日本vsアメリカの戸郷vsターナーを自分なりに分析してみた
ご無沙汰してます。タナカヒサキです。
またまたインプット期間に入っており普通に更新をサボっておりました。
、、、いや、WBC見てたら全然更新できませんでしたすみません。
今回からまたちょこちょこ更新していきたいと思います。
いやぁ昨日ちょうどWBCの決勝戦が行われていました。
結果的には我らが侍ジャパンが栄光に輝いたわけですが、準決勝と決勝は負けてもおかしくない試合展開で記憶に残る名試合となりました。
昨日のアメリカ戦に関しては2回に先発の今永が準々決勝から手のつけられない存在となっていたターナーにホームランを打たれて先制を許しましたが、その裏の攻撃で完全に目覚めてしまった村神様がホームランで同点にすると、1アウト満塁の場面でヌートバーの内野ゴロで1点を奪い逆転。
その後には岡本和真の見事なホームランも飛び出し、8回にシュワーバーにホームランを許したものの、投手陣が粘りの投球を見せて最後は我らが大谷翔平がトラウトとの名勝負に勝利し、3-2で侍ジャパンが栄冠を手にしました。
そんな中で今回は個人的に山場となった3回の戸郷翔征vsトレイ・ターナーの勝負を細かく見て自分なりに分析していきたいと思います。
3回、先発今永昇太の後を受けマウンドに上がったのは巨人の先発投手である22歳の戸郷翔征でした。
2020年シーズンから活躍を続ける若きスターターで、22年シーズンには2桁勝利を記録した巨人の次期エース右腕です。
そんな戸郷は3回、マウンドに上がるとストレートとメインウェポンのフォーク(ここからはbaseball savantの表記にならってspritterと表記します。)を駆使してトラウトを空振り三振に、ゴールドシュミットをレフトフライに抑え、ポンポンっと2アウトを取ります。
非常にいい形で2アウトを取った戸郷でしたが、続くアレナドにはフォークを見切られてしまいフォアボールとなり、その後のシュワーバーにもフォアボールを与えてしまい、2アウトながら1.2塁というホームランが出れば逆転という状況で絶好調ターナーに打席が回ってきます。
ターナーとの対戦までの戸郷の投球を見ていくと、際どいゾーンのボールは外れることが多く、あまりストライクになっていませんでした。
vsトラウトこそかなりいい形で三振を取れましたが、ゴールドシュミットとの対決は初球のストレートも、打たれた3球目のフォークも高さは甘く、角度がかなりついたので打ち取れはしましたが、打球速度は101.7マイルとハードヒットされていました。
続くアレナド、シュワーバーにもストレートは甘いコースに入ってきており、やや危ない球となっていて、その結果厳しいコースにストレート、フォークを投げざるを得なくなり、2四球を続けてしまったように思えます。
そしてそんな状況で迎えた絶好調ターナーとの対戦。
対戦内容は以下の通りです。
1:spritter 86.3/ 1654/ 27↓/ 17←
→外角低め大きく外れるワンバン ボール
2:4-seam 92.1/ 2430/ 15↓/ 13←
→アウトコース真ん中やや高め 空振り
3:4-seam 91.1/ 2314/ 20↓/ 17←
→インハイ ファウル
4:spritter 84.9/ 1289/ 36↓/ 14←
→インコース低め 空振り 三振
結果的には戸郷が綺麗に空振り三振を奪い、反撃の芽を摘むこととなったこの打席ですが、なかなか中身の詰まった打席にもなっていました。
まずターナーはここまでも5本のホームランを打っており、甘いコースは1発で持っていかれる危険性がありました。
そんなコースを間違えられない場面でバッテリーは初球にスプリットを選択しましたがこちらは大きく外れてしまいます。
そして1-0での2球目にはストレートを選択。
こちらはアウトコース要求で構えていたところのやや上あたりに収まりましたが、ターナーはボールの下をふるスイングで空振り。
1-1となります。
この2球目でボールの下をスイングしているのを見る限り、かなりスプリットに意識があったのかなと思わされるスイングでした。
というのもアレナド、シュワーバーが低めのスプリットをしっかり見極めていたあたり2人に続いてターナーも相当意識していたはずです。
そしてスプリットはゴールドシュミットの打席のようにゾーン内に投げ込まれる可能性もあるのでその意識があったからこそこういう空振りになったのではないか?というスイングをしていました。
3球目はインハイのストレートで3塁線へのゴロファウルを打たせて1-2と追い込みます。
こちらは通常のストレートよりもやや落ち、横の曲がりも大きくなっており、スポーツナビやプライムビデオなどではツーシームと表記されていました。
その甲斐あってか、打球は三塁線へと向かっていき、下に変化した影響でボールの上を擦るファウルとなりました。
こうして戸郷は打ちごろのボールは投げることなくターナーを追い込むことに成功します。
そうして4球目。
こちらはスプリットが完璧にインローに決まり空振り三振を奪いました。
こちらに関してはもうほぼ完璧と言ってもいい投球だったと思います。
特に3球目のストレートがとても効いていて、恐らく同じラインに入れることができていて、(ピッチトンネル)ストレートと同じような軌道からストンと落とすことができていました。
アレナド、シュワーバーとの対戦では上手く機能しなかったスプリットをこのピンチでこれ以上ないコースに投げ切れるあたりがさすが戸郷といったところでした。
トラウト、ターナーとかなりいい形で三振を奪い取った戸郷はそれでリズムを掴んだのかリアルミュート、マリンズ、アンダーソンを3人で抑えてマウンドを降り、2イニングを投げて日本の勝利に大きく貢献しました。
3回表に関しては2回裏で逆転した後によく踏ん張ってリードを守ってくれたと思います。
特に今回紹介したターナーとの対決はアメリカ線の中でもターニングポイントとなった重要な打席だったのではないかと思います。
22歳にして大事な大事な場面をきっちり凌いだ戸郷の実力にあっぱれです。
このような選手が次回大会時も25歳くらいだと言うんだから期待しちゃいますね。
ついでに戸郷のスタットキャストでの指標を見てみると、戸郷のストレートは非常に曲がりの大きい面白いストレートだなぁと思いました。
通常ストレートの曲がり成分は8〜10くらいなのに対して戸郷は10〜13くらい曲がっており、その特徴は映像で見てるだけでもわかるくらいには曲がっています。
回転数もギアを上げているとはいえ、2500以上を記録することもしばしばあり、トラウトやターナーから空振りを奪えるスプリットも持っているとなればメジャー挑戦もできるポテンシャルがあるなと個人的には思いました。
まぁメジャーに行くのであれば2球種では厳しいと思うので、より多くの引き出しを持っていることが重要になりますが、まだある程度時間はあるので少しずつ色んなことを試してくれればいいのかなと思います。
長くなってしまいましたが、今回は戸郷翔征vsトレイ・ターナーの個人的に熱かった勝負を取り上げてみました。
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今回も閲覧いただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。