リスクリワードを上げるという考え方です。
しかし、基本的にロウソク足は長方形の内部を複雑に上下動します。チャンスを逃す代償を払える人だけが勝率が高く、かつ、リスクリワードが良いポイントでエントリーできます。
■ ブレイク法
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ブレイク法はブレイクアウトが確認された時に入ります。僕の分析方法では、ブレイクしたことが確認できるのは、長方形と同じ高さ進んだ時です。
上述の通り、基本的にブレイクしたらレンジの下限まで戻って来ません。損切りの逆指値は自信のある範囲でできるだけエントリーポイントに近く置くのが合理的です。
レンジの形成中に長方形を見極め、環境認識でどちらにブレイクするか見極めておきます。そして、手順は次のようになります。
長方形と同じ幅進んだ位置にエントリーの逆指値(ENTRYライン)
長方形の下限に損切りの逆指値(SLライン)
高確率で下限までは戻ってきません。明確なブレイクを確認する事で、ダマシを回避して、勝率を上げるという考え方です。
黄色の矢印のように帰ってくるかもしれませんが、引き付けずにとりあえずエントリーし、チャンスを逃さない手法です。その代償として、HLを作りに戻ってきて、長時間含み損になるのは当たり前。極めて正常な値動きです。耐えましょう。
4.トレード例
ここまで2つのエントリー方法を紹介しました。トレードは基本的に環境認識とセットなので、エントリー方法だけ覚えても勝てないです。
とはいえ、環境認識まで紹介していては記事が長くなりすぎるため、要点だけを説明します。
■ 環境認識
こんなレンジを見つけたとします。ピンクの部分は売られ過ぎゾーン、水色の部分は買われ過ぎゾーンです。
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上述のレンジの理論をあなたが信じていなくても一旦、正しいという事にして話を進めます。
そうすると、ピンクの領域に入れば安いから買われるので、反転上昇する事が予測できます。どこまでいくかというと、1度上昇すると上昇中に積極的に売る人はいないので、高くなるまで買われ続けます。少し注意点はあるのですが、今回は水色の部分まで価格が到達すると予測したことにします。
このチャートの環境認識は別の記事でやっています。最後にリンクを貼っておきます。
■ セットアップ
環境認識が上のようにできていたとして、M15でエントリーした時の様子です。
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1つ目のダブルボトムの長方形
外部リトレース法ではエントリーできませんでした。
ブレイク法ではエントリーでき、✖のところまで持てたとしてRR2.1です。
2つ目のレンジの長方形
外部リトレース法でも上手くエントリーでき、その時✖での利食いに成功していればなんとRR5.0です。
2つ目のブレイク法はRR1.5でした。
ブレイク法は合計RR3.6なのに対して、外部リトレース法では5.0ですから、今回の相場に対しては外部リトレース法の方が同じ証拠金リスク率なら儲けが多いという意味で優秀な結果となっています。
だからと言って、ブレイク法がいけないわけではありません。チャンスをコツコツものにするのも立派なトレードです。
ただ、好みがわかれるところではあるので、意識しておくと良いかもしれません。僕は損小利大を極めていきたいと思っているので引き付ける方が好きです。
■2つのエントリー方法の勝率の比較
2つの勝率は次のような関係が成り立ちます。
気になる人は証明も読んでみてください。
高一レベルの数学です。
気にならない人は丸暗記で大丈夫。
ただ、演繹的に証明しているので、検証の必要は無いです。
FXのトレードの記事で定理を証明するやつは僕が初めてに違いない。(笑)
【定理】
ブレイク法の勝率$${p}$$、外部リトレース法の勝率$${q}$$と置く。
このとき、$${p>q}$$となる。
【証明】
ブレイク法で勝ち、外部リトレース法で入れない回数→ $${a}$$回
ブレイク法で勝ち、外部リトレース法も勝ちとなる回数→$${b}$$回
ブレイク法で負け、外部リトレース法で勝ちとなる回数→$${c}$$回
ブレイク法で負け、外部リトレース法で負けとなる回数→$${d}$$回
と置く。このとき、
$${a,b,d}$$は全て$${0}$$より大きく、$${c=0}$$であり、
次が成り立つ。
$${p=(a+b)/(a+b+c+d)}$$
$${ =(a+b)/(a+b+d)}$$
$${q=b/(b+c+d)=b/(b+d)}$$
背理法で証明する。
$${p≦q}$$を過程すると、
$${(a+b)/(a+b+d)≦b/(b+d)}$$
$${(a+b)(b+d)≦b(a+b+d)}$$
$${a(b+d)+b(b+d)≦ab+b(b+d)}$$
$${a(b+d)≦ab}$$
$${ad≦0}$$…①
$${a,d}$$は$${0}$$より大きいので、①は恒等的に矛盾する。
よって、$${p>q}$$
5.おわりに
■要点整理
ブレイク法→レンジをブレイクしたときに入る。
外部リトレース法と比較してチャンスは逃さないし、勝率は良いが、リスクリワードが悪い。
外部リトレース法→レンジをブレイクし、引き付けて入る
ブレイク法と比較してチャンスは逃すし、勝率が悪いが、リスクリワードが良い。
とはいえ、どちらも損切り位置は変わらないため、勝てるかどうかは環境認識でほぼ決まる。
ただし、ストップを狩られる負け方はあるため、エントリー方法にも勝率は依存する。
つまり、エントリートリガーはチャンスと勝率とリスクリワードのバランスを決めるものである。
■ おわりに
今回は外部リトレース法とブレイク法を紹介しました。名前は僕が適当に名付けました。これらは水平な長方形を使ったエントリー方法で簡単なものです。互いに異なるコンセプトなので、それぞれの特徴を理解して使い分ける事が大切です。
この記事では、環境認識ができていればエントリー方法はある程度自由で良いという事を伝えたかったです。リスクリワードと勝率とチャンスの数の3つのバランスが重要です。
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