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生活の建築知識.53

おはようございます。

普段何も気にすることがないが、いざ違和感があった時に急に気になるものってありませんでしょうか?
住まいの中でもそんな扱いとなる箇所がいくつかあります。
その一つがスイッチの位置だと思います。
当たり前のように操作出来ることが標準ではありますが、誤った位置に取り付けてしまうと違和感を覚えると思います。
今回はスイッチやリモコン位置についての設置基準について説明をしていきます。

照明や換気扇は多くがスイッチを操作することで点灯・起動するようになっています。
中には人感センサーや明暗センサーなどの場合もありますが、全体で見たらほとんど通常のスイッチ操作となると思います。
各スイッチは各部屋の出入り口付近に設置が必要となります。
部屋の外なのか中なのかは、お好みにもよりますが、居室であれば中に、洗面所やトイレのような機能部では外に設置することが多いと思います。
どちらの場合も反転しても基本的には問題ありません。
居室に入る前に明るくなっていないと不安だという場合、スイッチが外にあっても良いと思います。
廊下などの意匠を優先してトイレの中にスイッチを設置しても良いと思います。
ただし、反転させると操作の観点からは少しだけ不便にはなりますのでご注意ください。
居室で外にスイッチを付ける場合は、3路スイッチを採用すればその不便も解消します。
3路スイッチとは居室の外スイッチとは別に室内にも同様の操作が出来るスイッチを別途設ける方法です。
この場合以外でも広い居室に対しては、出入り口付近のスイッチだけではもそもそ操作が不便となることが多いため、3路・4路スイッチを活用して操作性を向上させる計画とすることをおすすめします。

スイッチは出入り口の付近に設置しますが、そこに扉がある際には左右のどちらに付けるかも気にする必要があります。
開き扉の場合は扉の吊元、つまり蝶番が付いている方と反対の壁に設置することが標準となります。
片引き戸の場合は、開けたときに扉が納まる側とは反対の壁に設置する方が操作をしやすくなります。
これも必ず守らなければいけないルールではありませんが、上記の設置位置の方が確実に不便は少ないです。
理由としては扉にスイッチが隠れることがないことや、扉を動かす手と反対の手でスイッチ操作が出来ることなどが挙げられます。

スイッチの設置高さは、標準で床から1200mm±50mmとなります。
ただしこれはあくまで標準で、900mmと低く設定される方もおりますし、座位で操作をすることを前提とするスイッチはさらに低く800mmでも良いと思います。
ついでに、浴室乾燥機のリモコンやインターホンなどであれば床から1400mm程度を採用することが多くなります。
リモコンの場合、操作性も重要ですがモニターの表示を確認しやすいことも大切になり、スイッチ類よりは高く設置することをおすすめします。
コンセントの設置高さ標準は床から200mm+50mmとなりますが、こちらも場合に応じて変更することはありますので、参考にしてみてください。

スイッチやリモコンの設置位置には必ず守るべきルールがあるわけではありませんが、あくまで生活上不便がないことが1番大切なことです。
もし、生活環境で不便だなと感じるものがあればご自身の動作と何かが合っていないのだと思います。
高さなのか、左右の関係なのか、扉からの距離なのか理由はいくつか考えられますが、その理由を突き止めると自分にとっての最適解が見出せると思います。
しかし、人は生活に慣れて違和感も感じなくなる適応能力もありますのであまり神経質に考えなくても大丈夫です。
ふと気になった際にご自身とスイッチの距離感を気にするきっかけになればと思います。


では、また。

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