見出し画像

英会話レッスンはなぜ高いのか(個人講師)

英会話レッスンって高いよなぁ…って思ったりしませんか?

マンツーマンレッスンが1時間7000円ほどが相場のなかで、3〜4000円ならとても安い!と思われるのが当たり前の世界です。

私自身、英会話講師をはじめたばかりの無資格で無知識だったときはみなさんと同じように思っていて、500円のワンコインレッスンや1時間1000円のレッスンをやってました。

だけど1年も経つ前から思い始めるんです。「あれ?これ私、利益出てないな。赤字じゃん。」って。

現在はその「相場」と呼ばれれる価格帯で胸を張ってレッスンを提供しています。もちろん「高い!」って言われます。以前には「最低賃金1000円の世の中で1時間で5000円以上なんてぼろ儲けですね!」なんて言われたこともあります涙

なので今日は「なぜ英会話レッスンはそんなに高いのか」というのを、私という限られた例だけでお伝えしたいと思います。

月収ベースで時給を考える

あなたのお給料はいくらですか?今のお給料に満足してますか?

現在のサラリーマンの平均月収は35万と言われています。これを時給換算するとだいたいみなさん1800円くらいですかね。入社1年目でも1400円くらいかな。生活のためにこれくらいは欲しいですよね。私も家事育児を夫と分担しているので、夫に顔向けできるくらいの利益を家庭に持ち込むつもりで働いています。

画像1

講師は1時間のレッスンにただ顔を出せばいいわけではありません。生徒さんのレベルや性格、アビリティに合わせてレッスンを作成します。1時間分のレッスンプランを作り、スライドを教材を作ったり。教材作りのためには既存のものだけでなく、その人やグループにあったものをチョキチョキしたり、オンラインならスライドがダイナミックになるように、アニメーションを加えたりします。

1時間のレッスンを作るのに、最低でも1時間はかかります。1レッスンあたりの時給はぜひ3,000円は欲しいところです。

教材はお金がかかる!

コースブックを買われたことのある方はいますか?

生徒用のコースブックはたいてい student book が2000円くらいではないでしょうか。当校のレッスンでは、大人向けのレッスンは教材費が込みですが、実はこれ、講師用の教材を揃えるととても高いんです。

Teacher’s bookは6000円ほど。CDセットなどは6000円くらいします。CDはもちろん著作権や出演料(彼らもスピーキングとアクティングのプロ)が含まれます。もちろん生徒さんのレベルはバラバラなので揃えると結構な値段…そしてそれぞれのスキルに特化した副教材も必要です。

スクリーンショット 2020-07-18 17.38.14

別に教材なんていらなくない?って思われるかもしれませんが、実際に教えてみると長年をかけて練られた教材は本当に使い勝手がいいものです。

自分では思いつかないようなワークシートや指導アイディア、また言語に関しての詳しい説明がぎっしりと載っていて、情報量が圧倒的に違います。これがなければ、正直レッスン作りが1時間では終わりません。私は時間をお金で買うべく、高くても良い教材を購入しています。

しかもこれ、4年くらいでNew Editionに変わったら総取っ替えです。

備品だって必要です。

教材の準備のためにはプリンター、インク、紙、画用紙、ラミネーター、ホワイトボードにホワイトボードマーカー、イレイザー…その他いろいろ細かい文房具が必要です。

オンラインレッスンではiPad, apple pencil, アプリのサブスクリプション費用…特に動きを付けにくいオンラインレッスンで、脳を飽きさせないダイナミックさを出すために、それなりに物を揃えること大事です。

固定費もありますね。対面レッスンであれば会場費、光熱費、オンラインレッスンであればZoomなどのアプリ使用料…どこかのサービスに所属していたら、コミッションも引かれるのではないでしょうか、多分。

講師だって勉強してます

「先生ペラペラなのに勉強必要なんですか?!」なんて言っていただくことが日々あるのですが、学習者としての勉強はもちろん、教授学も毎日毎日勉強です。

私が所有しているCELTAは受講料の他、滞在費などに総額50万ほど。そのほかにも年に何度も民間のワークショップに参加したり、講師同士の交流コミュニティに参加したり、学会(JALT)の年会費を支払ったり。1冊5,000〜10,000円の学術書だって読めば読むほど自分の無知さが露見し、必要になります。(この本、ハードカバーが18,000円もするんですけど…!私はペーパーバックで買いました。)

スクリーンショット 2020-07-18 17.42.49

1日にできる授業数に限りがある

1時間の授業に1時間、勉強会に行ったり移動時間が必要だったり、そして何より個人事業主であれば経理、広告、在庫管理etc… 雑務も全て自分でやります。そうすると1週間にひとりでできる授業料って最大でも15時間くらいが限界かなと思っています。

英会話講師としては、雑務よりも生徒さんのためにもっと時間を使いたいのでバックオフィス・広告宣伝はアウトソーシングしていますが、それはそれで人件費や委託費がかかります。

レッスンは教えている時間だけではない

これら全てのコストを1レッスンあたり1,000円(月額60,000円)で抑えても、講師の時給1,500円と合わせると、1レッスン4,000円はしちゃうのですが、月額6万で経費を済ませるなんて、正直かなり無理があると思います。

だから結局経費は1レッスンあたり5,000円以上しちゃうんですね…そして勉強すればするほど、自分のレベルもアップするわけですから時給を上げたいとも思うのも当然のはずです。

また今回のような世界情勢がいつ大きく変化するかわからない世の中で、万が一のためにプールする資金を考えると1時間レッスンが7,000円ほどかかるからくりがお分かりいただけるのではないでしょうか。

あくまでもレッスン費用は参考の一部に…

とはいえ、金額はみなさんがレッスンを選ぶための要素の一つです。もちろん、マーケットの規模やその他の因子で価格は大きく変わります。

ですから講師側は、授業を受ける立場である生徒さんに納得いただけるレッスンを提供し続けなければいけないというプレッシャーで押しつぶされそうになりながら、レッスン作りを楽しんでいることでしょう。

なんて、教える側の意見をつらつらと書き連ねてしまいましたが、選ぶ権利を持っているのは生徒さんですから、お支払いになられているその金額に見合った先生か授業かは、ぜひ目を光らせながら(涙)授業を受けられてみてくださいね。

お読みいただいてありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?