12.H先生

緊急搬送された大学病院は、前回、流産手術した病院だ。

その日の当直はS先生という若い男性医師で、その先生が対応してくれるということを救急車の中で聞いた。

私が絶大な信頼を寄せる女医のH先生は、本日当直じゃないから居ないらしい。

しょうがない。

夜中の12時に呼び出すわけにもいかない(笑)

だから、病院に着いて、ナースセンターの入口で、スタッフと話すH先生を発見したときは、思わず

「H先生!!」と叫んでしまった。

地獄に仏…

こんな状況でも運の良さに、思わずニヤリとしてしまう。

H先生はチャキチャキした肝っ玉母ちゃんみたいな先生で(でも、年はそんなに上じゃないと思う)
強くて優しい。先生の言葉は私に力をくれる。

救急搬送されてきた私を見て驚くH先生。
そして私の足の間から滝のように流れる血を見て、更に驚いていた。

先生、私、どうなるの?

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