年下生徒さんとのおつきあい
大人生徒だけのバレエ教室はあるにはあるけど、割合的には少ない。
したがって、オバリーナは自分よりかなり年下の生徒とも
お教室の中で、おつきあいがあったりする。
その程度はさまざま。
クラスの時間が違って全く接点の無い生徒にも、
同じ発表会に出演するならば、何かと会う機会がある。
年下と言っても孫のような小さな子から、
小学生、中学生、高校生、
同じ大人クラスの自分より年下の生徒。
本当に幅広い。
若い人はまぶしい。
オバリーナのしょぼしょぼした目から見ても、
輝いて生命力に溢れているのが歴然とわかる。
そしてバレエももちろん上手。
オバリーナたちと同じことをやっているとは思えない……。
私たちのとは何か別物だ。
あの子たちがやっているのがバレエだ。
では、私たちオバリーナのやっているのは何だろう?
バレエ、のようなもの。
バレエもどき?
ちょっと悲しくなるけど、卑屈にはなるなかれ。
同じ教室のレッスンメイトであることは確かだ。
尊重し合い高め合って行こう。
発表会を成功させるためにこんなに幅広い年代の生徒が一つになるって、素晴らしい。
発表会が間近になり、衣装を着けての踊りの練習になると、
よくちっちゃな子たちが私たちオバリーナの衣装を興味深げに見ていることがある。
子どもは遠慮が無いから、食い入るように見る。
もしかして、ちょっと憧れの眼差しなんじゃないか? って勘違いするほどだ。
私たちから見たら、子どもの衣装は丈が短くて可愛いんだけど、
子どもから見たら、大人っぽい衣装はそれはそれで魅力的に見えるのかもしれない。
大人の踊りの振りを真似してるのも見かける。
子どもはすぐ覚えちゃうから、うらやましい。
オバリーナがどんなに、オットットの踊りをしても、子どもたちは決して馬鹿にしたりしない。少なくとも、ウチのお教室ではそうだ。どこのお教室でもそうだと信じたい。
お互い、バレエを愛するダンサー同士。
年下の生徒はどんどん上手になる。
女の子は美しく、男の子はカッコ良くたくましくなる。
その成長を見守るのもオバリーナの楽しみである。
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