Kindle出版への道②
さて、Kindle出版することは決めた。
けれど何を書いたらいいだろう?
ボリュームとしては最低15,000字、出来れば20000字は超えたいところらしい。400字詰め原稿用紙40枚~70枚か。でも、脚本と違ってギッシリ文字を詰め込まないといけない。物書きとしてのプライドもあるので30000字くらいはサラっと書きたいものだ。
タイトルをいろいろ考えてみる。
●「いい嫁をやめてみませんか?」
●「最後に勝つのは上品さ」
●「自分を出した方が人に好かれる」
●「いま頑張っているアナタには最高の未来が待っている」
●「女は60過ぎてから」
●「置かれた場所で花盛り」
●「鏡よ鏡よ鏡さん、どうして私ってこんなに綺麗なの?」
うーん。ダメ。どれもイマイチだ。
何よりも30000字書ける気が全くしない。
出版プロデューサーの安田先生から言われる。
「たったひとりの読者を意識して、その人に伝えるつもりで」
たったひとりの人。思い浮かんだ。ついこの頃まで同じ教室で一緒にバレエに励んでいたHさん。努力家で、私から見たらバッチリできているのに、いつも自分にダメ出ししてた。間違いなく細いのに「食べ過ぎてお腹が出てる」と言うし、上達しているのに「ダメダメ」が口癖だし。いくら褒めても励ましても、まったく私の言葉が響いていないように思えた。バレエをするのが辛そうに見えた……。
その後間もなくして、Hさんは教室を止めてしまった。風の噂でバレエを続けているとは聞いて「ああ良かった」と安心したけれど。
私が伝えられるのはやっぱり「バレエ」のことだ。だってバレエ大好きだもん。バレエ仲間のことも愛してる。LOVE。私はバレエの先生でもないし、上手でもない。でも、たぶん上手か下手かなんて関係ない。テクニックのことを書くわけじゃないんだから。
大人から始めて30年以上習って、4つの教室に通い30回以上舞台を踏んで、怪我や辛いこともたくさん経験してきた私だからこそ、伝えられる「大人バレエ」の世界がある。
そう、「大人バレエ」の本を書きたい。私はずっとそれを書きたかったんだ。
〈続く〉