ワクチンで変容した? 群発頭痛 ――食べるだけで、激痛。
どうにも、ここ数回の群発期がおかしい。
「おかしい」というのは、単純に「それまでと違う」。
しかし毎度のこと情報が少ない群発頭痛は、それでも多くはなってきているものの「典型的な紹介内容」ばかり。そのため変容してきたように感じる自分の群発症状も、それが変容しているのか、もともとあった要素が拡大しているのか、いまいちわかりません。
それでも、その「典型的な症状」とは明らかに異なる。現在の自分の群発症状が。
群発期を抜けて忘れてしまい、また次の群発期に入って思い出す前に、それらを経過や憶測とともに書き残しておくことにします。
【新型コロナワクチン接種がすべての始まり?】
発症してからの群発頭痛は、とにかく「ひたすら痛い」だけでした。
「定時で痛みが発現する」「アルコールや入浴でほぼ100%激痛が発生する」などなど、まさに「教科書通り」の内容でした。
しかしそれが明らかに変容したのは、自分がつけている頭痛学会推奨の「頭痛ノート(痛みの程度や時間、内容をメモして傾向をなんとなく把握するもの)」で確認できる限り、明らかに「新型コロナワクチンの3回めの接種後から」です。
その際には何もなかったのですが、その次の群発期には、それまでなかった反応が複数、起こるようになりました。
さらにその後、帯状疱疹ワクチンや4回め新型コロナワクチンも接種したのですが、それについては後述します。
【食後に高確率で発作が起こる】
3回めの新型コロナワクチンを摂取した次の群発期には、それまでなかった「食後しばらくすると激痛が訪れる」という反応が起こるようになりました。それも、高確率で。
体感では食後30分から1時間。その間に「定時のように」ムクムクと奥から「激痛の素」のようなものが見え、急速に広がり、やがて群発頭痛に発展します。
これには参りました。というのも、多くの方は朝食を摂ってから出勤するでしょうが、その出勤中にほぼ必ず激痛が襲ってくるのです。または昼休み中に食事をし、さぁそろそろ仕事するか、という頃に激痛がやってきて仕事に戻れない。さらには夕食後、用心しているはずのシャワー中に起こったり寝る頃に起こったりして、もはや定時の痛みなのか体温の上昇なのか偶発的なものなのか、その判断さえできなくなる。
しかも奇妙なことに、痛みが最大値までいかないようなものが多いのです。場合によっては起こらないこともある。かといって甘く見ていると、その場から移動できない(のたうち回ることしかできない)ぐらいの激痛になってしまうこともある。まったく読めない。
何回も何十回も何百回も体験していくうちに、これはおそらく「食事を分解するのに血管が拡張し、激痛が発生する」ものだとわかってきました。
しかし、そんなものはそれまでの群発期にはありませんでした。未だ拾える情報が未だに限定される現在、同じような症状はあるかもしれませんが、耳にしていません。せいぜいが「食後頭痛なるものがある」ということぐらいです。
言うまでもなく、食事は「生きるために一番と言えるぐらい重要なもの」です。それさえも激痛を呼ぶトリガーとなるのは、はっきり言えば「地獄」でした。それこそ「食ってさえいけない絶望感」を受けてしまったのも当然ではないでしょうか。
だって、激痛を恐れて食わなかったら、死にますよ。私。
生きるためには食わなければいけない。しかし、食えば高確率で激痛に襲われる。ついでに言えば、寝ると高確率で激痛。じゃあ食うのも寝るのもなくせばいいかと言うと、それならもちろん死んでしまう。
かなりの苦しみでした。それが訪れるようになったのが、体感と頭痛メモによると、3回めの新型コロナワクチン以降なのです。
断言はできません。あくまで、データと傾向では、です。
【食事にひたすら気をつける】
ここから「あくまで体感」での事項です。
調べて知った「食後頭痛」というものに近いと感じ、消化が関係していると何となく気づいた私は、食事内容と食事方法を変えていきます。
まず感じたのは、いわゆる主食、「糖質」を多く摂ると痛みが大きいということ。ラーメンの残り汁に白米を入れて食べるなんてことをすると、早く長く重い激痛がやってきたものです。
しかし蕎麦だと消化に時間がかかるからなのか、激痛発生が遅いこともありました。遅すぎて起こらないこともありましたが、逆に無関係なこともありました。うどんは消化が早くて激痛も早いと体感しました。
パンではどうか? これも消化が早いからか激痛の来訪が早く、重い。コーンフレークやシリアルも同様。グラノーラもそうでした。試していませんでしたが、その流れでオートミールという可能性を模索してみてもよかったかもしれません。
