生活の建築知識.30
おはようございます。
当たり前のように付いているから気になることもあまりないかもしれませんが、どこの部屋にもだいたい巾木はついています。
おそらくみなさんの家でも付いているのではないかと思います。
もしかしたら上に溜まるホコリが鬱陶しく感じて意識することがあるかもしれません。
そもそも巾木が何のために設置されているか、無くすことはできないのか、そんな話を今回していきます。
巾木を設置する理由はいくつかありますが、1番の理由としては壁面の保護です。
家に限らず、室内であれば必ず床の掃除をするタイミングがあります。
その際に壁際を掃除すると掃除機やモップなどがどうしても壁面にぶつかります。
どんなに慎重に行なっても触れてはしまうでしょう。
そのときに壁面に直接ぶつかる、もしくは触れることを防ぐことで衝撃や汚れの付着から守ってくれます。
壁の多くは石膏ボードという石膏を接着剤で固めて板状にしたもので造られています。
元々は粉末から出来ているので、あまりにも強い衝撃が加われば表面が損傷してしまいますし、水を含んでも劣化してしまいます。
壁にベニヤなどの強度のある材料を使用していれば上記のような損傷は起きづらいですが、汚れの付着に関しては同様です。
特に塗装や左官材料で仕上がっている壁に関しては、汚れが付着したからといっても濡れた雑巾などで拭いてしまうと余計に広がってしまうこともあります。
ただ先ほども話に出しましたが、巾木の上に溜まるホコリは煩わしいものです。
しかもホコリを除去するのに結局壁に触れてしまいます。
こうなると衝撃から保護してるだけの機能しか有していないとも考えられます。
今までお話ししたのは、出巾木という種類に関してとなります。
実は巾木には取付方に種類があり、最も一般的な巾木の設置方法が出巾木です。
出巾木は単純に壁面の上から巾木がくっついている状態、もしくはくっついているように見えるものを言います。
他の種類として、同面巾木と入巾木があります。
同面巾木は壁面と同じ面に巾木が納まっているものをいいます。
入巾木は壁面より奥に巾木が納まっているものをいいます。
どちらも壁面より出っ張らないことからホコリが溜まる心配はありません。
また、どちらも意匠的にスッキリして見えることを理由に採用されることがあります。
しかし、採用するにはデメリットもあります。
それは施工費が高くなることです。
見た目からもわかるかもしれませんが、出巾木が最も施工しやすいため施工費も安価になります。
巾木に対してあまり予算をかけることには抵抗があるかもしれませんので、この観点から採用されることは少ないでしょう。
しかし、日々の苦悩から解放されると考えれば検討する余地はあるのではないでしょうか?
そして、そもそも巾木を設けなければ良いのではないかということについてですが、先に説明した通りデメリットが生じます。
それでもデメリットを許容した上で実施を選ぶ方もいます。
はっきり言って仕上がったばかりの状態であれば、見た目に余計なものがない分かなり綺麗だと言えます。
その後の維持管理はクライアントにお任せするほかありませんが、住まい方は人それぞれなので一つの選択肢としてなくはありません。
これから住宅をご検討の方がいましたら、生活の仕方が変わる可能性がありますので巾木についても考えてみてください。
些細かもしれませんが、もしかしたらストレスが軽減するきっかけになるかもしれません。
では、また。
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