実家のストーブが

何日か前に壊れてしまった。それから、火は着くが、短時間で勝手に消えてしまうようになった。エラー表示には「油受皿内に水やごみの混入がないことを確認する」とあり、確認して受皿も洗ったが解決しない。原因は分からないが、自分のせいだということだけは確かだ。なぜなら、自分が灯油を入れ替えた後にこういうことになったからだ。自分はいつもこうだ。何をやってもうまくいかない。しっくりこない。世界と相性が悪い。社会に受け入れられない。何でだよ。死ねばいいのか。死にたい。こんな世界とはおさらばしたい。何も考えずとも、そこそこうまくやっていける身体感覚を持っている人々が羨ましい。うまくやっていけないから、いつも考えて悩んで不安の中で生きていくしかない。だから社会を避けてしまう。社会を避けるから、身体感覚も社会と乖離したまま育っていく。それで余計にうまくやっていけなくなる。普通はそこで、失敗を避けて慎重に合格点を取っていく術を学ぶものだ。そういう人間は堅実に安定的な成果を上げられるから社会に重宝される。しかし私は傲慢にも社会の側が間違っていると考えた。社会と接点を持たないから何にも興味を持たず、それらを無価値だと見下した。安易な還元主義的思考に陥り、学問による理想的な思想を持っていれば、社会にやり返せると考えた。しかしすっかりニヒリズムが染み付いていた私にできる学問など哲学しかなかった。何をするにしても、学識も知性も体力も金も理由も圧倒的に足りなかった。そうして私は世界から自らを疎外した。あらゆる価値観を失い、生存し続けたいという人間の基本的な欲望すら失った。社会との接点を持たずに生きてきた私は無価値で、その手には何もなかった。そうして私は、気づけば自分自身からも自らを疎外していた。あらゆるものとのつながりを失い、この上なく自由でこの上なく不自由になった。そんな私に生きていける世界はありますか。

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