消えた重さの本当の重さ
こんにちは。
昨今のAI技術の汎用化で、近い将来には多くのことが自動化される可能性が出てきました。
これまで多くの作業を人が行う、もしくは人が管理しなければいけなかったものを、自動化することでかなりの人件費削減に貢献することが期待されています。
実際には今回のAI技術に留まらず、ここ20年くらいは情報技術がスマホの登場により革新的に進みました。
そして、それまでの情報伝達における様々なコストを劇的に削減したのは誰もが知っているところでしょう。
ここから少し考察になるのですが、ここ最近の発展において人件費・時間の削減が可能にはなりました。
一方で、エネルギーの必要性はさらに高まったとも言えます。
なぜならエネルギーを頼りに自動化するための知能演算や機械労力を開発してきたからに他なりません。
近年の発展とともにエネルギーの重要性や、合わせて環境負荷軽減に関してより一層声を大きくして喚起していることにも合点がいきます。
理由はどうあれ、最終的には経済活動での優位性が高い産業から見た景色を基準に、多くのルールが決まっていくことになります。
今では日本のお家芸とでも言える自動車産業もその波に飲まれるのか瀬戸際の攻防をしているように見受けられます。
ただし、結果がどうあれそれまでの技術がいらなくなるかというのは別の話だと思っています。
自動車を例えにしますが、近年人工石油の開発が進んでおります。
詳細に関して割愛しますが、今後も研究・開発が進めば本当にカーボンニュートラルの実現も近づくかもしれません。
しかし、今や電気自動車への促進が環境負荷低減でのトレンドです。
ちなみに電気を自然エネルギーか原子力、もしくは新しい核融合技術で作らない限り環境負荷が出ることの話はここまでにしておきます。
電気自動車が普及することで、利を得るのは自然エネルギー産業に強い、電気バッテリー技術に強い国や企業となるでしょう。
お分かりの通り、アメリカと中国のことですね。
合わせて宇宙開発も盛んであり、ワールドウェブが叶えば自動運転と合わせて管理が出来る産業となります。
つまりテスラのような企業が目指していることですね。
極端に言えば今世界はこの流れに向かっているわけですが、時代は常に変化します。
今はそうでも、今から20年後は新たな流れがあることでしょう。
その時に、今開発されている技術はいらないでしょうか?
もちろん技術も常に進化しているものです。
しかし、世界を一変させる変革がもたらす技術により削減されるのは人件費と時間だと思うのです。
無駄さえなければ技術自体を削減する必要はないでしょう。
しかし、削減はしなくとも需要がないために消えていく技術は多くあったと言えます。
一度消えてしまった技術を復活させることは簡単ではありません。
建築業界では、宮大工という職人たちがいます。
主に自社仏閣を造ることを生業としているのですが、特に歴史的建造物は彼らがいなければ維持・保存することは出来ません。
かと言って、宮大工という職業が一般の建築で必要かと言えば必ずしもそうではありません。
なぜなら宮大工と大工では使っている道具が違えば、持っている技術も異なります。
歴史的建造物は普段の生活からは関係のないものではありますが、歴史を後世に残すことや観光資源としても重要な役割があります。
もし宮大工がいなくなってしまえば、これらを維持するために一から研究をしなければならず、復元をするにも多くの時間と労力を要することになります。
建築業界も時代の流れとともに、宮大工のような技術を多く必要とすることは無くなりました。
効率良く均一で、安全で低コストを実現するための技術が今の建築では主流の造り方ではあります。
宮大工の技術はすでに特殊なものとなり、多くの職人が淘汰されたことは間違いないでしょう。
しかし、幸運なことにまだその技術は継承されており、今後もなくてはならないものだと確信しております。
今の自動車産業の技術力や精密機器類などの製造技術の多くは、日本が優位に立てるポジションであることをよく耳にします。
近い将来かもしれませんが、そのような技術も宮大工のように特殊なものとなるかもしれません。
古い技術と言われかねない立場にはなるかもしれませんが、その技術を継承していく仕組みはとても重要となります。
採算の取れない技術は不要だという風潮もありますが、必ずしもそうではないと私自身は思っております。
近い業界や近い立場であれば、そのような技術を残すための活動も必要です。
新しい技術と古くからある技術の需要を生み出すことも仕事をする立場として今後求められてくるのではないでしょうか。
では、また。