生活の建築知識.48
おはようございます。
皆さんの中にはカメラが趣味という方がいらっしゃると思います。
もしくは動画撮影をよくしますという方がいても今では珍しくことではありません。
写真や動画をこだわって撮るとなると、必然的に細かな設定を行なっていくとこになるでしょう。
画角、解像度、焦点、露出、スピードなどを操作して狙った作品となるよう調整していきます。
特に解像度、動画ではフレーム数もですが、数値を上げればデータ容量が大きくなりますが、綺麗で編集もしやすい素材が撮影可能になります。
しかし、写真や動画を単体で作品とするのではなく、編集して複数の素材を利用して作品を作り上げるとなると必ずしも数値を上げていけば良いとは限りません。
メインにならずに小さく使う写真を高解像度で使う必要はないということです。
また、早送りするのに60fpsもいらないこともあるでしょう。
これは様々なジャンルでも起こり得る可能性がある例だと思います。
素材感を残さないほど細かくするのに食感の良い食材を使う必要はありませんし、汚れる可能性があるような作業がある日に高い服を着る人も少ないかと思います。
建築においても似たようなことが2点ほど言えます。
今回はその内容に関して説明していきます。
2点というのは、予算とプロポーションのことです。
まず予算に関して、何となく想像はつくと思いますが、見せ場となるような箇所でなければ高い材料や複雑な造り込みは避けた方が良いということです。
建築は他のどの商品より大きいため、高額になる可能性があります。
また高額な買い物となるため、どうしても理想を追い求めすぎてしまうこともあります。
もちろん良い素材を使った方が美観も良いし、長持ちもするかもしれません。
しかし、ほとんどご自身しか目にしないものや、汚れて劣化しやすい環境に使用するのであれば、ある程度更新することを考慮して安価なものを選定すべきだと思います。
逆にここだけは譲れないと思った箇所や、住まい全体の雰囲気に関わるメインとなる箇所に関してはお金をかける価値があると思います。
必ずしも高いものが気にいるとも限りませんが、とにかく予算にはメリハリをつけることを意識すると結果的に満足度が高まるのではないかと思います。
もう一点、プロポーションに関してですが、コンパクトな部屋に大判の材料を使用することはおすすめ出来ません。
逆に大きい部屋に細かな装飾を施すこともおすすめは出来ません。
こちらは絶対いけないというわけではありませんし、使い方によっては効果的なこともあり得ます。
しかし前提として、人が肉眼でモノを見る時に対象が近ければ大きいものは見づらいし、遠ければ小さいものは見えない可能性があります。
距離感やスケール感には、ある程度適したボリュームが存在します。
どの程度が許容かはプロに尋ねてもらえれば良いと思います。
これはインテリア全般にも共通して言えるかもしれません。
カーテンやソファなどのファブリックに採用する柄や生地の目などを考慮すれば、違和感のない自然な空間を演出出来るかもしれません。
何事にもバランスは大切な要素かと思いますが、素材や柄などを検討する際にご参考になればと思います。
では、また。