涙の数だけ
クリスタルボウルの音色を聴きながら、お腹の子に
「今のママに伝えたいことがあったら教えて」と問いかけたら、「泣いてもいいよ」と言われた。
だから、流れに任せて泣いてみた。
父が突然、亡くなってから半月あまり。
泣かなかったわけでも、泣けなかったわけでも無いけれど、いや、むしろ悲しみとか寂しさとか怒りとかどっかに丸投げして、ポジティブな感情にだけスポットライトを当てていた気がする。
それは、悲しみにのまれるのは、胎教に良くないかなという思いと、死んでまで娘に怒られたくないよねという父への思いから。
でも、いざ涙を流したら、それは悲しみでも怒りでもなかった。
感謝の涙。
今まで育ててくれてありがとう。
そうか、感謝の気持ちだけ持っていこう。
悲しみや寂しさは置いといて。
感謝だけかき集めてもきっと私の両手には抱えきれないほどの愛情を父は私にくれたんだ。