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文学フリマ京都9に出店しました


1月19日(日)に文学フリマ京都9が開催され、私は過去文学フリマ東京38、39に参加した後の3回目となる文学フリマだった。
文学フリマとして地方遠征は初めてだったので、緊張と期待が入り混じったのは1月過ぎたあたりからだった。
実は1月18日(土)は大阪のRUJA+285BLUEさま(日本で唯一のエストニアをテーマとしたカフェ)でライ麦パンのワークショップを行うことになっていたのでそちらの方の準備もあったので、文学フリマ京都の準備とともに非常にばたついたのが出張前だった。

大阪にも京都にも送るべきものがあったのと、京都には商業出版分は出版社から一部送っていただく手配をした。一度我が家に納品してから京都まで運ぶとなると二重に送料がかかるのでそれを避けた方が効率的と考えた。
そんなわけでさまざまな手配をしたが、みかん箱1つに商品や陳列備品を我が家から京都へ送り、もうひとつのりんご箱には大阪のワークショップのために送ることにした。実は大阪のワークショップの中にも京都用の備品も入れており、ワークショップが終わったらスーツケースに入れて大阪まで運ぶことにした。

送られた荷物

最も不安だったのは、前回文学フリマ東京39でブースに荷物が届かなかったため、会場で探しまくったというトラウマがあり、とても緊張したが、結果的には無事に届いていた。前回と違って各ブースのひらがなとアルファベットの列に分かれて一箇所にまとめて置かれていた。ブースに置かれていなかったので荷物を自分のブースまで運ぶことが辛かった。というのも運悪く荷物置き場から一番遠いブースだったからだ。それはさておき、荷物があることの方が重要なので結果的にオーライだ。
前回の搬入荷物が行方不明になった記事はこちらにあります。

ブース位置

私のブースは「く-48」というブースで、ラッキーなことに列の端だったので、設営もしやすくお客様も正面の他サイドに立つこともできたので場所を有効に使うことができた。
また近隣のブースのみなさまも素晴らしい方々で、気遣いもお互いにでき、精神的にも快適だった。そしてお互いの書籍に興味を持ち、購入してくださるなどあったかい交流があった。
たまたま隣になったということで新しい興味が刺激されたり、自分にはない発想で書籍、冊子を作成されていることにひたすら感心し勇気をいただける機会なのだ。

告知

ブース位置が確定したら、当方ブースの販売内容とブース位置を告知したフライヤー調の資料を作りいつものごとくSNSで告知し始めた。実際は告知によってブースまでいらした方がいるかどうかは謎だったが、SNSの名前にブース番号を書いておくのは親切だと思っている。もし私が文フリに訪れたら知り合いの方のブースに行きたいと思い、SNSのアカウントに飛べばどこにいるかがすぐにわかるからだ。

事前にSNSを見ていると、ブースの分野ごとの色分けをしてくださっていた方がいた。非常に見やすく興味のある分野にまずは行きたいという目的を満たしてくれるので、勝手ながらシェアさせてもらった。私もこれを事前に見て設営が終わったら開場までの空き時間を利用して旅の分野のブースを拝見しにいくことにした。

Amazonペーパーバック版の販売

今回はリバイバルペーパーバック版という2021年に作成した自費出版の『旅するエストニア料理レシピ』を持って行くことにした。一般書店には販売されておらず、初版の特別装丁本は800冊を3ヶ月で完売したというもので、さまざまな事情からしばらく完売状態が続いていた書籍だ。
しばらくして、高額取引されていることに心が痛み、電子書籍とペーパーバック版を作りAmazonで販売することにした。このペーパーバック版は当初Amazonで個人客向けのみの販売だったので作者の卸売価格が存在していなかった。しかしこの卸売価格の設定が出たため、今回のようにペーパーバック(印刷)して直接その場で販売できることになった。
「ペーパーバック版とはなんのことか?」とわからない方はAmazonで購入するのをためらうはずなので、こちらが先に購入してから販売する方が実物を見てもらって手にしていただけるのだ。
もしも、買いそびれた、京都まで行けなかったよという方はこちらで電子書籍版&ペーパーバック版(印刷)を気軽に購入できるので、ぜひご覧ください。

京都では市内に前泊した。調べると会場のみやこめっせまではバスで一本だったので、搬入時間の10時よりも少し前に着くように向かった。朝ごはんもままならず、当然昼食も外に食べに行くことはないと覚悟していたため、地向かいの建物の中にコンビニがあるのをみつけおにぎりを2つ購入した。飲み物は宿についていた水をそのまま持ってきていた。夕方まで確実に売り場にいる必要があるので、毎度このくらいの食料は準備しておく必要がある。そうして向かいのみやこめっせの玄関に入るとすでに出店者の列があった。比較的早いうちに並んでいたようで、ものの10分で建物の奥まで出店者の列が続いていると窓を眺めてわかった。
通常は出店者のカードをそのまま首にかけるホルダーを受け取り会場入りするのだが、今回はカードをシールと交換して服などにつけることになった。システムを今回は変更したのだろう。
しかし、ニットに貼っていたが早々に剥がれてしまい、金庫用に首から下げているポーチにテープで貼ることになった。
いつも文学フリマはワンオペなので、一人で黙々と設営する。設営も慣れてきたので特段のトラブルはなく、さくっとおわったので、送られてきたダンボールをたたみ、このダンボールを返送で使う必要がなくなることを祈った。

