No.1 TEDxKyotoのデザイナーが伝える スライドデザインの方法
スライドをデザインする時、デザイナーは何をしているのか?
デザインと聞くと、体裁を整えたり見映えを良くするといった事をイメージするかもしれない。
しかしプレゼンテーションのスライドをデザインするにあたっては、見た目を整えるプロセスは最後の一部分だけだ。
TEDxKyoto2015では、米澤由香理さんの素晴らしいコーチングのレシピを伝えるための、スライドデザインを担当した。
この、『「印象的なストーリをつくるには?」TEDxKyotoのコーチが伝える、スピーカーの魅力の引き出し方』スライド制作の過程を公開し、スライド制作におけるデザイナーの役割についてお話したい。
・1・
構造を見つける
デザインに携わる人にとっては自然に行う事だと思うが、論理的な思考による情報の整理は、スライドをまとめる時にも強い味方となる。
与えられた目次や内容を吟味し、情報を整理しながら論理的な破綻が無いか、また分類や階層が一貫しているかを見て行くといい。
スピーカーの想いが強いあまり、同じ事を別の言葉で繰り返したり、重複して用いられているかもしれない。
一歩ひいた客観的な視点で、初めて聞く人にとっても分かりやすい全体の構造を、スピーカーと打ち合わせると好ましいと思う。
今回は、最初に全体の項目や流れのスケッチを提示してもらい、それらを元に全体構成の打ち合わせを行った。
各要素の包含関係などを一緒に考えながら、項目ごとの関係性や優先順位を書き出して一枚のシートにラフにまとめたものが下である。
このように全ての要素を見える化することで、最も伝えたいコアのメッセージは何か、を視覚的に確認することが出来る。最初の段階でスピーカーとデザイナーとの認識のギャップを最小限に抑えることは、制作を通じて非常に重要なことだ。
(今回は最初に提示された構造がほぼ完成に近い状態であったため、大きな編集作業などは必要無かった。それでも見える化するプロセスは意義の大きいものだと思う。)
スピーカーの考え方や物事の捉え方がわかれば、表現の選択肢で迷うような場合でも、何かしらのガイドラインとして参考になるだろう。
この構造をもとに、最初のドラフトとして制作したものが、下のバージョンだ。整理のために1ページ目のスライドには全体の構造を図式化してある。(結局このページは使用しなかった…)
【②へ続く】
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