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ダイビング中に呼吸器疾患の患者さんの不安な気持ちがわかった話


こんにちは!
超お久しぶりになってしまいましたばんびです!

ずっとnote書きたいと思っていたのですが、
インターネットラジオを始めてからなかなか手をつけられていませんでした🥲


突然ですが、みなさんはダイビングをしたことありますか??🐠

私は1年前にダイビングを初めてして、
そこで思いもよらない発見をしたので、
今日はそのお話をしてみたいと思います☺️


「呼吸が苦しい」は気持ちから来ることも…


私が働いている病棟は、現在はコロナ病棟に変わってしまいましたが、以前は呼吸器内科という科でした。

肺がん、肺炎、気管支喘息など、
肺や気道の病気を持つ方が多く入院されていました。

そしてもうひとつ多かった病気が
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
という病気です。

聞き馴染みないかもしれませんが、
私が調べた記事では、
COPDの診断がある方は2017年の段階で22万人、しかし推定される患者数は530万人なんだそうです。

気づいてないけどCOPDの人が多くいるってことですね。

どんな病気かと簡単に説明すると
主な原因は喫煙で、気道や肺に炎症が起こって道が狭くなり、息を吐き出しきれず
肺が長年の時間をかけて膨張して苦しさも増していく
というような病気です…。


そんなCOPDをはじめとした呼吸器の病気を持つ患者さんたちは
少し動くと息苦しくなるという経験を、日常生活の中でたくさんします。
動くと心拍数が上がって、はやく血液が流れる分、
肺から血液の酸素の受け渡しがしづらくなるので取り込みがうまくいかなくなるのです。

でも、その一方で
血液中の酸素の値(SpO2)が下がっていない
=体に必要な酸素は不足していない状態

にも関わらず、

呼吸が苦しい気がしてきて、息が早くなってしまい、本当にSpO2が下がって苦しくなってしまうことがあります。

この現象について、
「呼吸が苦しい」は気持ちからくることもあるんだよ
と、呼吸器内科の先輩から教えられてきました。

でも私たちからすると、なんとなくしかその気持ちは理解できないですよね。
それを、まさかのタイミングで体験することができたんです。



ダイビング中の出来事


あるときスキューバダイビングを体験でやってみたことがありました。


以前シュノーケリングを初めて体験した時に、お魚さん達とガラス越しにではなく同じ海で泳ぐのが楽しかったので、
「もっと深いところで一緒に泳げるのか!!」とワクワクして参加しました。


でも、シュノーケリングとは違ってダイビングは水深がある分、
鼓膜などへの水圧の影響があるから、自由に水の中に行ったり水面に上がったり
できずダイバーさんの指示に従わないといけないんです。

それを聞いた時、私はこんな風に思いました。

「30分後になってインストラクターさんの許可がないと、水面で思いっきり
息を吸うことはできないんだ。」

そう思った途端、なんだか窮屈な気分になって、息が苦しい気がしてきたんです。実際にはボンベから酸素を吸えているので、呼吸状態としては問題ないはずなのに、です。

その時に私は、気持ちから苦しくなってどんどん過呼吸気味になってしまうCOPDの患者さんの姿を思い出しました。


だから、「苦しい気がしている、だけだ」となんとか言い聞かせて、
お魚さん達と泳ぐことに集中して、苦しい気がすることは忘れるようにしました。

私はそれでやり過ごせましたが、一緒にダイビングを初体験したお友達は、
実際に苦しくなってしまい、一度ダイバーさんと一緒に水面に上がって呼吸を落ち着かせていました。



呼吸は心とつながっている

この体験を通して、患者さんの気持ちが理解できたので、すごくいい経験だったなと思っています。
ちなみに、この時もうひとつ感動したことがあります。

それは、体験者がパニックになってしまった時の、インストラクターさんの対応
です。

水中では会話はできないので、ホワイトボードみたいなやつで筆談したり、
ジェスチャーを決めて会話したりしていましたが、
実際にパニックになりそうになった時、インストラクターさんは目で

「落ち着いて」

と強いメッセージを伝えてくれました。

その力強さに、自然と気持ちはすっと落ち着きました。


地上では冗談を言う明るいおじさんでしたが、
水中ではさまざまな危機を乗り越えてきた頼もしい先生なんだなあと改めて感じ
ました。


病院では、COPDに限らず、様々な不安を抱えている方がたくさんいます。
そして、パニック障害などの既往がない方でも強い不安によりパニック発作のよう
な状態となり、息が苦しくなってしまうようなことはあると思います。

そんな時に、言葉だけでなくその態度・振る舞いからその人の心を落ち着かせてあげられるような人間になりたいなあと思いました。


長くなってしまいましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました!!☺️
こんな風に、病院で働いていて思ったことや、日常考えたことなどを、
こちらのnoteで発信していきます!

そして、音声配信(stand.fm・Sportify・Podcast )では
ほぼ毎日そんな発信をしているので、
看護師をしていてどんなことを考えるのか、病院ってどういう世界なのか
などに興味がる方は、チェックしていただけると嬉しいです☺️

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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!😆

明日もあなたにとって幸せな1日となりますように🙏✨

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