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私達の身体

まず、私達の身体には内因性カンナビノイドが存在していて、それらは食欲・睡眠・記憶・運動機能・免疫調整・感情制御・痛み・発達と老化・神経保護・認知などの機能を持ち、細胞同士のコミュニケーション活動を支えています。
しかし、加齢や強いストレスや疾患などが原因でバランスを崩したり、減少することがわかっています。
内因性カンナビノイドは、「アナンダミドと2-AG」がよく知られていますが、現在では同じような働きをすると考えられている物質があと8種類あると考えられ、全部で10種類あります。
それらの内因性カンナビノイドは、CB1とCB2のカンナビノイド受容体以外にも、痛み、炎症、体温調節を担いトウガラシの辛味成分カプサイシンに作用するバニロイド受容体(TRPV1)、細胞内タンパク質の1つで核内受容体のペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)、第三のカンナビノイド受容体ともいわれているGPR55、そしてGPR119とそれぞれに作用しています。

受容体の種類

CB1受容体
脳内に見出される数多くの受容体の中で最も多い。CB1受容体の多くはシナプス前膜にあり、神経伝達物質の放出を抑制する。
(THCがなぜ快感をもたらすか)CB1 受容体は大脳皮質のアセチルコリン作動性ニューロンを抑制 する GABA ニューロンのシナプス前膜にあり、GABA ニューロンからの GABA 放出を抑制することでアセチルコリン放出を促すこと、および 側坐核でのドーパミン作動性ニューロンからのドーパミン放出を促し、前頭前野や海馬でのアセチルコリン放出を促す。
このように、カンナビノイドは神経伝達物質の放出をコントロールすることでニューロンの興奮性を促進したり抑制したりする。CB1 受容体は末梢の交感神経終末にも豊富に存在し、交感神経終末から のアドレナリン放出量を調節している。
CB1 受容体は末梢の侵害受容神経線維にも存在する。さらにCB1受容体は下垂体、免疫細胞および生殖器系などの非神経細胞にも見出されている。
CB2受容体
CB2 受容体は脳内にも存在するがCB1 受容体に比べると非常に少なく、末梢組織、特に免疫に関与するBリンパ球やナチュラルキラー細胞(NK細胞)に多い。
CB2 受容体はシナプス後膜にある。末梢組織では抗炎 症作用や免疫反応への関与が考えられている。CB2 受容体の活性化はサイトカインやマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の産生を抑制する。
MMP はコラーゲンなどの細胞外マトリ ックス(細胞外基質)を分解する働きがあるため、癌細胞の浸潤や転移に関わるだけでなく、アポトーシスを引き起こすとされる。

GPR55 受容体 
GPR55 受容体もGタンパク共役型受容体 (GPCR)であり、脳や副腎、膵臓、小腸などに存在している 。炎症性の疼痛や神経因性疼痛や消化管機能の調整との関係が考えられている他、骨代謝 7や癌細胞との関係も注目されている。CBDはGPR55受容体に対して、アンタゴニストとして拮抗的に働く 。
TRP 受容体
温度感受性 Transient Receptor Potential(TRP) チャネルは、感覚神経の細胞膜で強く発現し、温度のみならず多くの化学的・物理的刺激を感受するセンサーとして多様な生体機能に関わっている 。 TRPうちで TRPV1、TRPV2、TRPV3、TRPV4、TRPA1、TRPM8 が内在性のカンナビノイドに応答する。
CBDはTRPV1/2 受容体とTRPV4、TRPA1 受容体に対して、アゴニストとして結合し活性化させる。同じく温痛覚に関係する TRPM8受容体に対してCBDはアンタゴニストとして働く。
PPAR 受容体
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR) は核内に受容体が存在し、α、β、γの 3 つのサブタイプがある 。内因性カンナビノイドと関連があるのはαとγで、PPARαを介して神経保護作用を 、PPARγを介して抗炎症作用を発揮する。 
CBDはPPARγ受容体に対してアゴニストして結合し活性化させる 。PPARα受容体に対しては 直接作用するのではなく、CBD が FAAH を阻害す ることでアナンダミドの濃度を上昇させ、活性化させると考えられている。
5-HT 受容体
セロトニン受容体は 5-HT1 から 5-HT7 まで 7種類のサブファミリーからなり、14 個のサブタイプ が存在する 。5-HT3 以外は、G タンパク共役型受容体であり、多くは中枢神経系に存在し神経伝達物質の調整をしている 。また、血管平滑筋にも広く存在し、血管の収縮や拡張を調整している 。 CBD は 5-HT1A 受容体のアゴニストとして、またアロステリックモジュレーターとしても活性 化させる。5-HT2A 受容体に対しては部分アゴニス トとして活性化させる。
アデノシン受容体
アデノシン受容体は、アデノシンに対する G タンパク質共役型受容体で、ヒトでは、A1、A2A、 A2B、A3 の4種類のサブタイプが存在する 。 そのうちCBDと関連する A2A は、線条体や大脳皮質、海馬、心血管、血小板など生体内に幅広く分布し、神経活動の制御や血管拡張、平滑筋の弛緩など多岐にわたる働きを持っている。CBD はアデノシンの細胞内への取り込みを阻害することで、血中のアデノシン濃度を上昇させ、間接的に働 く。
オピオイド受容体
オピオイド受容体は中枢神経系に多く存在し、 モルヒネ様物質と結合してすることで鎮痛などの作 用を発揮する。μ、κ、δの 3 つのサブタイプと、 新しくノシセプチン受容体もオピオイド受容体の ファミリーと考えられている。 そのうち、CBD と関連するのは、μオピオイド 受容体とδオピオイド受容体で、負のアロステリッ クモジュレーターとして働く。
ドパミン受容体
ドパミン受容体は中枢神経系や血管平滑筋などに 存在し、神経伝達物質であるドパミンと結合することで、興奮性にも抑制性にも作用すると考えられている 。D1 から D5 までの 5 つのサブタイプがあ り、CBD はそのうちの D2 受容体の部分アゴニストとして作用する。
グリシン受容体
グリシン受容体は、中枢神経系に広く存在し、抑制性の神経伝達を担っている。グリシン、β-アラニン、タウリンなどのアミノ酸によって活性化され、競合性アンタゴニストとしてカフェインが有名である。CBD は低濃度でグリシン受容体に対して正のア ロステリックモジュレーターとして働き、高濃度では直接活性化する。

私達の身体にはその他にもまだ受容体が存在しており、健康を支えてくれています。CBDは全身に存在する「カンナビノイド受容体」に間接的に働きかけ、内因性カンナビノイドの欠乏を補います。


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