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ロックンロールにさらわれる

すっかり眠りに落ちていた月曜日の夜。
「深夜の馬鹿力」を聴くために何とか起きて、ぼんやりとしたままツイッターを覗くと伊集院さんのツイートが…

うおおおおお!
クロマニヨンズの新曲が解禁だと!!!!!

一気に目が覚める。聴く前から熱くなる。
どでかいスピーカーで聴けるのいいな!
伊集院さんが痺れたフレーズって何だろう!?

そういえば、「深夜の馬鹿力」でクロマニヨンズの新曲を聴く機会が多い。リスナーとしては嬉しい限り、ヒロトとマーシーがTBSラジオ好きだからかな…なんて思っていたけど、おそらく月曜日の深夜だからなんだろう。

まだ聴いてない人は、まずタイムフリーで聴いてみてください。
00:08:35~辺りから曲紹介しています。

伊集院光
「カッコいい!サンタクロースの名簿に載っていない、子供がいる。超カッコいいです。」

みんなに聴いてほしくてツイートしたあと、歌詞を書くのもネタバレになるのかなとちょっと反省。でも伊集院さんはそこのフレーズに痺れたのかーと、テンションが上がってしまった。

ご機嫌なブルースハープにさそわれて
ロックンロールにさらわれる!

「暴動チャイル(BO CHILE)」というタイトルを見て、どんな曲だろうと思いをめぐらせていた。やっぱりクロマニヨンズだ。いつもそこにいてくれるクロマニヨンズだ。いつでも気が向いたら聴いてくれって迎えてくれるクロマニヨンズだ。

ヒロトの曲かな、マーシーの曲かな。ヒロトの曲のような気がするな。いや、マーシーの曲かもしれない。なんて悩める幸せ。

歌い出しの「ジャングルビート」とは…
ボ・ディドリーお得意のリズム・パターン。

「BO CHILE」は、やはり「Bo Diddley」に繋がっているんだろう。ボ・ディドリーの子供というような意味だろうか、どうだろうか。

ボ・ディドリーを詳しく知っているわけじゃないけど、ヒロトとマーシーがボ・ディドリー好きなのは知っている。

クロマニヨンズ好きのわれわれは、クロマニヨンズを通してジャングルビートを耳にしていて、ジャングルビートを知っている。

そして、伊集院さんも口にしていた「サンタクロースの名簿に 載っていない子供がいる」という印象的なフレーズ。心がざわっとする。

この曲は子供に向けているのか、子供のことを思うべき大人に向けているのか、子供の部分を残したままの大人に向けているのか。

誰かを元気づけたり、勇気づけたりしようと思ってやっていないという彼らだが、この曲を聴いていると手を差しのべられているような気がする。このロックンロールにつかまれ!と。

見過ごされている子供に向けた優しさと、誰かの希望になり得るロックンロールの力強さ。

僕らはまだロックンロールを信じている。
いつだってロックンロールを信じている。
夢を心の中に隠し持っている。

夢を諦めた者、夢を叶えた者、夢を新たに見つけた者、夢を口にすることすら出来ない者。

ステイホームが叫ばれていた時期に、家にこもりながら、自分の夢って何だっただろう…と考えていた。

無邪気に夢見ていたケーキ屋さん。夢中になって憧れていたミュージシャン。いや、中学校の時にノートに書きなぐった夢は、「自分と同じような思いをしている人を救いたい」だった。

きっとそれは自分自身が救われたかったんだろう。同じように悩んでいる人と思いを共有したかったんだろう。それをカッコつけて言いたかったんだろう。自分を救うための言葉をノートに泣きながら書いていたあの頃。

将来、誰かを元気づけたり、勇気づけたりする人になりたかった。自分は到底そんな人にはなれないと早々に諦めてしまった。諦めたあとの人生を持て余して、ふて寝ばかりしていた。

でもロックンロールは捨てられなかった。

たびたびロックンロールに叩き起こされた。
聴いている瞬間だけは無敵になれた。
いくつになってもそれは変わらなかった。

「暴動チャイル」はライブで聴きたくなる曲だ。けれど、ライブは当分見られないだろうし、クロマニヨンズは配信ライブを積極的にやるバンドではないと思う。新曲が出ても、アルバムが出ても、ライブは見られない。

こんな時代に、絶望するか、夢見続けるか。
黙って泣くか、ロックンロールで暴動するか。

ロックンロールに出会ってしまったら
黙ってなんかいられない。

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