グランビルの法則と平行チャネル
グランビルの法則というのは、売買4つずつ計8か所の仕掛けポイントを教えてくれるものだ。こう考えるとグランビルの法則にはセットアップという側面がある。
ただ、単純に仕掛けポイントを教えてくれるわけではなく、MAの傾きなどを見て判断するので、そういう意味では相場状況を見る環境認識的な側面もある。
僕自身はMAではなく、平行チャネルを使う。グランビルの法則だけではトレードが上手くできないと思っているからだ。
今日はグランビルの法則の問題点を見て、その解決策を検討しよう。
1.グランビルの法則
■グランビルの法則
ごくごく簡単にグランビルの法則を復習しよう。
本来はグランビルの法則の売買シグナルは全部で1番から8番まであり、もっと細かく厳密に定義されている物らしいが、この記事では気にしない。売買ともに乖離と引き付けと抜けが3パターンずつあると思ってほしい。
■グランビルの法則の実例
いつも同じチャートで申し訳ないが、一応実例として載せておこう。
2.グランビルの法則の問題点と解決策
次にグランビルの法則を使って上手くトレードできないと思っている人もいるはずなので、その原因を考えてみよう。
■最適なタイムフレームとパラメーターは相場によって変化する
先ほどの実際のチャートは、EMAのパラメーターが33期間と説明書きされている事に気づいただろうか?実は上のチャートは、綺麗にグランビルの法則が見えるようにかなり恣意的にパラメーターを調整した。
MAに限らず、ほぼ全てのインジケーターはロウソク足の終値を計算に用いる。そして、相場のボラティリティやモメンタムは同じ通貨ペアであっても時によって変化する。最適なロウソク足のタイムフレームやパラメーターは相場次第で変化するのが当たり前だ。
僕は、これはかなり重大な問題だと思っている。インジケーターやロウソク足を固定してどんな相場でも適応させようとするとかなり難しい。
グランビルの法則を用いるときのこの問題の解決策案をまとめておく。
■推進波の終点が見極められない
MAはMA自身に反発する事で、反転ポイントを教えてくれるが、推進波がどこまで伸びるかという事を教えてはくれない。これはグランビルの法則のうち、MAからの乖離で仕掛けようとすると、どこでしかけていいかいまいちわからないという可能性がある。また、MAの引き付けで仕掛けても利食いが上手くいかない可能性がある。
■トレンド終盤が見極められない
推進波だけでなく、トレンド自体の終点がどこかもMAだけではよくわからない。
上級者が値動きが重たくなったというような表現をする事がある。これは値動きの様子を見てトレンド終盤である事を察知しているという事である。
短期・中期・長期など複数のMAを描画している場合は、これらのMAでの反発を期待していずれかのMAにタッチするたびにエントリーするが全部抜けて連敗してしまったという事はないだろうか?これはトレンドの終盤が察知できていないからだ。
グランビルの法則だけで仕掛けるとトレンド終盤でこの図のような目に合う可能性が出てくる。
3.まとめ
解決策の例を見てもらえばわかるのだが、何かしらのラインが必ず解決策の選択肢に入っている。もちろん僕個人の回答であり、絶対の解答ではない。
ただ、グランビルの法則の上のような課題に困っていた時、平行チャネルを使えば全部解決するのでは?という思いは気づいた時からむくむくと膨らみ、無視できぬほどに育ってしまった。だから僕は平行チャネルを使っている。
斜めの裁量ラインを引く事に抵抗があるのはわかる。難しいのでは?と思うのだろう。しかし、実際はそんなことはない。次の2つのチャートを見比べてほしい。
この2つのチャートを見てMAより機能するラインを引く事がそんなに難しいとまだ思いますか?
推進波の終点も大体わかる。下限(チャネルライン)の位置だ。
トレンドの終点もさらに大きな平行チャネルを描いておけば大体わかる。
何より、ライントレードはロウソク足のパラメーターに依存しない。
このチャートはH4チャートだが、H1で見てもM15で見ても同じ位置に平行チャネルはある。この時間軸でいいのかな?このパラメーターでいいのかな?そういう思いを抱く事はもうない。
僕自身は平行チャネルを使うが、グランビルの法則とほとんど同じだという事を知っておいてほしい。
次回は作図方法を説明する。