親父も一緒に戦っている
先週末は例のごとく練習試合だった。
とても寒い日で観戦するのもラクじゃなかった。
そして息子も寒さのせいか緩慢な動きで、あまり動きが良くなかった。
というかこの日に限らず、最近息子のプレイがあまり良くない。
何かが悪いわけでもないが、良いところもない。
良い方にも悪い方にも目立たない。
飢えがない。
ゴールへの飢え。勝利への飢え。サッカーへの飢え。
野心がない選手が試合に出ても無難にこなすのが関の山で、それで何か得るものがあるのか疑問だ。
リスクを負わないと得るものも限られてくるが、息子はリスクを嫌がる。
息子はわりと負けず嫌いなのだが、『勝ちたい』よりも『負けたくない』に近い気がする。
勝つためのプレイよりも、負けない=リスクがないプレイを選択しがちだ。
その分、血気盛んな『勝ちたい』選手より冷静にプレイできるが、『勝ちたい』選手の勢いに受身になることもしばしば。
気持ちで負けるな、とは言うが、別に無理に『勝ちたい』と意気込む必要はない。
性格に合わない意気込みは空回りするだけだ。
息子には自分の性格に合った勝ち方を覚えてほしい。
まあ、ある程度は技術が解決するだろう。
あとは経験か。
ただそれもこれもまずは勝とうとしないと始まらない。
試合のとき、練習のとき、息子を送り出すときおれはいう。
「殺して来いよ」
我ながら教育的にどうなんだとも思うが、「がんばれ」じゃやっぱおれの気持ちは伝わらないんだよな。
凍えるような寒さの中で試合をしているだけでも頑張っていると言えてしまう。
もちろん息子は頑張っている。それはおれが一番知っている。
だから決して叱ったりはしないんだけど、その「(試合に出ている)8人のうちの1人でしかない」プレイではこれ以上の成長は望めないんだよな、もはや。
そういう段階は卒業していかないと。
と、いうおれの思いは決して息子の意に反するものではないのだが、だからと言って無闇に叱ったり、あまり押し付けてもいけないし、今していることを否定してもいけない。
おれはもどかしい感情を落ち着け、いま頑張っていることは否定せず、そして息子がすっと納得して腹落ちするような伝え方をしないといけない。
それでいて何でもかんでも教えすぎず、息子が自分で気付く力も養って,,,っていう,,,。
おれはおれで戦っているんだよ。
わかってくれよ、とは言わないけどな。
他のサッカー少年の父親もきっとそうさ。
親父も一緒に戦っているんだ。