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男、事務所を立ち上げる

私は、ソーシャルゲームを始める際、下調べとリセマラを一切しないと決めている。

これは、出会ったキャラクターとの縁を大切にしたい、という気持ちと上部だけでキャラクターを判断するような人間でありたくないという気持ちから成っているわけだが、今回特にこのやり方が顕著に表に出た気がする。

私がデレステを始めたばかりの頃のデレマス界は炎上中だったという。

それもそのはず、「黒埼ちとせ」や「白雪千夜」がゲーム内に実装されようかという時期に差し掛かっていたのだ。最初からボイスが実装されているというだけで一部のプレイヤー(プロデューサー)から不当な扱いを受けるということが裏に起きていたとは知らず、
「へぇキャラも追加されるんだー」
くらいの気持ちで始められたのは、後々考えればデカかったといえる。

次に、音ゲーの話。
そもそもスターライトステージが音ゲーだということすらはっきり知らなかった私、テレビのCMで聴いたことがあった「お願いシンデレラ」が流れ、

「あーこれデレステの曲かー」
みたいな微々たる感動が走りつつ、難易度DEBUTでことごとくミスをしまくる。
始めたばかりの3〜4日ほどはDEBUTのフルコンボができるようになる程度にしか成長しなかった。

しかしこれ、すごいのが全く苦痛に感じなかったこと。1度プレイすると、自分がどこでミスをするのか分析して、もう一度遊びたくなる。
またミスがあれば修正。
出来たら難易度を上げる。
ひたすらこれを繰り返す。
楽しくて仕方がなかった。

しかし、音ゲーだけのゲームなら間違い無く飽きていた。スタミナが切れた頃には編成に組み込んでいた「ローカルオーディション」でスカウトした
Nカードのアイドルたちの親愛度が上がっている。

そのアイドルたちを特訓したり、エピソードを読んだりすることに惜しみなく時間を使う。こうすることで、本当に多くのアイドルと交流できた。

もはや、始めてから半月SSRが手に入らなかったことなど気にならなかった。

アイドルたちとひたすらに向き合い続けて半月、イベント「Needle Light」や「Fascinate」を乗り越え、難易度PROの楽曲もこなせるようになってきた頃。

ついにあのイベントがやってきた。そう、シンデレラフェス。

ストーリーコミュを進めエピソードコミュを読み進め、スタージュエルを12500個ほど貯めて臨んだ始めてのシンデレラフェス。

バナーに表示された「SSR排出率2倍」が頼もしい。

知っている、出るときは出るし、出ないときは出ない。

シンデレラフェスは学校の帰りの地下鉄の中で開催された。

爆死。圧倒的爆死。

しかしSRがいっぱい出たし、今までプラチナガシャを回してこなかった分、Rアイドルがたくさん手に入った。これはこれで収穫であったと自分を宥めた。しかし、物欲のない者には幸運が待つとはよく言ったもので、後に1枚のSSRアイドルを入手することに。

初心者にはジュエルの貯め方が複数ある。そのうちのひとつ、「ルームで特訓しまくる」方法。これが功を奏した。

短時間で多くのアイドルと交流でき、さらにジュエルも手に入る効率の良い方法。目的が交流からジュエル回収に変わったことでストーリーを読む時間が後回しになったことに罪悪感を覚えつつ、貯まった1000個ほどをフェス会場に持ち込む。

すると単発、何回目だろうか…

見たことのない封筒だった。夢にまで見た確定演出。もはや何が出ても全力でプロデュースすると決意した。というか、ウチの事務所にプロデュースする気のないアイドルなど存在しないが…

[ミスティックエリクシル]一ノ瀬志希

ノーマルカードで交流したことのあるアイドルでもあったため、かなり喜んだ。というか後ろにフレデリカがいるだけでもうフレデリカが当たった気分だった。

ここから、このSSR1枚で「担当アイドル」を選ぶ旅に出発することになる…

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