今回はギブソンを深掘り!
というわけで今回は我らがオリオールズのスターティングピッチャー、カイル・ギブソンの情報を集めていきたいと思います!
きたる開幕戦の相手はレッドソックスで、レッドソックスの開幕投手は今オフにレイズからレッドソックスへ加入したコーリー・クルーバー!
激戦必須のAL東地区からプレーオフ進出を狙うにおいて絶対に取りたい初戦!
なんとか打ち崩したい相手です。
そんなクルーバーの分析もできたらやりたいですねぇ。
というわけでここからはギブソンの分析です!
ギブソンの基本情報がこちらです。
・ギブソンの選手としての特徴
・ギブソンの22年成績
登板数 31
勝敗 10-8
イニング数 167.2
奪三振 144
被本塁打数 24
K/9 7.73
BB/9 2.58
HR/9 1.29
FIP 4.28
こんな感じでギブソンのわかりやすい特徴をまとめていくと、
・イニングイーター
・奪三振率は平均よりやや低い。
・四球率は平均よりやや少ない。
・被本塁打は多い。
といった感じになります。
ここからはギブソンをより深掘りしていきたいと思います。
1.イニングイーターとしての活躍を見込める。
ギブソンの1番の強みはしっかりとイニングを消化できることです。
ギブソンは今季でメジャー11年目となるベテランピッチャーで、22年までに1504ものイニングに登板しています。
年150イニングペースですから大したものです。
毎年コンスタントに先発として30登板ほどこなしており、その貢献度は絶大なものです。
その中で通算89勝とそれなりに勝ち星を積めているのも魅力で、昨季はフィリーズで10勝しています。
オリオールズはクレマー、ブラディシュに加え、ロドリゲスやホールなどまだキャリアの浅い先発陣が多いので、昨季のライルズのようにコンスタントにイニングを消化してくれる見込みの高いギブソンの存在はかなり大きなものだと思えます。
2.打者を惑わす多彩な球種
ギブソンの取り上げたいトピックとしてはもう一つ多彩な球種というのがあります。
ギブソンの持ち球はsinker,cutter,4-seam,slider,changeup,curve,sweeperと7球種もの変化球を操ります。
僕はギブソンの持ち球を
1.sinker,cutter,4-seam
2.slider,changeup,curve,sweeper
と2つのグループに分類しています。
これらは1のグループはファストボールグループ、2がブレイキングボールというイメージで分類しています。(あくまでギブソンの持ち球を分類する際の僕のイメージです。)
1のファストボールグループは同じような球速帯で投げられるボールで、似たような軌道で違う変化をする球種を使い分けています。
3つの球種の特徴をご紹介します。
球種 球速/回転数/回転効率/縦変化-横変化
sinker 91.6/ 2133/ 83%/ 25.4-14.5
cutter 89.4/ 2359/ 57%/ 24.8-0.8
4-seam 92.0/ 2279/ 85%/ 16.4-6.2
cutter,4-seam,sinkerの順番でシュート方向に変化していくボールとなっており、ギブソンの球種の中で1番まっすぐな軌道を描くのがcutterです。
cutterは横の変化が少ないファストボールで、球速も平均が89.4マイルと他の2球種に近い球速帯となっています。
次に横変化が多い4-seamは平均球速が92.0マイル(148キロ)ほどでメジャーリーグの中ではそこまで速くはない4-seamとなっています。
最後にsinkerですが、これはなかなか横変化の大きなsinkerとなっています。
ギブソンはこのsinker,4-seam,cutterをファストボールとして使用しており、球速もほとんど同じで、横変化の度合いの違うこちらの3球種から的を絞るのはなかなか難しそうです。
そこから更に投球に幅を持たせているのがslider,changeup,curve,sweeperです。
球種 球速/回転数/回転効率/縦変化-横変化
slider 83.4/ 2519/ 30%/ 40.6-4.5
changeup 84.6/ 1621/ 84%/ 34.6-14.8
curve 79.0/ 2467/ 59%/ 52.6-7.3
sweeper 82.3/ 2414/ 38%/ 36.1-10.4
この中でもsliderは特によく使われる球種です。
sliderは横変化こそ少ないですが、鋭く落ちるのが特徴の変化球となっています。
特に右打者に対して多く使われる球種で、右打者相手には40.8%もの空振り率を誇ります。
打ち取るのはもちろん、カウントを稼ぐのにも使える便利な球種です。
対してchangeupは対左で多く使われる球種になっており、空振り率も高く、被打率も少なめです。
球速は84.6マイルとsliderと同じくらいの変化量で逆方向に落ちるので、sliderとの組み合わせでかなり投球の幅を広げられそうな球質となっています。
curveに関しては大きな変化量が特徴で、球速も1番遅い球種なので、緩急を作るのに使えそうです。
sweeperは22年シーズンから使用している新球種で、しっかり横変化するボールとなっています。
ギブソンのsliderは横変化の少ない縦スラとなるので、球速の似たsweeperを上手く使うことができれば、かなり投球の幅が広がるのではと思います。
3.多彩な球種のコンビネーション
ここまでギブソンの球種を紹介してきましたが、これだけの球種を投げられると配球を考えるのも楽しいものです。
ギブソンは球種同士の関係性が強く、それぞれがそれぞれを補完する関係にあります。
例えば平均92マイルの4-seamだけではメジャーリーガーを抑えることは難しいですが、同じような軌道、球速で変化したりしなかったりのsinkerと cutterがあるので打ちづらくなります。
その上、sinkerはchangeupと、cutterは sliderと見分けがつきづらいためにバッターは的を絞るのが非常に困難になっています。
個人的にはsliderが結構好きで、グッと落ちるsliderは映像で見ていても見応えがあるしこれを打つのは難しそうだな、と思わされます。
もしこれにsweeperが加わればより良い数字を出すこともできるのでは、と思わせてくれます。
ぜひギブソンの配球にも注目してみていただきたいです。
・開幕戦展望
冒頭でも書きましたが、今季の開幕戦はフェンウェイ・パークでのレッドソックス戦となります。
ギブソンは21年にもレンジャーズで開幕投手を務めていますが、大炎上してしまい、苦い思い出となっています。
ですが、ギブソンはその経験も糧にして今回の開幕戦に臨みたい、と意気込んでいます。
フェンウェイ・パークはメジャーの中でも打者有利の球場なので知られていますが、ギブソン自身はフェンウェイ・パークを得意としており、そこはプラスに働いてくれるのかな、と思っています。
開幕戦からレッドソックスを抑えて、上手く勢いに乗って欲しいです。
・まとめ
というわけで今回はオリオールズの開幕投手、カイル・ギブソンについてまとめてみました。
最後に簡単にギブソンの強みをまとめると
・安定してイニングを消化してくれる。
・多彩な球種によるコンビネーション。
といったところでしょうか。
今季もギブソンが安定してイニングを消化してくれれば、オリオールズは昨季以上の躍進も望めるかもしれません。
若手衆の爆発次第ではプレーオフ進出も見込めるオリオールズにギブソンがいいスタートをもたらしてくれることを願っています。
次はデグロムの投球分析をしてみようかな、と思っています。
今回も閲覧いただきありがとうございました。
次回もまたよろしくお願いいたします。