#1 バレエメイトお悩みコーナー 【膝を入れたい】
こんにちは、バレエメイト運営者の金田です。
本日は、バレエメイトのInstagram に届いた、
膝が入るようにするにはどうしたらいいですか?
という質問に、真面目にお答えしていこうと思います。
早速一緒に考えみましょう。
■膝が入るとは?
まず、バレエで言う『膝が入る』という状態は、バレエ用語でX脚とも呼ばれていますが、解剖学的には『反張膝/はんちょうひざ(しつ)』と言い、膝の関節がゆるく、過伸展してしまった膝のことを指します。
バレエ界(だけでなく新体操などても)ではこの過伸展した脚が美しいとされていて、現に多くのバレリーナたちがこのしなやかな脚を持っています。
この美しい脚に憧れる人は多いと思いますが、どうしたら反張膝を手に入れられるのかみてみましょう!
■反張膝を手に入れるには?
反張膝になる主な要因としては、
1.生まれつき関節がゆるい
2.猫背や反り腰、扁平足や足首の硬さなどが原因で体の重心バランスが崩れている
3.骨が形成される10代までの間に 可動域を超えて過度なストレッチを繰り返すことで靭帯が伸び 関節がゆるくなった
ということが考えられるのですが、体のバランスを崩したり、過度なストレッチを行い靭帯が伸びきってしまえば、反張膝になれます。
....。
でもそれって、考えただけで体に良くありませんよね?
そう、バレエをしている人たちにとって美しいラインの反張膝は、本来、
体にとって良くないと状態ことを言うのです。
過度な膝裏のストレッチでパッと思いつくのは、
前足を台の上に乗せスプリッツした状態(膝に負担がかかった状態)でキープする、またはその状態で前に体重をかけ膝を押すストレッチです。また、涙が出るほど誰かに上から押されるストレッチも過度なストレッチですので、できるだけ行わないようにしましょう。
靭帯は骨を安定させるためにある筋肉ですが、伸びきってしまった靭帯は軟弱になり、関節を安定させることが難しくなります。結果、様々な怪我に繋がっていってしまうのです。
■反張膝が引き起こす怪我
反張膝の人は、必要以上に膝関節にストレスがかかるため、以下の怪我の原因になることがあります。
膝や腰の痛み/膝の靭帯断裂/半月板の損傷/脱臼や変形...
などが挙げられます。特に靭帯や半月板の損傷は、バレエ人生を左右するほどの大きな怪我です。反張膝という美しい脚を手に入れるためには、大きな代償を払う可能性が高くなることをちゃんと知っておいてください!
※反張膝のダンサーがダメだということではありません。それが美しく見えるのは事実です。ですが、真っ直ぐで綺麗な脚なのに反張膝に憧れを抱くリトルバレリーナさんたちや大人バレリーナさん、そして先生方にも!リスクがある事を知っておいてほしいなと思います。
と、ここまでネガティブな部分ばかりお話していきましたが、実際問題、「膝が伸びな〜い!」と悩んでいる方は沢山いらっしゃると思います。
そこで、運営者おすすめの方法をご紹介します!
■膝を伸ばしたい人
膝関節は靭帯に囲まれており、太ももとふくらはぎの筋肉の合流地点でもあります。膝が伸びきらない方の多くは、太もも(特にハムストリング)やふくらはぎが硬くなっている事が多いです。
靭帯は骨を支えるためにあるので、マッサージでは柔らかくはなりませんが、筋肉は柔らかくなりますのでストレッチポールやボールなどを使ってマッサージを行ったり、ストレッチを行いましょう。※ポールマッサージのやり方などは今度noteに書きます!
運動前・・・ポールなどでマッサージをしてほぐすことで、筋肉の動きをスムーズにします。
運動後・・・ポールなどで疲労した筋肉を緩めたり、前屈や寝た状態で足にタオルを引っかけてゆっくり膝を伸ばすなどのもも裏が伸びるストレッチを痛みのない範囲で30秒以上行いましょう。ふくらはぎも同様に時間をかけてストレッチさせ筋肉を伸ばし育てます。※ストレッチ中は筋肉に力が入らないように気を付けてください!
■膝が曲がってしまう人
踊っている最中に「膝伸ばして〜!」とよく言われる人は、膝を伸ばす筋肉が弱いor膝を伸ばすことを無意識化出来ていない人です。
膝を伸ばす筋肉は太もも(大腿四頭筋)です。太ももを使うのを嫌がるダンサーは多いですが、太ももを使わないと膝は伸びません。筋肉と意識の両方を鍛えていきましょう。
画像のようにポールを下に置いてもいいですし、ポールの代わりに椅子に座ったり、寝転んだ状態で足を天井に向かってあげて行うこともできます。
数十秒間ホールドしたり、曲げ伸ばしを行ないます。※片足ずつでもOK!
筋肉がどう働いているのか、しっかりと感じながら集中して行いましょう。ターンアウトしているときは特に、膝同士を内側に押し付け合わないようにしましょう。
■既に反張膝の人へ
1番ポジションの両足のかかとはくっ付いていますか?もし離して立っているのであれば、しっかりとかかとを付けて真っ直ぐ立ちましょう。これ以上過伸展の角度がひどくならないように気を付けてレッスンしていけるといいです。最初はいつもより膝が曲がっている感覚があるかもしれませんが、正しいアライメント(骨の整列)で伸ばす、立つことの方が大切です。膝を内側に押し付けないよう、床反力を感じながら膝裏から腿をターンアウトをさせ、お腹の方へ脚を引き寄せる意識を持って立ってみましょう。
■最後に
幼い頃からバレエをしている人は、少なからず反張膝になってしまっている方は多いと思います。もちろん真っ直ぐで綺麗な脚を持つダンサーも大勢いらっしゃいます。
バレエは美しさを追求していく踊りではありますが、その美しさだけに捉われず、さまざまな知識を取り入れた上で、ご自身で取捨選択してほしいです。この記事も「こういう意見があるよ!」という気持ちで書いています。
もしかすると、今回の記事は質問者さんや期待して読んでくださった方が求めるような答えじゃなかったかもしれませんが、なるべく怪我のリスクを減らしながら、これからもバレエを末永く楽しんでいって欲しいなと運営者は願っています。
それでは今日もレッスン頑張ってください!
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