では糖質以外はどうか? 肉や野菜、そういったものは……不思議なほどに、反応が穏やかでした。たくさん食べると激痛に発展したりしましたが、肉と野菜だけであれば激痛が起こらないこともある。そのため「カレーライス」なら激痛に発展するが、「カレールゥ」では小麦粉由来のカロリーが高くても糖質量は少なめで、何も起こらない。そんなこともありましたし、そうでもないこともありました。
結局は、消化するために労力が必要かどうか。
糖質は、エネルギーに直結します。また米や麦は、硬質素材なので念入りに消化する必要があります。そのため消化に力が必要なので、血管を拡張する。そうして激痛に発展する……なんていうイメージに結びつきました。
あくまでイメージですよ。何度でも言いますが。
それに体感で気づいた私は、主食を米から千切りキャベツに変えてみました。キャベツにカレーをかける。キャベツに麻婆豆腐を乗せる。最近増えている「ラーメンスープ味のスープ」にキャベツを入れる。昨今はレンジでチンするだけで食べられるものも多くなり、スープも増えました。調理できない職場で助けられたものです。
するとどうでしょう。実際に、激痛の回数なり振幅なりが、確実に減っていたように感じました。
「糖質の消化がキモ」という読みは的中。以降、私はキャベツを主食にする前提で主菜をいただく形に切り替えることで、食事をつなげることができました。合うものや合わないもの、または考えなければいけないものも多くありましたが、「食べることは苦痛ではない」と思わせてくれたキャベツには感謝しかありません。
また消化がよくなるように(消化に労力が必要になって一気に血管が拡張しないように)、ひたすら「よく噛む」ようになりました。これも体感では、痛みが穏やかになったように感じます。あくまで体感ですが。
その結果、当然のように体重がするする落ちていき、群発期が終わってもキャベツを習慣のように食べるようになりました。よく噛むので、もちろん消化にもいい。総合的に「いい食生活になって、ダイエット成功」という副産物を生みました。
嬉しいような、哀しいような……いやまぁ、嬉しいことですか。思わぬ。
3ヶ月で8kg。あなたもどうですか? 不健康な時期にこそ健康な「群発頭痛ダイエット」!(推奨しません)
私は過去に「食事は群発頭痛とは無関係ではないか」と記したこともあります。
しかし、それは誤りでした。少なくとも「現在の私には」。
そのため「頭痛にいいもの、よくないもの」にも気をつけるようになり、あるいは試してみることも増えました。自分が大好きなサラミを食べて「ピリッ」とした痛みがあった時はショックでしたが、即座にやめました。好物でも。それこそ断酒と同じですね。
頭痛にいいとされるアーモンドも積極的に摂取しました。というのも、変容してからの群発頭痛は、どうにも「空腹になっても訪れる」からです。
消化のために血管を拡張させる要領で、空腹になったら血管を拡張させて血液を循環させるのでしょうか? そのたびに(そこそこの)激痛が訪れるので、間食を始めました。
そこで選んだのがアーモンドなのです。サッとパクつけて、噛むことでリラックス効果もあり、もしかしたら頭痛に効くかもしれない――何度もそう書いていますが、実際には「三叉神経痛の類なので頭痛とは無関係」ですが、それこそ「プラセボ効果さえない群発頭痛に、自分でかけるプラセボ効果」です。
食後30分~1時間で「消化のための激痛」が起こるように感じたので、その後30分間隔でアーモンドを十粒程度、噛んでいました。次の消化を促すことで血管の急激な拡張を抑制することができるのではないか? という考えでしたが、それによって起こらないこともあれば、起こることもある。そうなると、その間食が効果をもたらしているのかどうかは、いまいち不明。
それでも、やらないよりはマシ。「自分にかけるプラセボ効果」です。
【何でも群発頭痛に発展する】
食事の次に、というより食事も含むので同じぐらいに困ったのが、とにかく「何でも群発頭痛に発展する」ということ。
本来の群発頭痛は「定時で発生する」と言われています。実際に初期は夜や朝が多かったので、食後にまで起こるようになったものも「この時間も激痛の発生時間になったのか?」と思ったものです。
食べても起こる。食べなくても起こる。しかしそれらは、時間が一定ではない。ということは通常の群発頭痛とは異なる。むしろ空腹と満腹のリズムに同調している。
たとえば労働や運動。激しく動いた後に血管が拡張し、群発頭痛に発展します。その要領で、頭痛要因があると「何でも群発頭痛になる」ようになってしまいました。
前述の、食後頭痛が群発頭痛に発展する。片頭痛のような痛みをそのままにしておくと、群発頭痛に発展する。気圧頭痛を感じると、次第に群発頭痛に発展していく。それなのに、睡眠時には単発で純粋な群発頭痛が発作として起こる。