今回のブース設営

インフルや風邪が流行っていることもあり、出店者もマスクをしている人が比較的多く私もマスクをしていた。

開場前に行ったブース

私が気になって設営後に伺ったブースがこちら。台湾小箱さんという3人の台湾好きクリエイターさんが作られていたZineの売り場だった。台湾に来月出張するということもあり、情報収集という意味合いもあったが、表紙の作り方が素晴らしいことと、自分では考えていなかったポイントを取材されていることだ。当方ブースにまで忙しい中訪れてくださったり、購入をしてくださったりして本当に感謝である。

あとは奇遇なことで(私のスイカ好きということ)、お知り合いになったつるよしのさんのコズミックスタアのブースに京都で再会し、著書を購入するという目的を果たしたかった。

つるよしのさんのすごいところは、どの本がよいのかわからない時にチャートをつくってらっしゃったこと。私もこれは参考にしたく、次回までにはチャートを作ろうと決意した瞬間だった。結局私は「お前の本気を見せてみろ」という気持ちになった。

残念なことに実は現金を1万円おろしていたのに、前日に現金を使う必要があり、4千円しか持っていなかったので現金が早々に無くなり、お釣りのお金に手を出すという今回初の暴挙に出たのだった。2300円手をつけたところで、タイムアップ。
すごすごとブースに戻ったのだった。

開場後

近隣のブースと会場の様子

今回の文学フリマ京都9では、周りに東京から来ましたという方がちらほらいたような気がする。私の後ろ側のブースの方もしかり。
東京は大きすぎで人がたくさんいるということと、出店者もたくさんいる。京都はその点こじんまりとしているのだが、それでも心地よいサイズというか、ちょうどよく歩き回れるテーブルの距離感とブースの数とワンフロアで行き来できることができるのがよかった。
またお客様の混み具合も空いてるでもなく、密着でもなくという具合が私は好きだった。「ちょうどよい」ということがひとことで表される言葉ではないだろうか。
入場料無料という文学フリマに参加することが初めてで(いつも東京だったので入場料1000円)、一体どんな方が来るのかと考えていたが、京都という土地柄なのか、非常にマナーもよく、純粋に文化や文芸に興味がある質問をしてくれる方がほとんどだった。(というか全員)
そして、ちゃんと人の話を聴いて興味が湧いてきた、手にしてみようかなという段階を踏まえて購入してくれる方が多かった。
特徴的だったのは、レシピに興味があって、レストランで食べられない料理を自分で作ろうとしているという方が割合として多かった。また、大学などの高等教育機関が多い土地柄もあるのか文字に触れることが多い学生さんが、「書籍のためにはお金は払いますよ」という方も東京と比べられないほど多く見受けられた。

博学だなという方もたくさんブースにいらして、自分の無知さを恥じるばかりだが、もっとお話を伺いたくなるような魅力的な人と短い時間であるが東京よりも長くお話できたことが京都のよかったとおもえるポイントだ。

ここちよい盛況ぶり

全体の売り上げとしては、東京と京都ほぼ互角と言ったところだ。下記に文学フリマ京都のXアカウントで速報が伝えられた。単純計算で東京の1/4の来場者だったのに、売り上げが東京と同じくらいだった。それだけ京都にお越しのみなさんの購買率が高かったと言えるのではないだろうか。(当方ブースに限るのかもしれないが)

ワンオペで売る限界点(接客、会計にかかる時間)というものはあるので、いまのところはこれが最大の売り上げで、おそらくブースを大きくして、販売人員をもう一人増やすと1.5倍ほど販売できるかもしれない。はたしてそれが良いかどうかはわからない。
文学フリマ京都と大阪でのワークショップがあったから、合計で3泊して最後は大阪の民族学博物館まで足を伸ばすことができたので、関西は他のイベントと抱き合わせで文学フリマの出店をさせてもらうのが効率は良いのだろうと感じた。


国立民族学博物館
岡本太郎の太陽の塔を見られた

地方文学フリマ初出店をして

地方の文学フリマの良さは、なかなかお会いするチャンスがないとわかっているから貴重な時間を大事にしたいという思いが、お客様や出店者双方強く意識していてそれが表出されていると感じる。今後も地方のお客様に届けるべく、出店は積極的にしていければとおもっている。
今回伺えなかったブースの皆様、お会いできた皆様とはSNSなどで繋がりを持ち、次回の再会のチャンスに必ず伺えるように同行を確認しながら活動をしてまいりたい。
また、文学フリマのスタッフの皆さんのサポートなしにはできなかったことと、仲良くしてもらえて良い人たちばかりの出会いへ深い感謝で締めくくりたい。

今後の出店予定
めしけっと(3月15日)大井町駅近く 大田区産業プラザPiO
文学フリマ東京40(5月11日) ビックサイト
文学フリマ岩手10(6月15日) 岩手県産業会館(サンビル) 7F大ホール
に参加することになっている。
また皆さんにお会いできること、励みに創作しながら生きていこうと思う。

ありがとうございました!

手ぬぐいも想像以上に人気で、現地では琥珀色(オレンジ)がなくなってしまった。
オンラインで販売中なのでぜひご確認を。


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