アメリカにトースターを持って行き、現地のパンを徹底調査|Deep Dive into BALMUDA
マガジン「Deep Dive into BALMUDA」では、これまで世に出してきた製品のテクノロジーやデザインについてお届けします。第1弾はスチームトースター「BALMUDA The Toaster」。前回、トースターが高性能なマイコンを積んでいる理由をお伝えしました。記事の後半で、海外で売っているトースターが日本国内のものとは異なる仕様になっていること(=ローカライズ)について触れましたが、今回は、どうしてそうなったのかについて。海外マーケティング部の福岡祥子が説明します。
空調に次ぐ世界進出
2015年に日本で発売したトースターは、2017年に初の海外向けとして韓国でリリースが決まります。その際、日本国内の仕様とパン焼きのモードは同じですが、韓国人に合わせたローカライズを行いました。
以前から空調製品でバルミューダのデザインと体験価値を受け入れてくれた韓国へ、初めて投入したバルミューダのキッチン製品。味にこだわり抜いたローカライズが功をなし、SNSを中心に口コミでおいしいと評判が広まりました。最近では結婚祝いの定番としてもよく選ばれています。アジア地域で販売しているBALMUDA The Toasterは、この韓国モデルをベースに、さらにカスタマイズを施したものです。
モードを変えた北米モデル
北米で売られているトースターは、日本やそれ以外の地域で売られているものと比べ、さらに多くの違いがあることを前回ご説明しましたが、なかでも一番大きな違いはパン焼きのモードです。
<日本ほかで売られているトースターのモード>
トーストモード
チーズトーストモード
フランスパンモード
クロワッサンモード
<北米仕様のトースターのモード>
サンドイッチブレッドモード
アルチザンブレッドモード
ピザモード
ペイストリーモード
北米へ飛んで現地を調査
北米オリジナルのパン焼きモードは、アメリカでそのまま売ってもBALMUDA The Toaster本来の体験価値を届けられないのではという懸念から生まれました。この地域のスーパーで売られているパンの種類がまったく違っていたからです。
北米モデル発売の約1年前、福岡含むバルミューダのパン焼き職人ことトースターのレシピ担当社員数名が北米のパン市場とその実態調査のため、現地へ飛びました。
また、有名ベーカリーのレジェンドを直撃し、トースターでパン焼きを実演してアドバイスをもらったりしています。そこで振る舞われた朝食がおいしくて、一同顔を見合わせるシーンもあったとか。
2019年夏のこうした日々を経て翌年4月、無事にBALMUDA The Toasterは北米デビューを果たしたのです。
海外でも日本と変わらぬ体験価値を提供するには、法規に従うだけでなく、その国に合ったカスタマイズが欠かせません。次回は北米でのトースターの販売方法などについて、お届けします。