【今日コレ受けvol.039】革新、とは? 三重ホンダヒート キアラン・クローリーHC 取材note
まだ、名刺の肩書きが「カメラマン」だけだった頃。コロナ禍の前だから、4〜5年くらい前だろうか。ライティング講座を見つけては通っていた頃の話だ。
とあるエッセイ・文章講座の体験授業を受けた。
講師のベテランライターが、「僕は週に2回ここに来ているが、駅から10分くらいの道中、毎回違う道を通ってくる。行きと帰りでも道を変える。なぜならそこには書くための種がたくさん落ちているから。ライターを目指すのであれば、毎日違う道を歩かなければダメだ」という趣旨のことを話した。
講座に通っても、本を読んでも、文章がうまくなった手応えを感じられず、「ライター、向いてないかも」と考えていた時期だったのだが、「私、ライターに向いているな」と勇気をもらった。全く、おっちょこちょいである。
小学校の頃から決められた通学路を通らず、寄り道ばかりしてよく叱られれていた。それ以前の記憶はないが、たぶん生まれつきこの性分なのだろう。おかげで? 毎日同じ時間に同じ場所に行くことが得意ではない。会社勤め、できるわけがない。
で、今に至る。
今もまさに、今日はどの駅からどの道を通って体育館に行こうかを考えながらこの原稿を書いている。
***
今日、ラグビーのリーグワンが開幕する。私が担当している三重ホンダヒートは、昨シーズン入替戦に勝ってディビジョン1への昇格を果たし、今日がD1初陣。
ヘッドコーチに、ワールドカップフランス大会でイタリア代表を指揮した世界的名将キアラン・クローリー氏を迎え、チャレンジングなシーズンに臨む。
キアランHCは就任会見で「Hondaは常に革新的で進歩的な企業であり、その革新性と進歩的な考え方を試合でのパフォーマンスにおいて証明したい」というようなことを話していた。
先日、キアランHCと直接お話しする機会があり、彼にとって「革新とは何か」を伺うことができた。
「違うことをすることだ」
と彼は行った。
10月末に来日したのでまだ1ヶ月ほどだが、既に以前と違うことを導入しているかと問うと、「アイデアはあるが、それを実行するにはスキルが必要だ。今はそのスキルを身につけるために選手を育てている」と答えた。
人とは違うアイデアと、それを成しえるためのスキル。その両方があって、初めて革新性は生まれる。
革新的なラグビーを作り上げる過程を間近で見られる。なんたる幸運だろう。
https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/2023120800022-spnaviow
***
ラグビーだけでなく、今年は担当しているチームが軒並み“本場”出身のヘッドコーチに変わった。
Bリーグのシーホース三河は、NBAで10年以上のコーチ経験を持つライアン・リッチマン氏を、ハンドボールのトヨタ車体ブレイヴキングス
は、ハンドボールの発祥国と言われ、国技にもなっているデンマークからラース・ウェルダー氏を招聘し、変革の最中にある。
自分で言うのもなんだが、本当に運がいいと思う。チャンスをいただいた皆さまに心から感謝している。
そして、サッカーという道から、一本隣の道に分け入ったあの日の自分にもありがとうと言いたい。
毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。
一本隣の道を歩く【さとゆみの今日もコレカラ/039】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?