1日に何回、激痛が訪れたかわかりません。そのため予防できないかとイミグラン錠を飲んだりして、そりゃあ足りなくなるわけです。
群発頭痛は正確には頭痛ではないわけですが、発生箇所は近いことには違いありません。普段なら「ただの頭痛」で済むことが、直結して「群発頭痛」の発作になってしまう。
また別のページでも書きましたが、「食後の一服」も発作の要因になっていると痛感しました。あくまで「その後起こる発作を早く起こらせている」ものとして。
【帯状疱疹ワクチンの無効化】
その後、私は帯状疱疹ワクチンを接種し、まるで群発頭痛がなくなったように感じていました。
しかし、それも2年ぐらいでしょうか。というのも、その効果があるであろう最中に4回め新型コロナワクチンを摂取したのですが、何とその夜に群発頭痛が再発。いつもは夏季に訪れているのに、冬季にです。
偶発的とは言えないぐらい、ジャストなタイミングでした。アルコール起因ではありますが、前日まで問題なかったのが新型コロナワクチン接種後に再発です。帯状疱疹ワクチンも接種しているのに? と意味がわからなくなりました。
もしかしたら、ですが。
新型コロナワクチンはオミクロン株に対応して、さまざまなウイルスに効くような反応を示します。それが帯状疱疹ワクチンにまで作用し、効いていたはずのそれを敵だとみなして、無効化させてしまったのではないでしょうか……そんなふうに考えて主治医に話してみたのですが、鼻で笑われて終わりでした。
それでも、4回めコロナワクチン接種後から、帯状疱疹ワクチンがまるでなかったかのように、群発期が定期的に再来するようになったのは事実です。それも前述のように変容したまま。コロナウイルスが弱った流れもあり、そこで接種を止めました。
それでも「帯状疱疹ワクチンは2回接種後、10年接種できない」そうなので、結局は効果があったのかどうかわからないままになってしまいました。本当に残念です……。
検索して、こんな記事も見つけました。
本当に無関係ではないかもしれませんよ。
「『頭痛もち』の人は、ワクチンの副反応で頭痛を起こしやすい?」
https://brand.taisho.co.jp/contents/naron/364/
【ほか、変質事項】
どうにもそれまでと違う、という部分は他にも多々あります。
・鼻柱(の奥)まで痛む
微妙な痛みを「このまま収まるかも」と放置してしまうと、次第に鼻腔が傷むように感じます。解剖図を見ると、むしろ副鼻腔の「篩骨洞(しこつどう)」のあたりが「引っ張られるような痛み」に襲われることが増えました。
これはどうにも気持悪く、鼻水が出ないまま膨らんで痛みの風船になるような奇妙な痛さです。よく群発患者は副鼻腔炎を併発すると聞きますが、それかもしれません。
・「イタ気持悪い」
主にその、鼻の痛みですが。
よくマッサージで「イタ気持いい」という表現があります。痛いけど確実に効いていて気持いい、というもの。
それが軽度の群発症状だと「イタ気持悪い」。
鼻を引っ張られて神経が伸びているような、前述の鼻水風船のような感覚があり、そのうえ息もゼエゼエ。長距離走のあとのような息遣いになり、鼻には奇妙にくすぐったい強い痛み。
こんな「イタ気持悪い」感覚も増えました。
・薬の副作用がひどい
時期的にイミグラン点鼻が流通しなくなり、イミグラン錠剤をメインで使用するようになりましたが、それまでにあまり感じなかった副作用が多く起こりました。
まずは以前からあった「気持悪い」。吐き気に近いもので、典型例なので「いつものことか」と思っていました。また「眠い」のも、以前はそこまで感じなかったものの、最近は強く感じます。
しかし確実に変容したのは「ひどい筋肉痛になる」ことでした。
利き腕の右腕と、体幹から反対につながっている左臀部から腿あたり。その2か所が、特にひどい筋肉痛になり、薬を飲んでいる限り持続していました。
それも筋肉痛は「使ったところが純粋に痛む」ものですが、むしろ「筋肉疲労が起こり、筋張った部分の筋肉にヒビが入って切れるように痛む」感じ。しかし同箇所でも痛くない部分はまったく痛くないので、動作方法によっては無痛で作業できます。でも姿勢や使用する筋肉によっては、スプーンを持つだけでかなり痛みました。
イミグラン錠が明らかに原因だったので、それを一時的に止めると軽減されることもありました。しかし多く摂取したからなのか? 群発期が終わってからも、1ヶ月以上はその奇妙な筋肉痛が続いて日常行動に悩まされました。
その筋肉痛はどうしたか?
ふとした時に気づく痛みが、薬をやめて3ヶ月後も残っているのです。
・足がだるい
これも筋肉疲労なのか?
とにかく、足がだるい。日中もすぐに座りたくなるし、座ってもじんじん痛む。
夜などは熱ぼったく感じ、なかなか寝付けなくなりました。それなのに副作用で眠いのです。
食べても痛いし、眠いのに寝れない。
直接的な激痛はもちろん困りますが、こうしたじわじわと身体を弱らせていく間接的な要素にも、かなり悩まされました。
・においに敏感になる
これは通常の群発頭痛でもありますが、近年は特に感じます。それも「特定のにおい」を非常に強く感じるのです。
個人的に、加熱式たばこ特有の「むせるような、微妙に甘いにおい」を強く感じました。発作時に喫煙して血管を引き締めようとしたこともあり、どこかに残っているわけですが、家や外のどこに行っても、その「わずかな残滓」も強烈に嗅覚として感じるのです。
逆に寛解した今は、それを感じません。終点がいまいちはっきりしない群発頭痛において「自分が群発期の最中かどうか」の判断要素になっていたかもしれません。
・なかなか寛解しない
明らかに「寛解に向かっている」と感じる瞬間が、患者さんにはあると思います。
それまでダメだったことができるようになったり、問題なくなったり。必ず激痛が起こった時間に起こらなくなることが、数日続いたり。
そうなると「いよいよ寛解か」と感じ、ゆるい痛みに耐えるモードになりますが、ここ数回の群発期は「それが長い」。
微妙な痛みや微妙な発作がダラダラ、グズグズと続き、いつまでも寛解しない。かといって油断すると激痛になるし、アルコールでテストすると間違いなく撃沈する。前述の、加熱式たばこのにおいも強く感じる。
そんな状態が2ヶ月も続くと、さすがにイライラしてきますよね。
その間、不思議なことに夜間の発作がなくなっても、それまで「発作があった時間」にはスッと目が覚めるのです。でも発作は起こらない。痛くもない。だけどそれまでのように、覚醒してしまう。
自分の体に刻まれた時間の刻印が、勝手に作用しているようでした。
その時間、夜間なので「それじゃあトイレにでも行っておこう」なんて行動するわけですが、トイレでいきむと「視界が真っ赤になる」のです。
それは「目が充血している」ことの証。ということはつまり「痛みがなくても、群発はいる」ということを感じました。
以前はこんなふうに、群発を「可視化」で感じることはありませんでした。妙に群発期が長くなったことで体感できたように感じます。
そうなると、その視界の赤化や、少し息苦しくなったり、食後に動悸が起こる際などの少しの異変で「少し前までなら激痛に発展したんだろうなぁ」と思うようになりました。
いわゆる「もうすぐ寛解」をリアルに感じられるようになったのは、なぜでしょう、新型コロナワクチン接種で群発頭痛が変容したように感じてから、でしたね……。
【あくまで私の例です(あなたの例は?)】
ここまで挙げた内容は、すべて私の「個人的な経験」です。
また時期的に「新型コロナワクチンに起因しているように感じる」だけです。
すべてのことに確証は、ありません。
しかしそれでも、書き残しておくことに意義はあるのではないか。
ただでさえ通常の症状も「教科書通り」ばかりの群発頭痛。それがこんなふうにさまざまな症状があり、それが「もしかしたら」他の原因で変容しているのかもしれない、ということ。それを書き残しておくのも、もしかしたら「似たような誰か」の助けになるんじゃないかと思うのです。
群発頭痛は、圧倒的に臨床例が少ない。だって激痛の間に診察するケースは稀だし、自分が群発頭痛だと気づいていない患者も多く、群発頭痛の判断をくだせるドクターも多くはない。
だから今でも、情報は多くはありません。サカナクション山口さんのおかげで関心が集まり、検索結果は明らかに前より群発頭痛の情報を拾えるようになりました。
それでも医院の紹介や指圧のスポンサー記事は多く、未だに「最も参考になる個人の記録」には辿り着けません。
皆さん、お願いです。
このような、私のような「おまえの例でしかないだろ?」みたいな体感も、きっと役に立つはず。前後の事実関係や使用した薬など、要因を残せばきっと参考になるはず。
だから私の体感した「新型コロナワクチンで群発頭痛が変容した」というのは事実かわかりません。しかし、同じように体感した人がいるかもしれないのです。
そうした人の役に立てるように、どんな形でも構いません。群発頭痛のことを書き残しませんか?
私たちが生きている間に解明されない病かもしれません。しかしそれを授かったということは、解明できるチャンスを授かったということでもあります。
原因不明なら、自分で原因を探す。
皆さん、自分の群発期にそれをやっているはずです。
私にだけでも、構いません。
あなたの声を、聞かせてください。
きっと話は、それからです。